開発NOTE

素晴らしい望遠鏡を完成させたい、スタッフ皆一様に気持ちは同じです。

次世代超大型望遠鏡TMT「分割鏡交換ロボット技術」

多くのライバルメーカーがしのぎをけずるなかで「技術では負けない」という自信はあります。またそう言えるだけの実績を当社は積んできました。それらは先輩たちが長い時間を掛けて築き上げてきたものです。我々も続いていかなければなりません。まずは今回の技術を完成させることです。今後もさまざまな困難が待ち構えているに違いありませんが、スタッフ皆一様に「素晴らしい望遠鏡を完成させたい」という気持ちは同じです。

TMT完成までの長い道のりのなかで、常にモチベーションを高く持ち続けることは大変なことです。すばる望遠鏡などもそうですが「小学校の教科書に載るような意義ある仕事をしている」「社会や自然科学の発展に貢献する技術を開発する」、そんな自信や自覚を持って今後も開発に全力を注いでいきます。

これまでの経験を分野を問わず、社会の抱える問題解決に活かしたい。

次世代超大型望遠鏡TMT「分割鏡交換ロボット技術」

いままで数多くの大型望遠鏡開発に携わってきました。この経験を日々の暮らしに役立つようなもっと身近な分野で活かせないだろうか、漠然とですがそう思うことがあります。TMTもそうですが、限られたスペースに必要なメカニズムをどう収めるか。長年、試行錯誤を繰り返してきました。例えば当社はセンサー技術においても優れた技術力をもっています。メカニズムをコンパクトにまとめる技術と高度なセンサー技術を組み合わせれば、社会が抱える問題解決に役立つのではないかと考えています。

制御技術についても今回の開発を通じて新しい発想を得ることができました。「人を中心としてシステムをつくる」という考え方です。全てに自動化を求め、高コストで複雑なシステムをつくるのではなく、機械の正確性と人の適用能力や柔軟性を組み合わせて、いかにシンプルで低コストなシステムに仕上げるかということです。世界にはまだまだ発展途上にある国々が多くあります。人と機械が融合したシステムこそが、世界の国々が抱える課題を解決するヒントになるのではないでしょうか。今回の開発は今後の研究活動にひとつの方向性を与えてくれた気がします。

本技術開発は、大学共同利用機関法人 自然科学機構 国立天文台との契約のもとで実施されました。
TMTはTMT観測所公社の米国における登録商標です。