プラスチックリサイクル②
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プラスチックリサイクル※1のお話しですね。前回は使用済の家電から「リサイクルプラスチック※2」が作られる過程について勉強しました。
※1 プラスチックリサイクル: プラスチックをリサイクル(再生)すること
※2 リサイクルプラスチック: リサイクル(再生)されたプラスチックのこと
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そうじゃ。この「リサイクルプラスチック」を新製品の材料として使用できる高純度なプラスチックに仕上げるのが、千葉市にある「㈱グリーンサイクルシステムズ」(GCS)じゃ。こちらも三菱電機の関係会社じゃよ。
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粉々の状態でいろいろな種類が混ざっているリサイクルプラスチックをどうやって処理をして高純度なプラスチックにしているのかしら?
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ここでも三菱電機ならではの技術が結集されておるぞ。
家電では、主に「PP」「PS」「ABS」という3つの種類のプラスチックが使用されるんじゃが、これらの分別は以下のように行われているんじゃ。- ①浮沈選別
- 大きな水槽にリサイクルプラスチックを入れる。PPは浮かぶが、それ以外は沈む。
- ②ジグ選別
- 上記①で沈んだものを水を揺らすことにより、PSとABSをそれ以外のものから分ける。
- ③静電選別
- PSとABSを静電気を使って分ける。
- ④X線選別
- X線で異物を検出し、エアガンで撃ち落とす。
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あの~、➁で「水を揺らすことにより...」とありますが、そのようなことで分別ができるんですか?
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できるんじゃ。この映像は水を揺らすことで重さが違うものを分別する模型じゃが、こんな感じじゃ。
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あらっ、不思議! こうやってPSとABSとそれ以外のものを分別するのね。この仕組を発見した人、すごい!
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そうじゃ。その後、PSとABSは重さがほとんど同じなので、PSとABSを分別するために静電気を使うんじゃ。
こんな感じじゃ。
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静電気でモノが引き寄せられるって、頭に下敷きをこすりつけると、髪の毛が下敷きにくっつくのと同じ原理ね。④の「X線選別」も気になってるんですが、何ですかこれは?
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①~➂の処理で大体の分別はできるんじゃが、それでもまだ、少しばかりの異物(不純物)が混ざっておる。それを取り除くんじゃ。こんな感じじゃ。
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すご~い! 撃ち落としてますね~! 純度の高いプラスチックがどのように再生されるかよくわかりました。ところで、この再生されたプラスチックの性能は、全く新しいプラスチックと比べてどうなんですか?
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同等であると考えておる。実際にこのリサイクルされた高純度プラスチックは、主に三菱電機の家電製品に使われており、既に長年の実績でその性能が証明されているんじゃ。
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使用済の家電製品に使われていたプラスチックが再生されて、新しい家電製品に使われて...。家電製品のプラスチックは循環して使えるんですね。
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そうじゃ。この仕組みを「自己循環リサイクル」と呼んでおる。現在、80%以上のプラスチックがリサイクルされておるんじゃが、目指すは、もっと上じゃ。100%リサイクルのミライクル(未来、来る)じゃ。
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博士、、、寒い!? 。
グリーンサイクルシステムズのプラスチックリサイクル事業
高度に自動化された独自のプロセスにより、使用済み家電リサイクル工場で回収された破砕混合プラスチックから高純度のPP、PS、ABSを回収します。回収素材(フレーク、ペレット)は、安定供給、安定品質をモットーに家電製品をはじめとする高付加価値製品用途へ幅広く供給しています。
グリーンサイクルシステムズのリサイクルの各工程や実績等、同社の取組を詳しく開示しています。