働きやすい職場環境の整備

基本的な考え方

少子高齢化に伴い、今後我が国の労働力人口が大幅に減少するとともに、育児や介護等を担いながら働く従業員が男女問わず一層増えていくことが予想される中、三菱電機が厳しい国際競争を勝ち抜き、持続的成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが限られた時間の中でその能力を最大限発揮できる職場環境づくりが必要です。

三菱電機では、誰もが仕事と生活を両立しながら、活き活きと活躍できる職場環境づくりに向けて様々な取組をしています。

労務問題の再発防止に向けた取り組みについて

三菱電機グループでは、過去に社員の命や心身の健康にかかわる労務問題が発生しており、都度、再発防止策を講じてきましたが、2019年度に同様の労務問題が発生したことを真摯に受け止め、これまでの取り組みが十分でなかったという深い反省に立ち、新たな施策も含めて再発防止策をまとめました。

労務問題の再発防止を経営の最優先課題とし、社員全員が心身の健康を維持し、安心していきいきと働ける職場環境の実現にグループを挙げて全力で取り組んでまいります。具体的には、「パワーハラスメント対策・メンタルヘルス対策を含めた職場の風土改革」、「長時間労働の抑制・適正な労働時間管理」について、全社一丸となって諸施策を展開していきます。

項目 取り組み内容
職場の風土改革
(パワーハラスメント対策)
(メンタルヘルス対策)

「三菱電機職場風土改革プログラム」の展開

  • ハラスメント防止教育の強化、管理職等の任命時の見極め強化
  • 意識調査を活用した定量的な職場風土分析と、分析結果に基づく継続的な改善の実行
  • 個々人の負荷やメンタルの状況を早期に把握・対応するための施策の充実
  • メンタルヘルス不調者への適切なケアの徹底
    (「三菱電機 復帰支援ガイドライン」の運用点検と再徹底)
  • 相談窓口の充実(複線化)等
長時間労働対策
  • 長時間労働の抑制・適正な労働時間把握の継続
  • 産業医面談等の適切な健康配慮措置の実施
2020年01月10日
労務問題の再発防止に向けた取り組みについて新しいウィンドウが開きます

安心していきいきと働ける職場環境の実現

三菱電機では、「風通しよくコミュニケーションができる職場づくり」「メンタルヘルス不調者への適切なケアの徹底」等を目指し、「三菱電機 職場風土改革プログラム」として以下の施策に取り組みます。特にパワーハラスメント行為を絶対に許さない職場づくりに注力します。

なお、本プログラムは社長直轄のプロジェクト活動として強力に推進していきます。

2019年度に実施した全従業員向けハラスメント講座については、国内関係会社を含めて99%の従業員が受講しました。

【三菱電機 職場風土改革プログラム】
実施事項 主な施策
(1)パワーハラスメントをはじめとするハラスメント教育の強化および管理職等の任命時の見極め強化
  1. ①ハラスメント教育の内容を充実するとともに、受講対象を全社員に拡大する。
  2. ②新入社員配属時の管理職・教育担当研修に、ハラスメントの視点を充実させ、より適切な育成指導を徹底する。
  3. ③管理職をはじめ、指導的立場となる者を任命する際、労務管理に対する基本的な考え方(ハラスメント行為の理解等)を有しているか十分に見極める。
  4. ④パワーハラスメント行為者に対して厳正な処分を行うことを全社員にあらためて周知・徹底する。
(2)意識調査を活用した定量的な職場風土分析と、分析結果に基づく継続的な改善の実行
  1. ①全社員を対象とする職場風土に関する意識調査とこれを踏まえた組織診断を毎年実施する。
  2. ②調査を通じて認識した課題について、外部の専門家の意見も踏まえながら解決に取り組み、PDCAを回しながら職場風土を継続的に改善していく。
(3)個々人の負荷やメンタルの状況を早期に把握・対応するための施策の充実
  1. ①個々人の負荷や職場内の人間関係、ストレスの状況などを確認するアンケートを毎月実施し、意識の変化を早期に掴み対処する。(新入社員を対象に現在実施中。今後対象者を全社員に拡大する)
  2. ②新入社員の職場への配属後、人事部門との定期的な面談機会を増加させる。
(4)メンタルヘルス不調者への適切なケアの徹底

