カドミウムフリー 電磁開閉器
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何ですか~、これ。初めて見ました。
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そりゃそうじゃ。工場とかにある機械の中に入っておるものじゃ。そこらの家電量販店では売ってないぞ。まあ、機械を動かしたり止めたりするために、機械の中を流れる電気をつないだり切ったりする装置と思えばよい。
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電気をつなぐということは、普段は離れている金属と金属が接触することで、電気が流れるっていうこと?
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そうじゃ。その電気が流れるときに接触する金属部分を「接点」というのじゃが、電気を切るために接点と接点を離したときも、空気を伝わって電気が流れてしまうことがあり、対策が必要なのじゃ。
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空気を伝わって電気が流れるって、例えば「雷雲」と「地上の木」を接点とすると、雷雲から空気を伝わって木に“落雷”するのと同じ現象?
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そうじゃ。接点が離れているときは空気中に電気が流れないようにするために、これまでは、接点にカドミウムという物質を混ぜて使うのが一般的であった。カドミウムは有害物質なのじゃ。
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それはよくないわ。何とかならないの?
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そこで、三菱電機はカドミウムを使わなくても済むよう装置を改良したんじゃ。
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すご~い。接点が離れているときは空気中に電気が流れないようにしたの?
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いや、そうではない。簡単に言えば、空気中の電気の流れを磁力で引っ張って切ってしまうんじゃ。
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例えば。。。 縦に張られている糸を横の方に引っ張って、プチって切れるような感じ?
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まぁ、そんなとこじゃな。。。
電磁開閉器のカドミウムフリー化と筐体サイズの小型化を実現
電磁開閉器は、工場設備などに使用されるモーターやインバーターに広く用いられ、電磁石の動作によって電流を遠隔から開閉できる産業用スイッチです。電流の開閉を行う電気接点で発生するアーク※1を遮断するため、これまではアークの遮断性能に優れた銀酸化カドミウムが使用されてきましたが、環境負荷低減への要求の高まりからカドミウムフリー化が求められています。
今回、電気接点の近くに配置する磁性体板に独自構造を採用することで、銀酸化カドミウムを使用せず、アークを遮断する能力を従来比※2 20%向上させました。さらに、遮断性能の向上でアークが筐体へ与えるダメージを低減することで、業界最小クラスの筐体サイズ※3を実現しました。
※1 電極間に導電性の高温プラズマが発生する現象。結果的に通常では伝導性のない気体中を電流が流れる
※2 カドミウムを用いた従来構造の当社製品との比較
※3 2020年3月19日現在、当社調べ
詳しい論文はこちら。 (PDF形式:1.1MB)