希少種保全と生きものが暮らしやすい環境整備をテーマに

伊丹地区では、生きもの調査の結果を踏まえ、以下のテーマを設定して生物多様性保全に取り組んでいます。
<伊丹地区の主な活動テーマ>
- ■トンボなどが暮らしやすい環境の整備
- ■希少種の保全・外来生物の防除
- ■従業員参加型の活動の展開
地区内には複数の事業所があることから、年2回の「活動連絡会」などを通じて情報共有しながら取り組んでいます。また、緑地整備を担当する関係会社とも必要に応じて連携しています。
「自然共生サイト」認定緑地
認証ロゴ
2025年12月、伊丹地区が、「自然共生サイト(維持タイプ)」の認定を受けました。
国が掲げる30by30目標※1の達成には、民間による生物多様性への取組みも不可欠とされます。「自然共生サイト」とはこれを踏まえて、企業や団体など民間による取組みで生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する制度です。認定区域は、すでに保護されている地域との重複を除き、OECM※2として国際データベースに登録されます。
参考:環境省「自然共生サイト」![]()
※130by30目標:2030年までに、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標
※2OECM:Other Effective area-based Conservation Measures。保護地域以外で生物多様性保全に資する区域
活動報告
担当者・マネジメントの声
データセクション
活動報告
トンボなどが暮らしやすい環境の整備
イタトープの管理作業(植物の刈り込み、除草など)
伊丹地区では2016年度に最初の生きもの調査を実施し、この結果を踏まえて、地域在来のトンボやチョウなどの昆虫や水生生物、植物が利用しやすい環境の整備などに注力しています。地域在来の植物を植え、トンボ類が繁殖地として利用できるビオトープ(愛称:イタトープ)を設置するほか、地区の南側に従来からあるビオトープ(愛称:南イタトープ)についても環境を活かして生きものがより暮らしやすいような維持・管理を続けています。こうした取組みの効果測定などを目的に、定期的に生物モニタリングを実施しています。
これら以外にも、地区内に存在する複数の水辺について、それぞれ必要な管理を行っています。
伊丹地区内の水辺

地域の水辺から在来種を導入した
「イタトープ」
伊丹地区の西端に設置したビオトープが「イタトープ」です。尼崎市内には「猪名川」「武庫川」の2つの川が流れており、かつては繰り返し氾濫していたとされています。伊丹地区のある場所も氾濫域に含まれていることから、伊丹地区周辺に本来あるべき水辺の植生は、それらの川辺に近しいと考えられます。そこでイタトープには、2016年度に生物調査を行った専門家の協力のもと、湿地の植物が多い猪名川べりで採取した在来種を植えています。また、水に流れをつけ、場所によって深さや流速が変わるように設計し、より多くの種類のトンボなどが利用できるよう配慮しています。
イタトープの管理にあたっては、他の外来種などが紛れ込んでいないか注意しながら、草取りなど必要な作業を行っています。秋に大量の種子をまくガマは夏のうちに穂を刈り取るなど、個々の植物の特性にも着目した管理を模索しています。こうした管理は、伊丹地区内で操業する8つの事業所が協力して行っています。
また、刈り取った穂を切り花として展示するなど、従業員への情報発信にも役立てています。
ビオトープ内の植生(造成当時)
2026年7月時点の活動状況
敷地内の緑地で確認されたキイロサナエ
2026年度は、5年ごとに実施している、外部専門家による生物調査の実施年度となりました。調査は約1年かけて実施しますが、2026年5月の昆虫と植生についての実地調査では、環境省レッドデータで準絶滅危惧(NT)となるトンボの仲間・キイロサナエが敷地内で初確認されました。一方で防除が推奨されるメリケンカルカヤやオオバナイトタヌキモなどの植物も確認されており、成果と今後の課題が見える中間報告となりました。
このほか、イタトープの維持・管理作業(植物の刈り込み、除草など)も継続しています。直近では2026年7月に丈の伸びた植物の刈り込み作業を実施し、水面が見えるよう整えました。
希少種の保全・外来生物の防除
確認されているムクロジの幹に樹名板を設置
これまで実施した生きもの調査・生物モニタリングでは、複数の希少種を確認しています。「兵庫県版レッドデータブック2020」C分類※1の「ムクロジ」、同A分類※2の「ヤガミスゲ」がこれに該当します。これらの種の保全に向けて適切な環境を維持するほか、ムクロジについては苗木の育成・植樹を行っています。
また、調査で確認された外来生物のうち、兵庫県ブラックリスト※3の掲載種(キシュウスズメノヒエなど)などについては、継続的な防除に取り組んでいます。
