水の有効利用

第9次環境計画(2018~2020年度)の目標と2018年度の成果

水資源の重要性が世界的に増していることを踏まえ、三菱電機グループでは、国内外全80拠点での水使用量・再利用量のデータを継続的に把握しており、半年ごとにこれらの数値に大きな変動がないかを把握して、適宜、必要な対策を実施しています。また、有効な事例があれば、地域会議、キーパーソン連絡会などの機会を通して他の拠点に水平展開しています。

第9次環境計画(2018~2020年度)では、水使用量の売上高原単位を「2010年度比で年率1%改善」という目標を掲げています。これに基づき、水使用量・排水量の管理徹底や節水・再利用による水使用量の削減を進めています。

2018年度、当社及び国内関係会社では生産工程で使用した水をリサイクルして再び生産工程で利用するほか、浄水処理した廃水をトイレの水やクーリングタワーの補給水などに活用する中水利用を進めました。また、雨水利用による地下水使用量の削減にも取り組みました。こうした活動の結果、当社では水の使用量は1,049万m³、再利用量は343万m³(再利用率33%)となりました。国内関係会社では、水の使用量は277万m³、再利用量は98万m³(再利用率35%)となりました。

海外関係会社では水の再利用による取水量の抑制に注力し、廃水の中水利用を拡大しました。しかし、生産量の増大や海外拠点の増加に伴う取水量・使用量の増加から、水の使用量は219万m³、再利用量は17万m³(再利用率8%)となりました。

グローバルでの水使用量の売上高原単位は基準年度(2010年度)に対して23%改善となりました。

水使用量と原単位の削減計画

水総使用量と再利用量の推移(当社/国内関係会社/海外関係会社)

水リスクへの対応

世界的に深刻化する水不足や水質汚染、気候変動に伴う異常気象から、水リスクが高まっています。また、原材料の生産や製品の製造に影響を与えるため、企業の水リスク管理への関心も同時に高まっています。三菱電機グループでは、WRI Water Aqueduct※1を用いて、現在及び将来の水リスクを把握しています(水ストレス※2の有無を含む)。
アセスメント結果に基づき、拠点ごとに対策の優先順位を明確にして取り組んでいます。対策については必要に応じて行政にも報告しています。
また、製品開発においても水源への影響やライフサイクルの評価をしており、影響の低減に努めています。

  • ※1WRI Water Aqueduct:世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価ツール
  • ※2水ストレス:水需給のひっ迫度合いを表す指標。人口一人当たりの最大利用可能水資源量が1,700立方メートルを下回る場合、水ストレスがあるとみなされる

評価の内容

三菱電機グループ内のサプライチェーンにおける水リスクを、企業のリスク管理の枠組みの一部として評価しています。評価においては、顧客やサプライヤーを含むステークホルダーへの影響、生態系への影響などを考慮しています。
あわせて、水リスクに関する、事業上のリスクと機会、財務への影響を評価しています。ここでは水の不足や関連規制による影響に加え、洪水などの影響も考慮しています。

2016年7月には、特に渇水・洪水などのリスクが高い拠点を国内外で特定しました。なお、2019年3月末現在、三菱電機グループのサプライチェーン内で行われる取水・消費・排水において、環境への悪影響は確認されていません。

使用ツール

WRI Water Aqueduct


取水・排水・消費の状況

取水及び使用の状況

三菱電機グループの工場では、主に冷却水、洗浄水、溶媒、材料への添加物、水性塗料の濃度調整用水、また熱媒体への使用を目的に取水しています。2018年度の取水元の内訳は以下の通りです。このほかに、一旦使用した水を浄化・再生した循環水も使用しています。

2018年度 取水元内訳

(単位:千kL)

取水元 取水量
地表水※1 3,536
地下水 4,949
海水 使用していない
生産随伴水※2 使用していない
第三者より購入した水 2,392
合計 10,877(すべて淡水※3
 水ストレス下にある地域に存在する拠点での取水量 71
  • ※1地表水:CDPの基準に基づく
  • ※2生産随伴水:石油、ガスなどの開発・採掘工程で排出される水
  • ※3淡水:≤1,000mg/L 総溶解固形分

