サプライチェーンマネジメント

基本的な考え方

三菱電機グループでは、国内外のお取引先を公平・公正に選定・評価するため、「資材調達基本方針」及び「CSR調達指針」の考え方をお取引先に説明し、ご理解いただくとともに、三菱電機グループが定める取引先選定評価基準に基づきお取引先を適正に評価することで、サプライチェーンにおけるリスクを低減させています。

三菱電機グループでは、取引先選定評価において評価項目に品質・価格・納期・サービス対応のほか、環境規制への取組、CSRへの取組を含めています。総合的に評価の高いお取引先から優先的に調達することを基本方針としています。

資材調達基本方針

三菱電機グループでは、次の3つの基本方針に基づき、資材を調達しています。

  1. Easy Access And Equal Opportunity
    1. ~常に公平に新しいパートナーを求めています~
    2. 広く門戸を開放して公正にお取引先を選定し、契約にもとづく誠実な取引を行います。
  2. Mutual Prosperity
    1. ~相互理解を深め、信頼関係の構築に努めています~
    2. 製品の開発段階からお取引先の参画を得て、コスト・技術面などでWin-Win関係を構築します。
  3. Ecological Soundness
    1. ~環境負荷の少ない資材の調達を推進します~
    2. お客様からの要求内容と環境関連法規を踏まえて、環境負荷の少ない部品・サービス等を調達します。

CSR調達指針

2007年に「CSR調達指針」を定め、この指針に基づき、資材調達活動を行っています。

また、CSRへの取組に対する三菱電機グループの考え方やお取引先に遵守いただきたい事項をより周知するため、2018年より「CSR調達ガイドライン」を制定いたしました。本ガイドラインの内容について、お取引先へ活動推進に向けた同意確認を今後実施していきます。

  1. 国内外の法令及び社会規範の遵守
    1. (1)法令遵守の徹底
    2. (2)人権尊重、あらゆる差別・児童労働並びに強制労働の禁止
    3. (3)適切な労働環境の整備、安全衛生への配慮
  2. 製品・サービスの品質と安全性の確保
  3. 環境への配慮
    1. (1)環境負荷の少ない資材の調達
    2. (2)環境マネジメントシステムにもとづく有害化学物質管理の徹底
  4. 企業倫理にもとづく公正な取引の推進
    1. (1)公正、対等な立場での、法令、契約にもとづく誠実な取引の実行
    2. (2)情報システムセキュリティー構築による情報の管理・保護の徹底
    3. (3)不正、贈賄等、企業倫理にもとる腐敗行為の徹底排除

サプライチェーンマネジメントの推進体制

三菱電機グループでは2017年4月よりWΣ21Ⅱ(Worldwide Strategic Integration for Global Markets in the 21st century Advance to the Next Stage)活動を実施しており、地域別最適調達に向けた活動推進のため、中国、アジア、欧州、米州の4地域で資材企画室を設置し、資材責任者会議等で購買戦略を展開しています。それに伴い、サプライチェーンも事業活動を行う様々な国にまで広がっており、労働慣行や環境問題等、多様な問題に対するリスク低減に向けた活動を推進していきます。

WΣ21Ⅱ:三菱電機グループの経営目標である「2020年売上高5兆円、営業利益率8%以上」の実現に向けた資材部門の活動

  1. 活動期間:2017/4/1~2020/3/31までの3年間
  2. 重点活動項目
    1. (1)目標原価達成に向けた原価企画活動の進化
    2. (2)サプライヤーと一体となった機種競争力の強化
    3. (3)グローバルでの地域別最適調達の推進
    4. (4)サプライチェーンマネジメントの強化
    5. (5)活動施策を支えるプラットホームの構築
サプライチェーンマネジメント推進体制

サプライチェーンマネジメント推進体制

主要地域における現地調達比率(三菱電機グループ)

主要地域における現地調達比率(三菱電機グループ)

  • ※1現地調達比率:海外生産拠点が、それぞれの裁量で調達している材料・部品等(原産国にはよらない)
  • ※2地産率:現地調達のうち、海外拠点所在国の原産品の調達比率
  • ※3他国産:現地調達のうち、海外拠点所在国以外の原産国からの調達比率

責任ある鉱物調達への方針

三菱電機グループでは、以前から紛争鉱物※1の取引を資金源としている武装勢力への関与がないように、サプライチェーンの透明性を図ってきました。さらに、コバルトの採掘現場において、劣悪な労働環境による人権侵害の可能性があることも重要な問題と認識しています。三菱電機グループでは「経済協力開発機構(OECD)紛争地域及び高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデューディリジェンスガイダンス※2」を尊重し、深刻な人権侵害や環境破壊の助長や加担に関与する鉱物をサプライチェーンから排除します。