メンタルヘルス不調者が復職した後に労務問題が発生する傾向があることから、不調者に対するケアに特に注力すべく、既存の「三菱電機 職場復帰支援ガイドライン※1」の運営点検と再徹底を図る。

①休職中
上司・人事部門は対象者に対して休職中の取り扱いを丁寧に説明し、治療に専念できるようにする。
上司・人事部門は治療を妨げない範囲で、定期的に面談を実施し、状況を把握する。等
②休職復職時
産業医の意見に基づいた復職時の配慮(就業制限等)を順守する。
復職時の受入体制について職場全体で共有する。等
(5)相談窓口の充実(複線化)等
  1. ①外部の専門家に対面で相談したいというニーズがある場合の窓口として、新規で外部カウンセラーと面談できるサービスを導入する。
  2. ②悩みを持つ社員が相談しやすい環境を整えるため、職場の中で上司・部下の関係にない者を相談窓口とする「メンター」制度を導入する。
  3. ③新入社員専用の相談窓口として設置している「研修サポーター」を個々人の選択で相談しやすい相手とできるよう、複数名配置する。
  4. ④レジリエンス教育※2など、社員のストレスマネジメント力向上に資する研修を一層充実する。
  • ※1厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を参照し策定
  • ※2ストレスや逆境にうまく対処し、回復する力を高めるための研修プログラム

長時間労働の抑制・適正な労働時間管理

三菱電機では、2016年4月から「社員が仕事と生活のバランスをとりながら、心身の健康を維持し、いきいきと働ける職場を実現する」ことを目的とした「働き方改革」を重要な経営施策に定め、総労働時間の削減と適正な労働時間管理、及び業務効率化・生産性向上に資する様々な施策を推進してきました。具体的には、社長から社員へのメッセージの発信などを通じて、「方針の浸透」や「意識改革」を図るとともに、モバイルパソコンの全社員配布やオンライン会議設備の充実、在宅勤務制度の拡大などを通じて、効率的な業務運営に向けた環境整備を行ってきました。また、入退場時刻やパソコンのログオン・ログオフ時刻など客観データから労働時間を自動算出するなど、実態との乖離がない適正な労働時間管理に努めてきました。

その結果、労働時間は大幅に削減するとともに、社員意識調査において「仕事と生活のバランスが取れている」と回答した社員の割合が経年的に増加傾向となるなど、一定の成果が出ているものと考えています。今後、さらに実効性を高めていくよう、「働き方改革」に継続的に取り組んでいきます。また、適正に把握された労働時間も踏まえ、社員の健康配慮措置を確実に実施していきます。


働き方改革

「働き方改革」~次なるステージへ~

「働き方改革」社内ポスター
「働き方改革」社内ポスター

三菱電機では2016年度から経営施策として「働き方改革」に取り組んでいます。この「働き方改革」で目指しているのは、「成果・効率をより重視する企業風土への変革」と「仕事に対する意識の改革を図り、過度な長時間労働を是とする働きから脱却し、誰もがいきいきと働ける職場環境を実現することです。そして、2020年度からは、さらに一段高いステージへ移行し、「カエル!めるこ」をキャッチフレーズに、特に、「ワークスタイルの変革」と「業務の質的向上」に主眼を置いた取組へ深化を図っていきます。

2020年度より掲げるキャッチフレーズ「カエル!めるこ」には、「ワークスタイルを『変える』」、「業務のやり方を『変える』」ことにより新たな価値を創出するとともに、「労働時間を減らす(早く『帰る』)」ことで、“仕事と生活双方の充実を図り、すべての従業員がいきいきと働ける職場を実現する”、という意味を込めています。

「カエル!めるこ」の活動方針は、「職場内コミュニケーションの深化」と「業務のスリム化と質的向上」により、「『仕事』と『生活』双方の充実を図る」という好循環をまわしていくことです。

風通しよくコミュニケーションができ、従業員一人ひとりが心身の健康を維持し、いきいきと働くことができる職場づくりをグループ全体で推進し、全力で取り組んでいきます。

これまでの活動成果

2016年度から「働き方改革」を開始し、労働時間の削減と適正な労働時間管理、及び業務の質的向上に資する諸施策を推進してきました。

その結果、2019年度の実績では、一人・月あたりの所定就業時間外時間は2016年度比で13%削減するとともに、従業員の意識調査では、「仕事と生活のバランスが取れている」と回答した従業員の割合は10%改善しました。

