地球観測衛星①
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「ひまわり」の雲の写真、毎朝、天気予報で見ています。その写真を送ってくる人工衛星を三菱電機が作っているって、すごいことですね。
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そうじゃ。現役の「ひまわり」は8号で、9号とともに、今日も赤道上空、約36,000kmの静止軌道を飛行しておる。
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あの~、「静止軌道」って何ですか? 止まっているんですか。。。? それにしても、36,000kmって、何でそんな高いところを飛んでいるんですか?
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おぃおぃ、人工衛星は止まらんぞ。赤道上空に静止しているように見えるだけじゃ。つまり、地球の自転に合わせた速さで1日で地球を1周するんじゃ。その速さで進むときに、地球に引っ張られる「重力」と、人工衛星が地球から離れようとする「遠心力」のバランスがちょうどいい高さが36,000kmなんじゃ。
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あ~っ、それで、いつも日本全体が入る範囲の雲の写真が撮れているんですね。
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実際に観測している範囲はこのとおりじゃ。「ひまわり」から観測して得られたデータはアジア・太平洋の30以上の国や地域に提供され、広く防災に役立っておるんじゃよ。
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博士、「観測」っておっしゃいますけど、「ひまわり」は雲の写真を撮影するだけではないんですか?
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目に見える写真は、観測して得られるデータの一つにすぎんぞ。他にも、得られたデータを計算機で処理することで、上空の風、雲の高度や種類、海面水温などの様々な情報を得ることができるんじゃ。
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すご~い! 雲の写真だけでなく、そのようないろいろなデータがあるからこそ、精度の高い予報が可能になっているんですね。
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そのとおりじゃ。宇宙から観測するからこそ得られるデータは、防災、安心、安全という点で、私たちの暮らしを豊かにする上で欠かせないものばかりじゃ。「ひまわり」をはじめ、三菱電機の地球観測衛星は、サステナビリティに大いに貢献しているんじゃよ。
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あの~、ということは、「ひまわり」以外にも三菱電機製の地球観測衛星ってあるんですか。
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博士、、、寒い!? 。
#17 地球観測衛星②に続く。
ひまわり8・9号
「ひまわり8・9号」は、2015年に運用寿命を迎えた「ひまわり7号」の気象ミッションを引き継ぐ静止気象衛星です。ひまわり8・9号は、次世代の気象観測センサーを搭載し、解像度の向上や観測チャンネルの増加などによって、地球環境をより詳細に監視することができます。ひまわり8・9号は2機合わせて2029年度までの約15年間運用を行います。
世界に先駆けて次世代観測センサーを搭載
「ひまわり8・9号」は、世界に先駆けて次世代の気象観測センサーを搭載しています。解像度の向上や観測チャンネルの増加などにより、気象現象や地球環境の監視を強化することができるだけでなく、宇宙からの撮像に要する所要時間を7号と比べて大幅に短縮し、最新の観測データを正確にスピーディに送ることができます。
観測機能を強化した三菱電機の「ひまわり8・9号」
「8号・9号では、世界にさきがけて次世代気象観測センサー(可視赤外放射計)を搭載し、解像度の向上、チャンネル数の増加などを実現。これにより、画像も白黒からカラーへ、静止衛星から見える範囲の観測時間も30分から10分へと短縮でき、地球環境をより詳細に、よりきめ細かく監視することができます。2014年10月7日に打上げられた「ひまわり8号」による初画像が同12月18日に気象庁から公開されました。「ひまわり7号」と比べると画像はモノクロからカラーとなり、解像度は2倍になっています。