紛争鉱物規制に関する調査実績報告

三菱電機は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「責任ある鉱物調達検討会」に参加し、業界団体と連携した本規制への対応を進めています。お取引先への調査は、自動車業界や電機電子業界などが共通的に使用する調査様式(CMRT※1紛争鉱物報告テンプレートやCRT※2コバルト報告テンプレート)を使用して行っています。2018年度では、約1,200社のお取引先に調査を実施し、83%のお取引先から回答を入手しました。製錬業者情報の精度の向上などをお願いしており、本規制への対応を引き続き進めていく方針です。また、NPOとの鉱物調達における意見交換も実施しています。

  • ※1責任ある鉱物イニシアチブ発行の紛争鉱物調査帳票
  • ※2責任ある鉱物イニシアチブ発行のコバルト調査帳票

【CSRの取組】人権の尊重の取組


2018年度の精錬業者の特定状況(特定した精錬業者:延べ4,600社)
錫(スズ) タンタル タングステン
70% 73% 71% 74%

特定した精錬業者のうち、約84%が紛争フリーと判明しています。

サプライチェーンにおけるCSRへの取組強化

環境課題への取組

2006年以降、三菱電機グループでは、お取引先の環境問題への取組状況を「グリーン認定制度」により評価しています。これは、三菱電機グループの「グリーン調達基準書」に基づき、お取引先の環境マネジメントシステム認証取得状況や環境関連法規遵守状況、納入品に含有する化学物質管理状況などを調査し、基準に達したお取引先を認定していく制度です。三菱電機グループでは、この制度を通じてお取引先の環境問題への取組状況を適正に評価し、認定水準に満たないお取引先には適切なアドバイスを行い、是正いただくことで、環境リスクを低減させています。

新しいウィンドウが開きますグリーン調達基準書(PDF:860KB)

新しいウィンドウが開きますGreen Accreditation Guideline(PDF:272KB)

社会的な課題への取組

2009年より人権、労働慣行、安全衛生、法令遵守、製品安全性など、CSRへの取組状況も取引先評価項目の一つに追加しています。また、2018年に制定したCSR調達ガイドラインにはRBA(Responsible Business Alliance :責任ある企業同盟)が策定・公表しているRBA行動規範(RBA Code of Conduct : Version 6.0)とJEITAの資材委員会より発行された「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」の内容が含まれており、国際的な基準に由来しています。お取引先が本ガイドラインの内容を推進いただくことを確認するために、本ガイドラインの最終ページには「同意確認書」を添付しています。

新しいウィンドウが開きます三菱電機グループ CSR調達ガイドライン(PDF:782KB)

新しいウィンドウが開きますMitsubishi Electric Group CSR Procurement Guideline(PDF:448KB)

2019年度の重点活動目標として、以下2点を掲げています。

1.CSR調達ガイドラインに対する同意確認書につき、前年度未回答のサプライヤー及び19年度の対象サプライヤーから入手。
CSR調達ガイドライン同意確認書の署名につき、18年度は全取引先の約1/3に依頼しました。18年度に入手が完了できていないサプライヤーについては入手完了を目指すと共に、19年度に署名を依頼するサプライヤーからの入手も実施します。

2.サプライチェーンにおける重大な人権侵害リスク(外国人労働者に対する強制労働、危険有害労働)の把握と是正に向けた活動。
これまでの調査に加え、独自のチェックシートを用いて人権侵害の有無を把握し、是正に向けた活動を実施します。

  • 三菱電機グループの「グリーン調達基準書」「CSR調達ガイドライン」は、下記に掲載しており、法令や社会規範などの変化にあわせ、適宜見直しています。

【三菱電機について】グリーン調達・CSR調達


お取引先への依頼事項

三菱電機グループの調達基本方針及びCSR 調達指針をご理解いただくとともに、貴社サプライチェーンに対しても周知いただきますようお願いいたします。また、三菱電機グループではサプライチェーンで取り組むべき重点内容を以下のとおり設定していますので、貴社内及び貴社サブライヤー様へ周知徹底をお願いいたします。特に、新規お取引先につきましては、原則として三菱電機グループのCSR調達指針をご理解いただいた上、遵守への同意並びに調査票のご提出をお願いしています。

