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#048

翻訳サイネージ

画像 翻訳サイネージ
こちらは、
外国人の従業員への情報共有に適したコミュニケーションツールじゃ。17言語対応じゃ。
ここが便利!
大画面ディスプレイに話者の伝達内容を多言語で同時に表示できるので、外国人の従業員に朝礼や研修の場で必要な情報を正確に伝えられるぞ。
ここがスゴい!
誤訳を防ぐ「折り返し翻訳」や専門用語の「辞書登録」といった便利な機能が充実。外国人の従業員とのコミュニケーション活性化を通じて職場の安心・安全、業務の効率化に貢献するぞ。
研究生 エコちゃん

皆さん三菱電機の作業服姿ですね。三菱電機のどこかの工場ですか。

博士

ここは三菱電機の群馬工場。朝礼の様子じゃ。群馬工場がある太田市周辺は外国人居住者が多い地域じゃ。群馬工場でも、ポルトガル語、タガログ語、ベトナム語等、日本語以外を母国語としている従業員が全体の2~3割程度働いておる。

三菱電機 群馬工場

研究生 エコちゃん

朝礼って、日本語で進められるんですよね。外国人の皆さんは、朝礼の内容がわかるのかしら。

博士

そこじゃ。群馬工場では全く日本語を話せない外国人は採用していないが、守るべきルールや指示の内容、なぜそれを実施しなければいけないのかまでを正確に伝えることは難しい。その結果、作業手直しが増加したり、従業員同士のコミュニケーションがうまくいかず、モチベーションが低下するという問題が生じていたんじゃ。

研究生 エコちゃん

それは大変。同じ三菱電機で働く仲間として、モチベーションを持って気持ちよく働いていただきたいです。

博士

このような日本語以外を母国語とする従業員が多い現場での言葉の問題を解決したい、というニーズから生まれたのが「翻訳サイネージ」じゃ。班長が行う朝礼の内容を多言語に翻訳し、大画面で表示するんじゃ。群馬工場ではこんな感じで活用されておる。

音声なし。再生時間:40秒

研究生 エコちゃん

すご~い😊! 読む速度を考慮して、スクロール速度を調整できるのね。外国人のみなさんが「わかりやす~い」という表情でうなずいている姿が印象的です。班長さんは朝礼で説明する内容を事前に日本語で「翻訳サイネージ」に入力しておけばいいんですね。

博士

そうじゃ。群馬工場では英語に加え、ブラジル人向けのポルトガル語、フィリピン人向けのタガログ語を表示しておる。かつては、朝礼の内容がわからない場合は、班長や他の従業員に個別に確認しておったそうじゃが、「翻訳サイネージ」導入後はそのような対応が不要となり、朝礼の効率が大きく向上したのじゃ。

研究生 エコちゃん

あの~、三菱電機では例えば「製作所」のことを「場所」と言ったりしますが、社内独自の用語や、現場でしか使われないような専門用語も、ちゃんと翻訳してくれるのでしょうか。

博士

もちろんじゃ! そのような一般的でない用語を登録できる「辞書登録」機能もちゃんとついておるぞ。また、「折り返し翻訳」機能を使って、翻訳後の文章(外国語で出力されたもの)を再び日本語に翻訳して、元の日本語と比較することで、誤訳を防ぐこともできる。

研究生 エコちゃん

安心しました。。。あっ、朝礼で伝えたいことを、朝礼の開始直前に思い付いたときは、それを「翻訳サイネージ」でお伝えするのはさすがに難しいですよね。

博士

そのようなケースへの対応として、班長がスマホを使って、伝えたいことを口頭で「翻訳サイネージ」に入れることができるようになっておる。きちんと翻訳して、事前に準備した内容に追加することができるんじゃ。

研究生 エコちゃん

すばらし~い ! 😊 現場の様々なニーズに応えられるように開発されていることがよくわかりました。この「翻訳サイネージ」、朝礼以外にも活用の場がありますよね。例えば、複数の母国語の多くの従業員の方々が一堂に会して行う研修や、職場の方針説明のような場面でも、翻訳サイネージが活躍しそうです。

博士

ピンポーン! 外国人の従業員に大切なことを同時に伝えたい多くのシーンで「翻訳サイネージ」は、“もってこい”じゃ。守るべきルールや指示を、都度その人が分かる言葉で伝えることで、本人の「安全」や製品の「品質向上」にもつながり、母国語が違う人にも働きやすい職場になる。実際、導入している群馬工場の班長、外国人従業員からも好評を得ておるぞ。

