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#003

植物油入変圧器 MELCORE-NEO

写真 植物油入変圧器 MELCORE-NEO
これは、
電気の電圧を上げたり下げたりする装置じゃ。
ここが便利!
発電所から家庭へ電気を届けるのに必要なのじゃ。
ビルや工場でも使われているのじゃよ。
ここがスゴい!
環境に優しい油を使用しているのじゃ。
地球温暖化対策に貢献しておるのじゃよ。
博士

この製品は地球にやさしいぞ。変圧器に植物油を使っているのじゃ。

研究生 エコちゃん

あの~、そもそも“変圧器”ってなんですか? 海外旅行にいくときに、海外の電源を使うために持っていったりするものではないんですか。

博士

入り口から受けた電圧を上げたり下げたりして、出口から出すという点ではそれも変圧器の一つじゃ。今回紹介するのは、発電所から届いた電圧を、工場などで使う電圧に変える産業用の変圧器じゃよ。

研究生 エコちゃん

海外旅行に持っていく変圧器にも油が入っているんですか?

博士

いや、そんな小さいものには入っとらんよ。変圧器は電圧を変えるときに、熱を発生するんじゃ。産業用の大きなものは、その熱の量がとても大きいので、冷やすために、油を使用しているんじゃよ。地面や周りのものに電気が流れないようにすることにも役立っているんじゃよ。

研究生 エコちゃん

その油というのが、植物由来のものということですね。ひまわりの種からとれる油とかを使っているのかしら。

博士

ひまわりの他にもいろいろな植物油があるが、この変圧器に使われているのは、大豆の油じゃ。世の中の植物由来の絶縁油としては生産量が一番多いんじゃ。

研究生 エコちゃん

へぇ~、そうなんだ。でも、植物油って、従来の石油からできる油(鉱油)のように、ちゃんと油としての役割を果たしているんですか?

博士

もちろんじゃ。さらに鉱油よりも、燃えにくいという点もあるぞ。防災性にも優れているのじゃ。

研究生 エコちゃん

すご~い。いいことづくめですね。世の中の変圧器が全て植物油入りになれば、いいのに。。。

博士

そのとおりじゃ。今後、国内外でどんどん広めていくそうじゃ。

絶縁油の成分を鉱油から植物油に変更した植物油入変圧器を開発​

植物は光合成で二酸化炭素を吸収します。変圧器に使用する油は、 焼却の際に二酸化炭素を発生しますが、植物由来の油を使用することで、トータルで二酸化炭素の排出量を減らすことができます。これにより地球温暖化対策にも貢献します。

二酸化炭素が循環するイメージ図と二酸化炭素の排出量

他にも、植物油は土壌に生息する微生物によって分解されやすい油であるため、 環境に優しい特長を持っています。
そのため、 三菱電機の植物油入変圧器は公共設備や交通設備で多数採用されております。

詳しい論文はこちら。​ (PDF形式:682KB)

取材協力
写真 西村 亮岐​

三菱電機株式会社 
系統変電システム製作所​
赤穂工場変圧器製造部/内鉄設計課 ​
西村 亮岐​

研究生 エコちゃん

西村さん、この製品の開発を通じて印象に残ったことを一言お願います。​

西村 亮岐​

絶縁油は変圧器の要の一つで、開発では多岐にわたる検証が必要でした。多くの方と大小さまざまな検証をコツコツ積み上げ、製品の設計/製造ができるまでに至ったことは、これまでの開発の中でも特に貴重な経験でした。