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#033

資材調達

画像 資材調達
ここがポイント

資材調達には、従来の品質、コスト、納期に加え、今は、環境への配慮や人権への対応など、「サステナビリティ」の要素が求められているんじゃ。

現在は、「CSR調達ガイドライン」への同意や、「グリーン調達基準書」の遵守をお取引先にお願いしておるが、今後はRBAの仕組みを取り入れて、サプライチェーン全体の調達先の管理を一層強化していくぞ。

研究生 エコちゃん

“サステナビリティ”と「資材調達」の関係がいまひとつピンとこないのですが。資材部っていうと、質の良い部品や材料を、なるべく安く調達して、製造現場に届ける、というイメージです。

博士

かつては、“QCD”といって、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)が3大ポイントじゃったが、20世紀の終わり頃から、それらに加えて“環境”への配慮も求められるようになってきたのじゃ。

研究生 エコちゃん

確かに、当社に良い品質の材料を、安く、納期を守って納めていても、そのために“環境”に悪影響を及ぼすような業者とは取引したくないですね。

博士

昨今は“環境”だけでなく、人権や倫理などへの配慮も求められるようになってきたことから、三菱電機は「CSR調達活動」として、2007年度に定めた「三菱電機CSR調達指針」を定め、具体的な内容として「CSR調達ガイドライン」や「グリーン調達基準書」の遵守をお取引先にお願いしておるのじゃ。

三菱電機CSR調達指針

研究生 エコちゃん

三菱電機の指針を理解して、ガイドラインを守っていただけるお取引先でしたら安心ですね。

博士

いや、当社が直接かかわるお取引先だけがしっかりしていても不十分じゃ。私たちは、お取引先が調達する先、そしてさらにその先の調達先. . .と上流にさかのぼって、原材料を採掘する業者までの「サプライチェーン全体を意識」しなくてはならないんじゃよ。

サプライチェーンについての詳細

研究生 エコちゃん

なぜ「サプライチェーン全体を意識」する必要があるのでしょうか?

博士

例えば「紛争鉱物」といって、アフリカの中部周辺で採れる金やスズなどの鉱物は、それらの利益が武装集団の資金源になっていたり、採掘するために奴隷化や人身売買が行われているケースもあり、国際的な問題になっているんじゃ。

研究生 エコちゃん

え~っ!! それは大変😨。三菱電機の資材調達は絶対にそのようなことに関与してはいけないです。

博士

だからこそ、「サプライチェーン全体を意識」して、できる限りの手を尽くして、サプライチェーン全体を確実に健全なものにしていくことが大切なんじゃ。三菱電機はこの取組みの一環で、2022年2月に「RBA」に加入し、この取組みをさらに強化していくぞ。

※ RBA(Responsible Business Alliance)はグローバルサプライチェーン全体で労働者、環境、事業に持続可能性のある価値を推進する企業同盟(本部 米国)。

研究生 エコちゃん

RBAに加入すると、今までのお取引先との関わりが変わるんですか。

博士

「CSR調達ガイドライン」や「グリーン調達基準書」は三菱電機独自のものじゃが、今後はRBAが提供する「RBA行動規範」を遵守していただくよう、お取引先にお願いしていく。RBAは多くのグローバル企業が加入しており、その行動規範はグローバルスタンダードなんじゃ。

研究生 エコちゃん

世の中の企業が共通の考え方でサプライチェーンを健全なものにしていくんですね。

博士

そのとおりじゃ。さらにRBAでは「RBA-SAQ(Self-Assessment Questionnaire : CSRアンケート)」というツールを提供しており、これを活用して、グローバル基準に則ったサプライチェーン管理を行うことにより、客観性、透明性の高い取組みを進めることができるんじゃ。三菱電機の資材調達への想い、是非、ご覧あれ。

音声あり。再生時間:1分12秒

研究生 エコちゃん

資材調達がサステナビリティに深く関係することと、資材部の皆さまの想い、気持ちがよくわかりました。

博士

社会のサステナビリティのためには、世の中の全ての企業がサプライチェーンのマネジメントにちゃんと取り組む必要がある。まだ取り組んでいない企業は、マネジメントをすぐ始めんと

研究生 エコちゃん

博士、、、寒い!?。😊

調達方針と取引先選定基準

三菱電機グループでは、国内外のお取引先を公平・公正に選定・評価するため、「資材調達基本方針」及び「CSR調達方針(サステナビリティ調達方針)」の考え方をお取引先に説明し、ご理解いただくとともに、三菱電機グループが定める取引先選定評価基準に基づきお取引先を適正に評価することで、調達におけるサプライチェーンにおけるリスクを低減させています。三菱電機グループでは、取引先選定評価において評価項目に品質・価格・納期・サービス対応のほか、環境規制への取組み、サステナビリティへの取組みを含めています。総合的に評価の高いお取引先から優先的に調達することを基本方針としています。
また当社はグループの人権の取組みの客観性・透明性を高めるため、2022年2月にグローバルサプライチェーンにおいて社会的責任を推進する企業同盟であるResponsible Business Alliance(以下RBA)に加盟しました。今後はグローバル基準であるRBA行動規範と自社の取組みを整合させ、サステナビリティ調達の取組みの継続的な改善を進めていきます。

資材調達基本方針

三菱電機グループでは、次の3つの基本方針に基づき、資材を調達しています。

1. Easy Access And Equal Opportunity

~常に公平に新しいパートナーを求めています~

広く門戸を開放して公正にお取引先を選定し、契約にもとづく誠実な取引を行います。

2. Mutual Prosperity

~相互理解を深め、信頼関係の構築に努めています~

製品の開発段階からお取引先の参画を得て、コスト・技術面などでWin-Win関係を構築します。

3. Ecological Soundness

~環境負荷の少ない資材の調達を推進します~

お客様からの要求内容と環境関連法規を踏まえて、環境負荷の少ない部品・サービス等を調達します。

三菱電機グループのサプライチェーンマネジメント(調達)
取材協力
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三菱電機株式会社
資材部 総合企画グループ
浅野 哲史

研究生 エコちゃん

「浅野さん、サステナブル調達に携わって感じることを一言お願いします。」

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近年、サプライチェーンにおける人権・環境に関連した多くの問題が世界的に注目を集めています。ただこうした動きは社会がサステナビリティを重視し、その方向に進もうとしている証しでもあります。
すぐにはゴールが見えない問題も多いですが、それでも個々の問題に丁寧に向き合い、その解決に取り組むことが、私は持続可能な未来を築く上での不可欠なステップであると考えています。お客様に安心して当社の製品やサービスをご利用頂くため、内外のステークホルダーの皆様と協力して、引き続き信頼性の高いサプライチェーンの構築に注力して参ります。