スポーツわくわく研究所
調査レポート3

フェンシングを 知ろう!

研究員たちから
「フェンシング」 についての
リサーチ結果を紹介するぞ。

騎士のたしなみの剣術が起源

ヨーロッパ騎士のたしなみだったフェンシング。その語源は、「フェンス(守る)」からきているようです。戦場では火器類の発達により大剣を使うことが少なくなり、代わりに護身用の軽くて扱いやすい剣による剣術が発達しました。これがルーツとなって、細長い剣で闘うスポーツに発展したそうです。

剣術が時代を経てスポーツになったなんて。なんだか剣道のルーツとも似ているね!

フランス語の掛け声で開始!

フェンシングは2名の選手が金属の剣で相手を突いた数(ポイント)を競うスポーツです。15ポイントを先に取ると勝ちになります。掛け声はすべてフランス語。「Allez!(アレ/始め)」の声で試合開始! ルール違反のイエローカード2枚でレッドカードとなり、相手に1ポイント加算。さらに違反を重ねるとブラックカード。選手は即刻退場させられ、一定期間出場停止となります。

違反の繰り返しや、悪質な違反に対して審判が示すブラックカード。スポーツマンシップに反すると判断された場合にも出される例があるわ。

剣の種類で3種目の競技がある

フェンシングには「エペ」「フルーレ」「サーブル」の3種目があります。エペは騎士の決闘を純粋に受け継ぐ競技で、攻撃範囲も頭から足先まで全身に及びます。フルーレは、軽くて小さい練習用の剣に由来し、胴体のみが攻撃範囲です。サーブルは、勇猛なハンガリー騎兵隊の剣技を起源とする豪快な種目。“突き”だけでなく“斬る”行為が認められています。

サーブルの攻撃範囲が上半身だけなのは、騎兵の馬を攻撃しないという意味合いがあるそうだよ。

剣先にあるボタンが勝敗を決する

フェンシングの剣を間近で見ると、剣先にボタンが付いています。これはエペとフルーレの2種目に共通する仕掛けで、一定の強さ(エペは750g、フルーレは500g)でボタンが押されると、電気信号が発する仕組みです。プロテクターには防弾チョッキにも使われるケブラー繊維を採用しています。

一点にかかる強さは相当な力。万が一にも剣による事故が起きないよう、しっかりと安全対策が施されているのね。

目にも止まらぬ一撃を機械が判定

剣身(ブレード)を見ると刃はなく、溝が入っています。溝に沿って埋め込まれているのは、剣先ボタンが発した電気信号を手元に送る電気コード。電気信号は剣先から手元、袖口からユニフォーム内のコードを通り、試合場のコード巻取り機から審判機へ送られ、ポイントのランプが点きます。

最近の試合では選手のユニフォームから電気信号を無線で飛ばす、ワイヤレスシステムを使う場合もあるそうだよ。

剣のしなりを活かして戦え!

フェンシングで特徴的なのが、竹のような剣の"しなり"。ロケットや人工衛星などの宇宙開発技術に用いられる特殊合金製の剣もあります。このしなり具合は剣によってさまざまで、選手も各々の戦方によってしなりの活かし方が異なり、好みが分かれるそうです。

戦いの道具と戦い方にこだわりを持つ選手たちの姿は、
ヨーロッパの騎士の誇りを感じさせるようだわ。

細長い試合場は、城内の戦いを想定

騎士の決闘に由来する「試合場(ピスト)」は、フランス語で「滑走路」という意味。幅2m、長さ14mの細長い形は、城内の廊下での戦いを想定した寸法という説があります。ピストの後方境界線を越えると、相手にポイントが入るルールです。

ピストの両端は、決闘の際に引いた境界線から。昔、これより後ろに下がった騎士は「臆病者」と呼ばれたんだって。

金属製の床なのはどうして?

試合場の床は金属製。公式試合では、すべてアルミ製のメタルピストが使われています。剣先が発する電気信号を外に逃すアースの役割を果たし、選手が誤って床を突いても、審判機が感知しない仕組みになっているのです。

フェンシングの試合場がスポーツの世界では珍しい金属製なのは、電気による判定を行うからという理由があるのね。

視野が広く、視界良好のマスク姿

視野が広く、視界良好のマスク姿

フェンシング選手の特徴でもある網目状のマスク。実際に被ってみると視界が広く、相手がはっきり見えています。外からは見えにくいですが、内側からは視界良好です。

マスクを被った視界というのは、身近なもので例えればレースのカーテン越しに景色を見るイメージだなぁ。

シューズで大切なのは瞬発力

フェンシングで使われるのは、見た目が普通のシューズ。しかしソールの部分を見てみると凹凸が少なく、いくつかの切れ込みが。シューズにもよりますが選手の動きに合わせてソールが柔軟に折れ曲がるようになっていて、接地面を大きくして瞬発力を引き出す作りになっています。

選手によっては、バトミントンやテニスのシューズを愛用する人もいるということよ。

所長のコメント

フェンシングというスポーツの歴史、よく学習できたかな。それじゃあ、次は選手に会って見どころを聞いてきてごらん。

2017年3月公開