また、当社、国内関係会社、海外関係会社での水使用量の内訳はそれぞれ以下の通りです。

2018年度 水総使用量の内訳

2018年度 水総使用量の内訳

2018年度 海外の地域別水総使用量内訳

(単位:m3

  使用量 排水量
  総量 上水道・
工業用水
地下水 河川・
湧水
総量 下水 公共用
水域
中国 807,288 805,032 0 2,256 679,510 670,763 8,747
東南アジア 1,074,941 1,060,400 14,541 0 594,042 516,526 0
欧州 20,765 20,765 0 0 14,915 6,865 0
米国 81,705 81,005 0 0 81,005 81,005 0
中南米 41,916 39,526 2,390 0 37,349 5,654 5,644
合計 2,026,615 2,006,728 16,931 2,256 1,406,821 1,280,813 14,391

排水及び再利用の状況

排水地点ごとの基準値を逸脱することがないよう、余裕を持たせた独自基準を設定し、これにのっとった水質に処理したうえで排水しています。水域の特性に応じて定められている排水基準がある場合は、これも基準に組み込んでいます。
これらの遵守状況については、定期測定により確認しています。

2018年度の排水先の内訳は以下の通りです。

2018年度 排水先内訳

(単位:千kL)

排水先 排水量
地表水 3,808
地下水 14※1
海水 なし
第三者の排水設備に放流した水※2 4,722
合計 8,545(すべて淡水)
 水ストレス下にある地域に存在する拠点での排水量 58
  • ※1構内緑地などへの散水を経て最終的に地下水に混入する水を含む。
  • ※2下水インフラのない地域では、廃水処理業者へ処理委託することがあります。

また、水の再利用の状況は以下の通りです。

水の再利用率の推移

(単位:%)

  2013 2014 2015 2016 2017 2018
当社 33 30 30 29 30 33
国内関係会社 48 45 41 40 40 35
海外関係会社 5.7 7.5 7.1 9.5 8.0 8
全体 32 30 29 28 29 30

消費の状況

2018年度の全地域での水の消費量(取水量マイナス排水量)は2,332千kL、うち水ストレス下にある地域に存在する拠点での総水消費量は13千kLとなりました。

【事例紹介】受配電システム製作所

三菱電機受配電システム製作所では、2018年8月真空バルブ・遮断器を製造する新たな建屋が稼働開始しました。

この新工場では、水を有効利用すべく、雨水を積極的に利用。新工場周辺緑地への散水及びビオトープへの補給水の約80%を雨水に代替しました。2018年度の削減(雨水取水)実績は402m³となりました。また、太陽光を取り入れる採光、ウッドデッキと緑化ルーバーによる遮熱対策、野鳥が休息するビオトープの整備など、自然と調和した心地よい空間を実現しています。

雨水を活用したビオトープ
雨水を活用したビオトープ
緑化ルーバーへは雨水をためて自動給水
緑化ルーバーへは雨水をためて自動給水

【事例紹介】三菱電機(広州)圧縮機有限公司

三菱電機(広州)圧縮機有限公司(MGC)は中国で空調用の圧縮機を製造・販売しています。

中国における水資源問題は深刻で、政府の第13次五カ年計画において、2020年までに2015年比でGDPあたりの水使用量を25%削減するという目標が示され、水資源の有効利用は優先度の高い課題です。MGCでは2017年度に、塗装工程の排水を処理し、工程内での循環利用及び中水としての再利用を開始しました。更に2018年度は、循環利用・再利用の範囲を広げ、2019年度には、政府目標を指針として設定した売上高比で25%削減の計画をクリアする見込みです。

三菱電機(広州)圧縮機有限公司
三菱電機(広州)圧縮機有限公司
CDPの最高評価「Aリスト企業」に3年連続で選定されました
CDP A LIST 2018 WATER SECURITY

当社は、CDPから水資源への対応と戦略において特に優れた活動を行っている企業として評価され、「CDP気候変動」と並んで「CDPウォーター」においても2016年度、2017年度、2018年度と3年連続で最高評価の「Aリスト企業」に選定されました。
さらに、「サプライヤーエンゲージメントリーダー」に選定されました。これからも、持続可能な社会の実現に向けて取組を積極的に進めていきます。

  • CDP:企業や都市の環境への取組を調査・評価・開示する国際NGO(非政府組織)

このページを共有

環境への取組
カテゴリ内情報