R290対応多用途冷却装置用凝縮器ユニット
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あの~、業務用の冷却装置って、わたしたちの身の回りだとどんなものがありますか?
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まぁ、身近なところでは、スーパーやコンビニで生鮮野菜やスイーツを冷やしているやつじゃ。
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あら。とっても身近~!これらの冷却装置の中にこの凝縮器ユニットが内蔵されてるんですね。でもこのユニットは何をするのかしら。そもそも「冷媒」って何のことでしょうか?
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冷媒とは、熱を運ぶ物質のことじゃ。銅や鉄でできた管の中に閉じ込められているから見ることはできないんじゃが、 常温では無色・無臭の気体じゃ。この冷媒を「圧縮」したり、「凝縮」したりするのがこのユニットの役割じゃ。
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冷媒を「圧縮」したり、「凝縮」するとどうなるの?
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冷媒を「圧縮」することで、圧力が高く、高温の気体の状態になって管の中を移動していくんじゃ。それを冷やして「凝縮」することで、冷媒を液体の状態にするんじゃ。その液体の状態を、気体の状態にすることにより、周囲を冷やすことができるんじゃ。
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あっ、液体が気体になるとき、周囲を冷やすって、夏の暑いときに、道や庭に打ち水をすると、涼しく感じられるのと同じことですよね。冷媒って、ただの空気じゃダメなんですか?
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ダメじゃ。冷媒は「気体」と「液体」をいったりきたりしやすい性質である必要があるんじゃ。世の中で使用されている冷媒は、いろいろと規制が進んでいるとはいえ、地球温暖化につながる温室効果が高いものが多いんじゃが、このユニットが扱うR290という冷媒は地球にやさしいぞ。
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すご~い!! でもそれなら、もっと規制を厳しくして、世の中で使用できる冷媒をR290だけにしてしまえばいいのに。
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R290は、プロパンともいって、ちょっと燃えやすいという性質があってな。R290を冷媒として扱うためには、製品の安全を確保するための技術と品質が求められるんじゃよ。このユニットは、冷媒を「圧縮」する部分、「凝縮」する部分を開発し、使用する油を選定し直し、使用する冷媒の量も150g以下に抑えるなど、工夫を重ねて完成した自信作じゃ。
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でも。。プロパンっていうと、お鍋の時に使うコンロ用のカセットボンベとかに入っているガスですよね。ちょっとだけ心配なんですが、漏れたりしないですよね。。。
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まず漏れることはなかろうが、念のため、万が一漏れた場合でもファン(小さい換気扇)を常に回す機能がついているので、R290がとどまらなようになっておるんじゃ。安全面は万全。さらに、コンパクトで省エネ。言うことなしじゃ。
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安心しました! 地球温暖化防止に加え、省資源の点でもエコなのは、スゴイですね。でもこのユニット、外からは見えないので、身近なところで使われていても、気付くことができないのが残念です。
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そればかりはしようがないじゃろ。。まぁ、スーパーとかで冷却装置を見たときに、三菱電機は「冷媒」を扱う高い技術力があることを思い出すようにすれいばいい。
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博士、、、寒い!? 。
R290対応多用途冷却装置用凝縮器ユニット(MJA形)
冷凍空調機器では冷媒の低GWP化、消費電力削減、省資源が求められている。
自然冷媒R744(CO2)を採用した低GWP機も提供されているが、性能面ではHFC冷媒高効率機と比べて課題がある。我々はこの課題を解決するため自然冷媒R290(プロパン)を採用した凝縮器ユニット(MJA形)を開発した(表1)。本機は縦置形低背高圧縮機(CPB形)の開発と凝縮器の小形化により少量の冷媒量でも冷凍冷蔵用途の広い運転領域で高い効率と信頼性が得られる。また本機は同用途の従来R744対応凝縮器ユニットに対し製品質量を約45%(33kg→18kg)低減し、製品外形も奥行450mm×巾460mmの省設置面積と高さ225mmの低背高を実現し機器への搭載に汎用性を高めている。