教師あり学習 /
教師なし学習

きょうしありがくしゅう /
きょうしなしがくしゅう

それは・・

【教師あり学習】問題と正解を用意して区別させる機械学習。

【教師なし学習】正解を用意せず、似た特徴を分類させる機械学習。

1 ものを「区別する」
教師あり学習

これまでの用語集でもお伝えしましたが、AIが自分の力で物事を学ぶための技術の一つ、それを[機械学習(Machine Learning)]と呼びます。その機械学習の中でも、AIに求める答えの違いで、[教師あり学習]と[教師なし学習]という学習方法があります。今回は、AIを知るうえでよく耳にするこの2つの用語、それぞれの特徴をみてみましょう。

[教師あり学習]はいわば「区別させるための学習」です。
あらかじめ問題と正解を大量に読み込ませ、判別の精度を学習していく機械学習で、たとえば犬と猫の画像を大量に読み込ませたあとで、「この画像は70%の確率で犬である」といったような回答ができるような学習を指します。実際に使われている例としては、安全メールとスパム(迷惑)メールの判定や、住宅の価格を予測するなど、答えが明確にわかりそうな時の区別をする場合に有効です。

ただ、[教師あり学習]には弱点もあります。正解のデータの質がよくないと、学習そのものの精度に影響が出てしまったり、明確に正解がない分野には利用できなかったりすることです。そこで、はっきりした正解がないパターンの特定に役立つ[教師なし学習]という学習方法もあります。

2 特徴を「分類する」
教師なし学習

正解が明確なものを「区別する」ための学習だった[教師あり学習]。それに対して[教師なし学習]とはどんなものでしょうか?

[教師なし学習]とは、正解を用意せず大量のデータを読み込ませ、AI自身が特徴や一定のルールを導き出す「機械学習」のこと。
ちょっとまだ難しいかもしれないですね。少し例を挙げてみましょう。

[教師あり学習]では犬と猫の画像を大量に読み込ませ、犬と猫を区別しましたね。[教師なし学習]では、とにかくいろいろな動物の画像を読み込ませます。そうして、その中から「色」で分けたり、「似ている形」で分けたり、特徴をAIが判断し、グループに分けていきます。人間では予測のできないグループを導き出したりするため、一見相関関係がなさそうで、実はパターンが似通っているものを見つけるような、はっきりした正解がないパターンの特定が得意なんですね。

実際使われているケースでは、こんなものがあります。

●人をさまざまな興味や関心によって分類する
●購入の行動履歴で、顧客をグループ化する
●「この商品を買っている人は、ついでにこんなものも買っている」という関連商品の想定

このように何かを分類し、それを分析するのにとても有効な学習、それが[教師なし学習]なのですね。

POINT!

ほしい答えを見越した、
最適な学習が必要なんだね。