詳細につきましては、弊社各種ガイドライン(グリーン認定基準書、CSR調達ガイドライン)をご参照ください。

【三菱電機について】グリーン調達・CSR調達

  1. 法令及び社会規範の遵守
    1. 事業を行う各国・地域の法令、国際的取決め、取引倫理、社会規範などの遵守をお願いいたします。
      (贈賄・横領・違法政治献金などの腐敗行為排除、独禁法・下請法・外為法などの関連法令遵守、知的財産の違法な入手・使用の禁止、適切な情報開示、契約にもとづく誠実な取引の実行など)
  2. 人権の尊重
    1. 事業を行う各国・地域において、基本的人権の尊重をお願いいたします。
      (強制労働・児童労働・虐待・人身売買・ハラスメントなどの非人道的扱いの禁止、あらゆる差別の禁止、適切な賃金の支払い、適切な労働時間の管理、団結権の尊重など)
  3. 安全衛生への配慮
    1. 事業を行う各国・地域において、安全衛生への配慮をお願いいたします。
      (機械装置類などへの安全対策、事故や健康障害の発生リスクの評価と対策、大規模災害・事故などに対する事前対策など)
  4. 環境への配慮
    1. 環境負荷の少ない製品・サービス提供のための取組をお願いいたします。
      (環境マネジメントシステムの認証取得・維持管理、環境関連法令の遵守、製品に含有する化学物質の適切な管理など)
  5. 製品・サービスの品質と安全性の確保
    1. 提供する製品・サービスの品質・安全性確保のための取組をお願いします。
      (安全性確保のための設計・評価・試験、安全性に関わる法令等の遵守、品質マネジメントシステムの構築・維持管理など)
  6. 情報システムのセキュリティー対策
    1. コンピューターネットワークへの脅威に対する適切な防御への取組をお願いいたします。
      (コンピューターウィルス、サイバーアタックに対する防御策構築、機密情報・個人情報の適切な管理による情報漏洩防止など)

お取引先に対するCSRへの取組評価内容と活動実績

取引先調査の基本的な考え方

三菱電機グループでは、お取引先の「グリーン調達基準書」及び「CSR調達ガイドライン」の要請事項おける取組を確認するため、購入額上位80%に含まれる主要お取引先に対し、調査票への回答をお願いしています(新規取引では取引開始検討時に、継続取引では一定期間経過(原則3年ごと)時に実施)。お取引先からの回答に対する三菱電機グループでの評価結果をフィードバックするとともに、評価の低い項目があるお取引先とは個別に打ち合わせなどによるコミュニケーションを図り、是正をお願いしいます。なお、CSR調達ガイドラインの制定に併せ、調査票の様式を2018年に改訂しました。


活動実績

2006年から国内のお取引先を調査対象としていましたが、2017年度以降は海外のお取引先も対象に加え調査を実施しています。2017年度は中国及びタイ地区を重点的に調査し、2018年度には欧州や米国のお取引先に対象を拡大しました。

「グリーン認定・CSR調達に向けた調査票」の回収状況(三菱電機単体)
  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
既存サプライヤー 1,465社 728社 696社 1,201社
新規サプライヤー 27社 15社 25社 60社
(実施率100%)
回答回収率 99.9% 100% 99.0% 96.0%
  • 1.全取引先数:約10,000社(うち購入額上位80%に含まれるお取引先約2,700社に実施)
  • 2.2016~2018年の3年間で上記のお取引先(約2,700社)すべてに対してアンケートを実施しました。
  • 3.上記件数には、改善指導実施後、再度調査票が提出されたケースも含みます。
  • 4.2018年度の評価の結果、取引関係を解消したお取引先はありませんでした。
「グリーン認定・CSR調達に向けた調査票」の回収状況(三菱電機国内外関係会社)
  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
調査サプライヤー数 212社 346社 1,378社 595社
回答回収率 100% 99.3% 94.0% 60.5%
2018年度のCSR調達ガイドライン 同意確認書入手状況
  三菱電機 国内外関係会社
依頼社数 約1,400社 約700社
入手数(率) 約1,280社(91%) 約400社(57%)
承諾社数(率) 約1,150社(82%) 約400社(57%)

2018年度グリーン認定のお取引先認定比率(三菱電機単体)
2018年度グリーン認定のお取引先認定比率
(三菱電機単体)
2018年度グリーン認定・CSR調達 お取引先調査結果(三菱電機単体)
2018年度グリーン認定・CSR調達 お取引先調査結果(三菱電機単体)
2018年度の指導社数及び改善指導内容(三菱電機単体)
項目 指導対象数 完了数 主な改善指導内容
環境 97社 26社 含有化学物質規制への更なる取組強化(主にRoHS2指令改正への対応)
人権・労働慣行・安全衛生 188社 32社 2次お取引先へのCSR実践の働きかけ
お取引先の現場確認による品質改善・安全指導の様子(海外サプライヤー)
お取引先の現場確認による品質改善・安全指導の様子(海外サプライヤー)
お取引先の現場確認による品質改善・安全指導の様子(海外サプライヤー)