仕事と生活のバランスが取れていると回答した人の割合(社内意識調査結果)
仕事と生活のバランスが取れていると回答した人の割合
(社内意識調査結果)
80時間/月超過者数推移(管理職含む)
80時間/月超過者数推移(管理職含む)
一人・月あたり所定就業時間外時間推移(管理職含む)
一人・月あたり所定就業時間外時間推移(管理職含む)
事業所での活動事例
  • 外部講師による管理職向け講演会の開催
  • 会議ルールの設定(原則50分、17時以降の開催禁止等)
  • 業務集中時間の導入
  • ワークライフバランスを意識したRefresh Wednesdayの導入 等

三菱電機では全社共通的な業務について質的向上を図るべく、本社管理部門が中心となって、次に示すような具体的な対策を推進しています。

  1. IT環境の整備
    1. 執行役会議へのタブレット導入と会議資料のペーパレス化
    2. 全事業所を対象とした、必要な従業員へのモバイル端末支給
    3. 遠隔事業所間会議のテレビ会議化及び出張の削減
    4. 在宅勤務制度の対象拡大による柔軟な働き方の実現
    5. 外出先での業務用スマートフォンの利用促進(スケジュール確認、承認作業など)
  2. 全社共通資料の簡素化・削減
    1. RPA拡大に向けた取り組みの推進
    2. 経営会議の審議時間・日程短縮による資料の簡素化
    3. 各部門が発行する定期報告(週報・月報など)の削減
    4. 各種報告様式の見直し
  3. 間接JIT改善活動の推進
    1. 小集団活動を通じた職場に応じた改善活動の推進
    2. 外部コンサルタントを活用した業務分析の実施と全社水平展開

社長フォーラム

事業所での働き方改革推進を一層加速させるため、2017年2月から、「社長フォーラム」と称した社長と従業員の対話集会を各エリアで開催しています。

社長自ら経営方針の一つとして働き方改革の目的や取組の視点などを従業員に対し直接伝えるとともに、各事業所での活動推進における課題やコーポレートに対する意見、要望など、現場の声を広く吸い上げることで、より実効性のある施策展開に結びつけていきます。

社長フォーラム
社長フォーラム
社長フォーラム
社長フォーラム
VOICE(人事部担当)
VOICE(人事部担当)三菱電機株式会社 人事部CP-Plan推進センター 専任 森崎 洋子
三菱電機株式会社
人事部CP-Plan推進センター
専任森崎 洋子

活動開始から5年目を迎え、これまでの取組の結果として、労働時間の減少や、社内ITツール及び在宅勤務制度の利用者増による仕事の進め方の変革などの成果がありました。

働き方改革を単に業務効率化や労働時間短縮のための活動にとどめるのではなく、「ワークスタイルの変革」と「業務の質的向上」を主眼として取組の深化を図り、すべての従業員がいきいきと働ける職場の実現を目指していきます。


柔軟な働き方を支援する取組

育児・介護に関する制度の整備と浸透

三菱電機では、従業員が安心して育児・介護と仕事を両立できるよう、法定を上回る両立支援制度を充実させ、職場環境の整備に努めています。三菱電機の「育児休職制度」は子が1歳到達後の3月(特別な事情がある場合は2歳到達後の最初の3月末日まで延長可能)まで、また「育児短時間勤務制度」は最長で子が小学校卒業の3月末まで取得することが可能です。「介護休職制度」は対象となる家族について最長2年間、また「介護のための短時間勤務制度」も最長3年間を超えて取得することが可能です。このほか、次世代育成支援の観点から不妊治療のための「出産支援休職制度」や、子育て中の社員が学校行事参加などの際に利用できる「特別有給休暇制度(セルフサポート休暇制度)」、「在宅勤務制度」や、育児・介護などを理由に退職した社員を対象として再雇用する「再雇用制度」を整備しています。

また半日単位で取得可能な「介護欠勤」及び「子の看護欠勤」、介護短時間勤務の一形態として、週1回、特定曜日に全日勤務しないことによる「短時間勤務制度」があります。

そのほか2019年度には年40時間までの「時間単位休暇制度」を導入しました。1日または半日の休暇まで必要としない育児や介護、学校行事などがある場合に、年次有給休暇の一部日数分を1時間単位で取得することができます。

