人材開発センターの取組レポート

各事業所で、生きもの調査から始まる自然との共生を推進
「緑の力」で生産性を向上
人材開発センター

人材開発センターでは、「緑の力」を社員の生産性向上に役立てるべく取り組んでいます。2017年度から「グリーンイノベーション活動」を推進しており、関西研修センターで緑を採り入れた憩いの場を複数設け、オフィス内にも鉢植えなどを導入しています。

この取組をトライアルとして、将来的には全社へ活動を広げていくことを目指しています。

事業所所在地

〒661-8661 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号

主な業務内容

三菱電機グループ社員を対象とする人材育成


主な取組テーマ

  • 緑を採り入れた憩いの場を設計[C-6-(1)]
  • オフィス・食堂での緑の活用[C-6-(1) ][C-7-(2) ]

※ 取組テーマの分類については以下を参照ください。

取組の特徴

  • 専門家のアドバイスのもと、効果的な緑の配置・活用を追求
  • オフィス・食堂で、インテリアやパーテーションとして緑を活用
  • 研修の合間の息抜きなどに活用できる「G-Space」を関西研修センターロビーに設置
  • 休憩時間や昼休みに散策できるよう南ガーデン内を整備

人材開発センターの活動テーマ

人材育成に緑を役立てる「グリーンイノベーション活動」

人材開発センターは全国3カ所に拠点を持ち、三菱電機グループの人材育成を担っています。そうした中で、「緑の力」を人材育成にも役立てられないかと考え、2017年度に「グリーンイノベーション活動」を開始しました。身近に植物を置くことは、ストレスの軽減、集中力の回復などに効果的だと言われています。それにより研修の効率も上がると考えたのです。

こうした狙いから、まずは関西研修センターで、緑を用いた憩いの場「G-Space」と「南ガーデン」を整備しました。今後は定期的なメンテナンスも行い、常にどこかに新鮮な要素を入れつつも、安らげる空間にしていきたいと思っています。これに加えて、センターに勤務する社員たちが過ごすオフィスや食堂でも植物を採り入れています。

人材開発センターのグリーンイノベーション活動推進責任者(中央、右)と、本社の生物多様性保全活動推進担当者(左)
人材開発センターのグリーンイノベーション活動推進責任者(中央、右)と、本社の生物多様性保全活動推進担当者(左)

専門家の協力を得たこだわりの設計で「緑の力」を最大限に活かす

ひと口に緑を導入すると言っても方法は様々。そこで取組に当たっては、園芸療法の権威である兵庫県立大学大学院の豊田正博准教授にアドバイスをいただいています。例えばG-Spaceの整備では、「緑視率(視界に占める緑の割合)は5%程度で十分」という指針をいただき、それに沿って鉢植えなどの量や設置場所を設定。リラックス効果を最大限に得るため、家具やインテリアなども、隅々まで計算して選定・配置。また、研修センターという「場のふさわしさ」も重視。鉢の形・色・質感にも配慮しました。

さらに、豊田正博准教授の指導のもと、G-Spaceの効果を評価いただきました。ストレス低減、集中力アップ、生産性向上につながるといわれているマインドフルネスをこのG-Spaceで実践し、マインドフルネス評価法を用いて、G-Spaceがマインドフルネスの効果を増加させることが確認できました。

今後は人材開発センターの取組をトライアル事例として、将来的に活動が全社に広がればと考えています。

  • ※マインドフルネス:「今、この瞬間」の現実をあるがままに知覚すること、またはそのために行う瞑想などのトレーニング。
関西研修センター利用者の憩いの場として整備したG-Space。リラックス効果を最大限に得られるよう、緑視率から家具・インテリアの配置まで綿密に設計した
関西研修センター利用者の憩いの場として整備したG-Space。リラックス効果を最大限に得られるよう、緑視率から家具・インテリアの配置まで綿密に設計した
関西研修センター入り口には鉢植えと壁掛け(パレット)を配置。鉢植えとパレットには土の代わりに、セラミックボールを使うことにより、衛生面に配慮するとともに、水やり頻度を減らすことができ、管理の負担軽減にも配慮している
関西研修センター入り口には鉢植えと壁掛け(パレット)を配置。鉢植えとパレットには土の代わりに、セラミックボールを使うことにより、衛生面に配慮するとともに、水やり頻度を減らすことができ、管理の負担軽減にも配慮している

入った瞬間、癒される。

壁掛け、大小の鉢植え、あるいは緑色のソファ。どこを見ても視界の1割は“緑”で覆われるように。

case.01 休憩所 G-Space

関西研修センターロビーに休憩スペースを設置。鉢植えのほか照明やインテリアの種類・配置も専門家のアドバイスに沿って綿密に計算し、「仕事や研修のことをひと時忘れ、リラックスできる」空間としました。

光

淡い光を下から照らして、
「いつもと違う」空気をつくる。

インテリア

視界に入る位置には
写真集や図鑑、愛らしい小物。
自販機の塗装も
特別なものにした。

音

せせらぎの音や鳥の声を流す。
耳からの情報も脳をリセットする
大事な要素だ。

担当者のひとこと

日常の仕事環境とは全然違う世界になるよう
こだわりました。

休憩スペース自体はもともとあったのですが、緑を導入するにあたって、全体の世界観にこだわって設計をやりなおしました。入った瞬間、「あれ、いつもの仕事環境とは全然違うな」と思えるような世界にしたいというメンバーみんなの想いがあったんです。その甲斐あって、G-Spaceとして再出発してからは、一度に座れるのは12人までであるにもかかわらず、一ヶ月で2,500人の利用が確認できました。