※1環境省レッドデータブックの純絶滅危惧に相当
※2環境省レッドデータブックの絶滅危惧IA類に相当
※3県内において生態系に与える影響が特に大きいと考えられる外来生物種をリスト化したもの(兵庫県、2010)。これらの生物については、基本的な対応方法もとりまとめられている
2026年7月時点の活動状況
地区構内で確認されている希少種のうち、ムクロジについては、地区内に繁茂していた若木をプランターで育成するほか、もとの生育場所から離れたスペースに移植しリスク低減を図っています。2025年6月には、北公園からイタトープ横に移植した株について、7年目にして初の開花と結実を確認しました。
これらと並行して、外来生物の防除も継続的に行っています。2025年2月の南イタトープでの維持・管理作業の際は、外来植物であるキシュウスズメノヒエなどの駆除を行いました。
イタトープ内で希少種「ヤガミスゲ」を確認
イタトープで確認されたヤガミスゲ
2024年5月、専門家による生きもの調査において、兵庫県版レッドリストで「A」分類とされている希少種「ヤガミスゲ」がイタトープに生育していることを確認しました。イタトープには猪名川べりで採取した在来種を導入していることから、その際に種が紛れ込み、遅れて発芽したと考えられます。地域の水辺環境を再現したイタトープの環境はヤガミスゲの生育に適していると考えられ、引き続き適切に維持・管理し、様子を見守っていきます。
従業員参加型の活動の展開
外部専門家による植物の説明(2026年6月、生きもの観察会)
伊丹地区では、年2回発行の「生物多様性保全ニュースレター」や地区内のデジタルサイネージなどを通じて、生物多様性保全の意義や伊丹地区の取組み内容を従業員に発信しています。これに加え、従業員に積極的に取組みに関わってもらう機会の提供にも力を入れています。
一例として、外部専門家を講師に招き、生きもの観察会とリモート勉強会からなる「生物多様性勉強会」を毎年開催しており、参加者は年々増加傾向にあります。また、生物多様性をテーマとするブログ形式のコミュニティサイトも運営。従業員が生きものの発見報告などを投稿することができ、生物多様性をテーマとする気軽な交流の場として機能しています。
また、緑の持つストレス軽減効果を活用する取組みの一環として、伊丹製作所内で育てたチューリップやひまわりなどの季節の花を産業医室に飾るほか、希望する従業員を対象に頒布会を実施しています。
2026年7月時点の活動状況
生物多様性保全ニュースレター
直近では2026年6月にイタトープで「生きもの観察会」を実施しました。今回は昨年より1回当たりの時間を増やして実施し、27名の参加がありました。参加後のアンケートでは、「生きものを捕まえる、外来植物を駆除するなど、普段できない作業ができて楽しかった。業務負荷が高い中で生きものに触れて癒された」などの感想がありました。
このほか、引き続き、年度を通じて各種媒体での情報発信に努めました。
生物多様性保全ニュースレターを2026年2月に発行し、直近の取組み内容を発信。デジタルサイネージ(2026年7月現在、伊丹製作所、先端総研に1台ずつ設置済み)では過去に制作した生物多様性保全教育動画を引き続き再生し、従業員やお客様に取組みの内容をアピールしました。コミュニティサイトでは、伊丹地区の緑地が自然共生サイトに認定されたことに加え、日本ビオトープ協会「日本ビオトープ顕彰」で大賞を受賞した件について発信。後者については社外向けのニュースや三菱電機公式SNS(X、Facebook)で紹介されたこともあり、製作所内外の多くの従業員から反応がありました。
環境表彰の記念品として人工樹木を贈呈
記念品に人工樹木を贈呈。さらなる緑化を促す。
電子通信システム製作所では、環境活動に対するモチベーションアップを目的に、活動に積極的に取り組んでいる部門を毎年表彰しています。この記念品として、2023年から、壁掛け式の人工樹木を贈呈することとしました。
生きた植物に限らず、視界内に緑色のものが増えると、見る人の精神をリラックスさせる効果があると言われます。引き続き職場内の緑化を進め、「緑の力」の活用に取り組んでいきます。
事業所での「緑の力」の活用についてはこちらも参照ください。
関係会社・三菱電機インフラテクニカで
独自の活動を展開
三菱電機インフラテクニカ(株)は、三菱電機の伊丹地区、神戸地区構内に拠点事務所を置く関係会社です。
同社では構内整備事業のノウハウを活かし、生物多様性保全活動の一環として、2020年から自社の敷地内にビオトープを設置しています。池の土台工事と電気工事以外は設計から区画の造成、製作、池植物の植付けまですべてを「手づくり」し、従業員だけでなく地域住民も意識して設計や配置を定めました。同年から伊丹地区で開催されている生物多様性勉強会にも参加しており、情報・ノウハウの交換に努めています。