さらに、2020年度には配偶者の出産時に際して取得できる「配偶者出産休暇制度」の日数をそれまでの5日から10日に拡大しました。また、育児・介護及び持病等による治療のために転居が困難な社員に対し、「最大3年間、転居を伴う異動の対象から除外する制度」や、配偶者の海外転任への随伴、自己研鑽やボランティア活動(海外青年協力隊を含む)を行うために休職することができる「キャリア支援休職」を導入しました。

こうした取組をより社員に浸透させていくため、仕事と育児の両立支援制度の一覧や、子育てしながら働く女性社員へのインタビューなど、両立に役立つ関連情報を掲載したポータルサイトを運営し、積極的に情報発信しています。さらに、これらの取組について、対象となる社員だけではなく、管理職や新入社員に対して、周知や両立支援に対する意識啓発などを行い、各種制度を活用しやすい職場環境づくりに取り組んでいます。今後も、従業員が個人生活の充実と自らのキャリア形成を追求することができる職場風土の醸成に努めていきます。

育児にかかわる各種両立支援制度(三菱電機)
育児にかかわる各種両立支援制度(三菱電機)

託児施設「ダイヤモンドキッズ」

社員のキャリア形成と育児の両立を支援するために、2014年10月1日に神奈川県鎌倉市及び兵庫県尼崎市の事業所内に託児施設「ダイヤモンドキッズ」を開設し、それぞれ10名程度の子どもたちを受け入れています。

職場に隣接した場所で、就業日・就業時間に合わせた運営や延長保育などを実施するとともに、不審者の侵入を防ぐためのセキュリティー対策や事故防止対策を図るなど、社員が十分に、また、安心して仕事に専念できる保育環境を整えています。また、年間にわたり入所の機会を設けることで、育児休職者の職場復帰を支援しています。

名称 ダイヤモンドキッズ湘南 ダイヤモンドキッズ伊丹
所在地 神奈川県鎌倉市大船5丁目1番1号
情報技術総合研究所内
兵庫県尼崎市塚口本町6丁目9番22号
三菱電機健康保険組合伊丹総合保健
体育館BRIO(ブリオ)内
施設面積 床面積 約100m2
定員 各10名程度
託児年齢 0歳(生後57日目以降)~小学校就学前
利用対象者 三菱電機社員(女性に限定しない)
運営時間 8時~18時(延長保育 21時まで)

その他制度

フレックスタイム制度

フレックスタイム制度は、社員が主体的に自らの勤務時間を決定することにより生産性の向上と創造性の発揮を図り、会社生活と個人生活の調和を図ることを目的としています。

適用者は各人の担当業務の内容・職務遂行の態様に基づき決定されます。

就業時間は、特段の事情がない限り原則として全員が就業すべき時間帯である「コアタイム」と、業務の進捗(しんちょく)状況・繁閑などを考慮し主体的に出退勤を設定・判断しうる時間帯である「フレキシブルタイム」に区分され、具体的な時間帯は事業所ごとに決定します。

特別有給休暇制度(セルフサポート休暇制度)

各人の休暇年度末に年次有給休暇の切り捨てが発生した場合、20日を限度に積み立て、次年度以降に繰り越すことができます。

社員本人が3日を超える療養・介護・看護・ボランティアなどを行う場合、会社の承認を受けたときはセルフサポート休暇を取得することができます。

在宅勤務制度

2018年度より「場所にとらわれず効率的に業務遂行する」柔軟な働き方として、利用対象者の拡大と制度利用の柔軟性を高めました。

2020年度からは、育児や介護の事由を問わず、業務の効率化・生産性向上や、「仕事」と「生活」双方の充実(ワークライフバランス推進)を目的とした制度の利用が可能になりました。


制度の利用状況:育児・介護関連実績推移(三菱電機)

(単位:人)

取得者数 2017年度 2018年度 2019年度
育児休職 24 273 297 38 302 340 66 348 414
休職取得率(%) - 98% - - 99% - - 100% -
育児短時間 11 368 379 13 379 392 14 392 406
妊娠短時間 - 11 11 - 20 20 - 14 14
介護休職 7 4 11 11 7 18 7 9 16
介護短時間 4 8 12 1 6 7 1 20 21
産前産後欠勤 - 182 182 - 178 178 - 198 198
配偶者出産休暇 735 - 735 769 - 769 861 - 861
看護欠勤 13 15 28 20 15 35 29 19 48

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