“歩いて心地よい”というバランス。

緑深い森よりも、小さな林こそ入りやすい。「ちょっとこの先を見てみようか」。そう思わせるバランスがこだわりだ。

case.02 散策スペース 南ガーデン

開設当初の想定よりも庭木が育ち、また鳥が運んだ種も芽吹くなどして、鬱蒼としていた南ガーデン。散策路と池の周りを中心に木の剪定などを行い、見通しをよくすることで、興味を持って散策しやすいようにしました。

道

庭木の枝をある程度落として
道の「先」を見せた。
奥へと辿ってみたくなるのが
ポイント。

池

道から数歩離れたところに
ある池。
興味を惹かれて覗き込めば、
花や魚の姿も見られる。

花

南ガーデンには
四季折々の花が咲く。
来るたび姿を変える新鮮さも
休憩所には不可欠だ。

担当者のひとこと

私たちにとってもお気に入りの散策場所です。

伸びすぎた木の枝を切ったり、池の周りの草も刈るなどして、南ガーデンはすっかり見通し良く、歩きやすくなりました。道の先が見えているだけでも、「あれ、あそこに池があるぞ」「奥に道が続いているんだ、行ってみよう」という気持ちになれると思います。
メンバーもよく休憩中に立ち寄っています。今年の春は、桜がきれいに咲きました。

机から広がる、“グリーンスパイラル”。

日常の業務スペースには、ピンポイントで植物を配置。ふとした瞬間、視界に入る。それだけでもストレスは減ると言われる。

case.03 オフィス・食堂

オフィスではパーテーションを背の高いポトスの鉢に置き換え、社員の机の上にも花瓶や鉢植えを設置。周りの社員が触発されて花を飾るといったケースも増えており、この連鎖をメンバーは「グリーンスパイラル」と名付けました。衛生上土を避けたい食堂では、目に入りやすい位置に押し花作品を多数飾っています。

机

小さな鉢植えや花瓶だけでも
雰囲気は変わる。
机の上に置けば
話のきっかけにもなる。

壁

パーテーションを
背の高い鉢植えに。
わずかに向こうが見える壁は
安心感にもつながる。

飾

衛生上、
食堂には押し花作品を飾った。
一点モノの作品たちが
窓側の壁を彩る。

オフィスでの緑の活用は他の研修センターでも積極的に進めています。
これらの取組を通じてノウハウを蓄積し、将来的には全社に活動を広げていきたいと考えています。

担当者のひとこと ~オフィス編~

「予期せぬ力」が植物にはある。
私たちはグリーンスパイラルと呼んでいます。

オフィスでは自分の机に緑をおいているメンバーもいますが、自然と机の上を整頓するようになりました。それだけではなく、隣の社員の机まできれいになったり、「これ、いいですね。自分も置こうかな」と声をかけてくる社員も出てきて、予期せぬ影響が連鎖的に広がっていることに驚きました。この「グリーンスパイラル」を全社に広げていきたいと思います。

担当者のひとこと ~食堂編~

食堂に行くのが楽しみになりました。

これも豊田准教授のアドバイスで、兵庫県立大学大学院・淡路景観園芸学校でも展示されている押し花を壁に展示。これまで「ただ、食べる場所」だった食堂が、一気に華やかになりました。すべてが一点モノの特別な作品であり、メンバーもとても気に入っていて、毎日食堂で見るのを楽しみにしています。足を止めて眺めている社員も見かけるようになりました。

人材開発センターの活動の方向性

以下は三菱電機グループの各事業所による生物多様性保全活動の方向性を示した一覧表です。

人材開発センターの活動がどの方向性に当てはまるのかを、色で示しています。

緑を活かして人材育成の効率向上へ

活動の方向性

A
生きものへの
負の影響を低減する

  • 1.「開発圧※1」「外来種圧※2」の抑制  ※3
  • (1)環境アセスメント
  • (2)外来種管理
  • 2.「希少種」「固有種」への注意喚起と保全
  • (1)構内生物リストの公開
  • (2)希少種、固有種の保全
  • (3)周辺の保全課題への協力
  • 3.農薬影響の管理
  • (1)生きもの殺傷の抑制

B
生きものとの
より豊かな共生を目指す

  • 4.機能緑地の設定
  • (1)周辺生態系への貢献
  • (2)「都市生態系」の質向上
  • (1)飛翔性生物の利用地
  • (2)「みどり+生きもの」優先地
  • (3)敷地周辺への連続性の提供
  • (4)周辺生態系の課題への協力
  • 5.緑地の単純化、特定化など、産業的志向からの脱却
  • (1)植生の多様化・多層化
  • (2)植物の特性に合う緑地管理

C
働く中で社員が
自然との関係を取り戻す

  • 6.生態系サービスの職場での積極的享受(休憩所、フロア)
  • (1)文化的サービスの享受・場づくり
  • (2)供給サービスの享受・場づくり
  • 7.「無関心」「無関係」状態から、「全員が関係ある」状態へ
  • (1)理解と行動促進の教育
  • (2)職場・業務での関係創出
  • ※1開発圧:棲みかの破壊。事業拠点を新たに建設することや、天然資源の採取などのために開発が行われること(サプライチェーンでの開発を含めて)、などが該当。操業による水の使用が周辺地域や水源、ひいては生きものの生息環境に影響を与える場合などもこれに含まれると考えられる。
  • ※2外来種圧:その地域にもともと存在しない生きものが、外構や建物の脇の緑地、生垣などをつくる際に地域の外から樹木や草木を導入することがある。何気なく行われる生きものの移動が、地域固有の種の生息を脅かしたり、遺伝的な汚染の原因となることがある。
  • ※3外来生物法の「特定外来生物の飼育、栽培、保管又は運搬」に関する規定に則り活動を実施。

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