音声あり。再生時間:57秒

研究生 エコちゃん

これからの時代、様々な業種で外国人労働者の活躍の場がもっともっと広がってくると思います。言葉や国籍を乗り越え、人々がお互いに分かり合い理解し合うことは、職場環境でのDE&I(*)の推進にも大きく貢献しますね。

* DE&I(ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョン):多様性・公平性・包括性。三菱電機グループは、DE&Iを推進し、一人ひとりの個性が混ざり合い、その個性が最大限に発揮され、活かされる居場所であり続けることを目指します。

博士

そうじゃ。外国人の従業員とともに働きやすい職場環境づくりを実現する「翻訳サイネージ」、朝礼以外での活用も奨励するぞ。

研究生 エコちゃん

博士、、、寒い!? 😊

翻訳サイネージ

特徴

1.多言語で同時表示することで、多様な国籍の従業員に朝礼をはじめとする様々なシーンで大切な内容を伝達

  • 事前に日本語で作成した原稿を複数の言語に翻訳し、翻訳した文章を大画面に9言語まで同時に表示することにより、多様な国籍の従業員に大切な内容を母国語で伝達。
  • 英語、ポルトガル語、タガログ語、ベトナム語など 17 言語への翻訳に対応。

2.「折り返し翻訳」「翻訳辞書・音声認識辞書」機能により多言語翻訳の精度向上、「多言語翻訳一括作成」機能により翻訳作業の効率化を実現

  • 外国語に翻訳した原稿を日本語に再翻訳する「折り返し翻訳」機能により、誤翻訳を抑制。また、日本語原稿と折り返し翻訳結果を左右で見比べることができるユーザーインターフェースの構築により、誤翻訳の日本語での確認・修正が可能。
  • 専門用語を登録できる「翻訳辞書・音声認識辞書」機能を活用し、生産現場に特化した用語をあらかじめ登録しておくことで、翻訳精度を向上。
  • 正しく翻訳できるように修正した英訳用の日本語原稿を、ポルトガル語やタガログ語など他の言語への翻訳用原稿として流用する「多言語翻訳一括作成」機能により、多言語への翻訳作業を効率化。

3.スマートフォンでの遠隔操作によるサイネージ表示の切り替えが可能、「音声入力・翻訳・折り返し翻訳」機能により急な伝達にも迅速に対応可能

  • スマートフォンからも事前に作成した原稿の確認やサイネージに表示する翻訳文章の切り替えが可能。
  • サイネージに表示される全ての翻訳文章のスクロールが完了したことをスマートフォンに通知することで、班長やリーダーはサイネージ画面を確認することなく、次の話題への切り替えが可能。
  • 事前に原稿を作成していない内容を追加で伝える際は、スマートフォンアプリの「音声入力・翻訳・折り返し翻訳」機能により、誤翻訳を抑制した伝達内容を、迅速に多言語で同時表示することが可能。

翻訳サイネージでスクロールが完了したことを通知するスマートフォンの画面

取材協力
写真

三菱電機株式会社
ビジネスイノベーション統括事業部
しゃべり描きプロジェクトグループ
松原 勉

研究生 エコちゃん

「松原さん。どんなきっかけで翻訳サイネージを開発しようと思ったんですか?」

写真

ある製作所から海外の工場とのコミュニケーションに課題があるという話を伺いました。「海外工場での生産立ち上げ時に現地の方への指導時に通訳の方を介さないと正確に情報伝達が出来ないが、通訳の人数も少なく更に専門用語が多く苦労した」それを受けて、私たちは工場のコミュニケーションを円滑にするツールを開発すべきだと考えるようになりました。
まずは現場の実態を把握するため、当社の製造拠点で現場観察やインタビューを行いました。特に注目したのは朝礼で、班長が日本語で作業内容や安全事項を伝える場面です。外国籍の班員が班長の話を十分に理解できていないのか、彼らは後から内容を聞き直したり、日本語が理解できる班員に確認しているようでした。この課題を解決し、円滑なコミュニケーションを実現するために開発したのが「翻訳サイネージ™」です。“多様性に配慮した働きやすい環境であること、しっかりコミュニケーションが取れて、良いチームワークが発揮できること。”これは、より良いモノづくりに繋がります。これからも三菱電機は、言語や障がいの壁を乗り越え、笑顔あふれる職場作りに貢献していきます。