お取引先とのコミュニケーション

お取引先との意見交換
お取引先との意見交換

三菱電機グループでは、「資材調達基本方針」及び「CSR 調達指針」の考え方をお取引先にご理解いただくため、各事業所においてお取引先への説明会を開催しています。このような活動を通して三菱電機グループの考え方にご賛同いただくため、調査票の内容に基づき定期的にお取引先と意見交換も実施しています。また、お取引先においてもCSRへの取組を更に進めていただくようお願いしています。

さらに、事業継続計画(BCP)活動支援や欧州RoHS指令などの化学物質規制改正に関する説明会やコンプライアンスに関連する講座(輸出管理、情報セキュリティー管理、下請法等)も開催しております。

  • 災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画。
2018度実績
  参加社数
CSR調達説明会 約1,650社(うち、海外約400)
BCP強化指導 475社
化学物質規制説明会 約800社
  • 社数は延べ数
各事業所におけるお取引先への説明会
各事業所におけるお取引先への説明会
各事業所におけるお取引先への説明会
各事業所におけるお取引先への説明会(通信機製作所、受配電システム製作所、タイ地区)
VOICE(お取引先様)
芙蓉アステック株式会社
専務取締役
澤野 聡視氏
芙蓉アステック株式会社
専務取締役澤野 聡視氏

CSRと聞いても、漠然と企業が社会に対して社会貢献をするという認識しかありませんでした。今回説明会を開催していただいて、昨今では法制化しつつあるということ、また発展途上国の人権、環境問題にまで及ぶということを知ることができました。

調査票にて具体的なチェック項目を示していただいたので、これを機にCSRに対する意識を社内に高め、快適な職場環境を整備し、社会に求められる企業に成長していけるよう今後も精進していきたいと思います。

サプライヤーとのパートナーシップの強化に向けた取組

三菱電機グループでは、開発の源流段階から部品・材料の共同開発を行い、先端製品の採用、素材のリサイクル、材料の使用量削減などを実施するVE活動をお取引先と一体となって実践しています。

三菱電機幹部からの表彰(稲沢製作所)
三菱電機幹部からの表彰(稲沢製作所)

この活動では、小型軽量化による材料の使用量削減や環境に対する負荷低減を推進し、三菱電機とお取引先双方にとって売上げ拡大や技術力の向上につながるWin-Winの関係を構築しています。特に成果の大きかったお取引先につきましては、三菱電機より表彰を実施しています。

この活動は日本国内のみならず、英国、米国、中国、タイ、インドネシア、メキシコ、インド、コロンビア等のお取引先にも積極的に展開しています。VE講習会における筆記試験・VE実践などにより一定水準に達したことを確認できた受講者には、インストラクター資格を与えるなど、社内の人材育成にも努めています。

東南アジア地区におけるVE講習会(インドネシア)
東南アジア地区におけるVE講習会(インドネシア)
東南アジア地区におけるVE講習会(インド)
東南アジア地区におけるVE講習会(インド)
東南アジア地区でのお取引先表彰(マレーシア)
東南アジア地区でのお取引先表彰(マレーシア)
中国地区におけるお取引先との打ち合わせ
中国地区におけるお取引先との打ち合わせ

調達関連法規に関する教育の実施

三菱電機グループでは、調達業務に携わる社員に業務を遂行する上でかかわりのある法令を遵守させるため、調達関連法規に関する様々な教育を行っています。例えば、国内では独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、建設業法など、調達業務に特にかかわりのある法令に関し、「資材調達関連法規講座」を開催し、遵守徹底に向けた指導・教育を行っています。また、海外においても、贈収賄や横領など、公正な取引に反する行動がないよう、行動指針やチェックシートを使用した指導・教育、調達業務に携わる現地社員などを対象にした調達関連コンプライアンス教育などを行っています。サプライチェーンにおけるCSRへの取組を更に進めていくため、「サプライチェーンCSR推進検討会」開催などによる各事業所活動情報・指導情報の共有化、調達部門社員向けCSR教育などを行い、CSRへの取組を一層強化しています。

タイ地区における調達関連コンプライアンス教育
タイ地区における調達関連コンプライアンス教育
調達部門社員向けCSR教育
調達部門社員向けCSR教育

このページを共有

CSRの取組
カテゴリ内情報