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#031

空中タッチディスプレイ

画像 空中タッチディスプレイ
こちらは、
名前のとおりじゃ。タッチディスプレイなんじゃが、空中に浮かんでおるところがポイントじゃ。
ここが便利!
本体に触らないので、画面が汚れず、衛生的じゃ。手袋をつけたままでも操作できるぞ。
ここがスゴい!
ダブルクリックや、ページめくりのような操作もできるぞ。他人からのぞき見されないように工夫されていてセキュリティ面もバッチリじゃ。
研究生 エコちゃん

「空中タッチディスプレイ」! これ、すごくないですか.. !? 私、実際に見たことがないので感覚のイメージがわかないのですが、 SF映画の世界に入り込んだみたい... 。 画面が浮かんでいる...😳。

博士

そうじゃ。イメージ写真のとおりじゃ。MEE (三菱電機エンジニアリング)で開発・製造しているこの製品は、高い技術力のおかげで画面が明るく、鮮やかじゃ。

研究生 エコちゃん

そもそも、どうしてそのような画面を空中に表示させることができるのかしら?

博士

こんな感じじゃ。
まず本体の中に、「ディスプレイ」(図の黒い棒はディスプレイの断面のイメージ)がある。ディスプレイの映像は、本体の上面にある「ビームスプリッタ」というガラスに当たって(Step1)、反射する。

画像 ディスプレイの仕組み

研究生 エコちゃん

「ビームスプリッタ」で反射した映像は、本体に斜めに立て掛けられている「再帰反射材」に当たるのね。

博士

そうじゃ。そこまでがStep2じゃ。そして「再帰反射材」でも反射して、今度は「ビームスプリッタ」を通過するんじゃ。図のの矢印はディスプレイから出てくる光と考えればよい。ディスプレイ上はは同じ点じゃが、ビームスプリッタや再帰反射材で反射するときは離ればなれじゃ。それが、Step3では...?

研究生 エコちゃん

あ~っ! 橙色の棒のところで、が一点に集まっている!!

博士

そうじゃ。本体の中のディスプレイの画像は2回の反射を経て、この位置で光が交わりあってから広がるため、そこに映像があるように見えるんじゃ。

研究生 エコちゃん

すご~い! そういうことだったんですね。でも、どうして空中に映されるボタンを押すことができるんですか?

博士

先程の図の「空間タッチセンサー」が、ここで重要な役割を果たしておるんじゃ。 つまり、操作する人の指先の動きや位置をセンサーで捉えるんじゃ。

研究生 エコちゃん

これもすご~い! 空中にディスプレイを表示させて、さらにそれを触ることができるって、すごい技術がテンコ盛りですね。これって触っている動画はないんですか?

博士

あるぞ。こんな感じじゃ。

エコちゃん
待ってました...😊//

音声無し、35秒

研究生 エコちゃん

本当に浮かんでる~!! ボタンを押すだけでなく、スマホみたいに、スワイプやドラッグもできるんですね。字も書ける~! 

博士

つまり、すご~く、「衛生的」なのじゃ。「ウィズコロナ」から「アフターコロナ」へ変わったが、皆さんに根付いた衛生意識は高く、この製品への期待は大きいぞ。

研究生 エコちゃん

確かに、不特定多数の人が触るタッチパネルを前に躊躇すること、あります。今は飲食店の受付端末や銀行のATM、図書館の検索システムとか、ほとんどタッチパネルですからね。

博士

手で触れるとパネルが濡れたり、汚れたりするような製造現場での利用も期待できるぞ。また、他人からのぞき見されにくいように、セキュリティ面も強化されておる。

音声無し、20秒

研究生 エコちゃん

ホントだ~。近くにいる人からは何も見えない~! 衛生的で安全。将来的にタッチパネルは、「空中」が主流になっちゃうかも...?

博士

そうなっちゃうかもじゃ。装置の小型化や、空中で操作する指の動きをさらに柔軟に分析して使いやすくする開発も進められているぞ。空中ディスプレイの用途の可能性は無限に広がっていく宇宙のようじゃ。

研究生 エコちゃん

博士、、、寒い!? 。😊

10.4型 空中タッチディスプレイ AX-101TW

未来的な空中映像の操作により、衛生的なオペレーションが可能です。

衛生面で配慮が必要な操作や不特定多数が触る環境下にある公共施設、医療機関、オフィスなどの画面タッチ操作において、衛生的なオペレーションを可能とすることで、ニューノーマル社会における課題解決に貢献します。

空中タッチディスプレイ AX-101TW

鮮明な空中映像を実現

光源(ディスプレイ)と再帰反射材、ビームスプリッタなどの光学系により、空中映像を実現

内部構造設計の最適化により、空中映像特有の虚像がなく正面からの映像を鮮明に表示

左右の視野角を狭めることでのぞき見を防止

空中映像を用いた入力端末としての操作が可能

赤外線インラインセンサ搭載などの空間タッチ技術により、非接触での操作を実現

当社従来品のタッチパネルモニターと同様に、タップ、ドラッグなどの操作に対応。さらに、2点タッチや手袋をしたままでの操作も可能

2点タッチ使用の際は制限があります

システム構築を容易に実現

Windows®10, 11搭載PCと組み合わせることで、入力端末などのシステムを構築。これにより、空中映像表示および空間タッチ操作を容易に実現

Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。

設置シーンに馴染む、丸みのあるデザインを採用

製品デザインのコンセプトは、空中映像にあわせて、筐体も空中に浮いているような丸みのあるフォルムを採用しました。また、周辺環境に溶け込みやすいデザインを目指しました。

製品のくわしい情報はこちらから

取材協力
写真

三菱電機エンジニアリング株式会社
長崎事業所 事業推進部 タッチモニタ技術課
坂井 雅彦

研究生 エコちゃん

「坂井さん、空中タッチディスプレイの開発に携わって印象に残ったことを一言お願いします。」

写真

これまでの表示装置とは全く異なる製品の開発であったため、多くの困難がありました。苦労して製作した試作機で、初めて空中映像を見た時のインパクトは忘れられません。そこから多くの改良を重ねて画質と使い勝手を向上しています。
新型コロナウイルス(covid19)の感染拡大で不特定多数が触る操作端末への接触に対して嫌悪感を持つようになった方が増えた印象です。空中タッチディスプレイは、表示されるボタンを触って操作可能なタッチパネルが持つ直観的な操作を、手を触れずに行えるため、操作端末を触ることが心配な方々に適した製品となっています。