スイレン
西池
中池
東池
敷地の近くを通る地域の方にも観賞いただけるよう、ビオトープには3つの池を配置(上図参照)。池の水には雨水を使用し、循環ポンプと埋設管でそれぞれの池に常時行きわたらせています。地域在来の水辺植物と雑多な生物を観賞できる、憩いの場となっています。


担当者・マネジメントの声
担当者の声
日々の発見をもっと発信していきたい
長年にわたり取組みを続けてきた結果、地区内で生きものたちの姿を目にする機会は確実に増えていると感じます。ミツバチの分蜂風景やカルガモの営巣の様子など、都会の工場とは思えない光景に遭遇することもあり、毎日が新しい発見の連続です。今回の自然共生サイト認定を機に、こうした日々の発見を伝える情報発信の頻度を、さらに増やしていきたいと考えています。
電子通信システム製作所 生産管理部 施設環境課
日々変化する生きものたちの世界に触れながら
伊丹地区は、2019年度に生物多様性事務局を発足して以来、事務局内で相談し合い、専門家のアドバイスも受けながら試行錯誤を重ねてきました。
その中で痛感しているのが、相手は生きものであり、日々変化しているということです。たとえば、活動の一つの柱に、毎年決まった時期に行っているイタトープの維持管理活動(草刈り、外来種の駆除など)があります。これもまったく同じ状況ということは一度もありません。新しい在来種が確認できたり、逆に前回は確認できなかった外来種に遭遇したりと、毎回異なる発見があります。そのたびに、イタトープが多様な生きものの生活空間になっていることを実感します。
こうした「変化」を、勉強会などを通じて従業員にも一緒に感じてもらえるよう、情報発信においても工夫を凝らしていきたいと思っています。
伊丹製作所 生産システム部 環境施設課
成果をバネに、今後も継続して活動を
生物多様性の保全・維持活動は、伊丹製作所、電子通信システム製作所、西部地区研究所の3拠点が合同で推進してきました。運営主体となる幹事は各拠点が交代で務めており、2026年度は西部地区研究所が担当しています。
例年の活動に加え、2026年度は5年に一度の生物調査の年に当たり、一年を通して多くの行事を予定しています。これらについても協力して取り組んでいます。そうした中で、日本ビオトープ協会の「ビオトープ顕彰」で大賞を受賞するといったうれしい出来事もありました。これは、2025年度の自然共生サイト認定に続く、喜ばしい成果です。こうした成果も励みにしながら活動を続けていきます。
直近では敷地内北東の竹林にて、希少種・ムクロジの種を新たに植えました。無事に発芽し、現在は成長を見守っているところです。今後もすくすくと育っていくことを期待しています。
先端技術総合研究所 業務部 環境・設備管理課
伊丹地区担当者一同
マネジメントの声
電子通信システム製作所 生産管理部
受け継がれてきた“財産”の価値を周知して
2026年4月に伊丹地区に着任して以降、地区の生物多様性保全活動の実態を知り、また自らも関わる中で、取組みの意義や自然共生サイト認定の価値を実感して驚く日々です。
生きものが少ないイメージがある工場という場所に、豊かな環境が維持され、多くの生きものが生息している。この意義はまだまだ浸透しきっていません。この価値ある事実をもっと社内外に広めていきたい。より広い層にリーチできるよう、これまでとは異なる発信方法も検討しながら、ホームページや社内メディアなど複数の媒体で情報発信していきたいと思います。
また、活動範囲も工場内に限定せずに広げていきたいと考えています。従業員だけでなくその家族も巻き込んだイベントを続けるほか、他の事業所やときには他社と協力しての取組みなども検討していきます。
電子通信システム製作所 生産管理部長 本間 博明(左)
「ここに緑地がある」とフットワーク軽く発信を
着任してからひしひしと感じているのが、同じ地区内にいても業務や活動拠点が異なれば、活動の実態がまったく伝わってこないという事実です。だからこそ、「ここにこういう緑地があって、こういう活動をしています」とこれまで以上にわかりやすく発信すべきだと感じています。情報発信の頻度を上げることはもちろん、緑地自体に気軽にアクセスできるような案内を充実させ、気軽に関心を持てるような環境を整備していきます。こうした活動が部署や職種を越えた交流につながり、コミュニケーション促進にも寄与すると考えています。
フットワーク軽く活動していく一方で、継続性を確保することも重要です。例えば、人事異動や世代交代があってもスムーズに活動が継承できるような仕組みづくりが必要だと認識しており、組織として情報やノウハウを蓄積・共有していきます。また、活動の性質上、携わる従業員がケガをしたり、熱中症などに陥ったりすることもあり得ます。そうしたことのないよう、安全・健康にも十分配慮して、活動のレベルアップを図っていきたいと考えています。
電子通信システム製作所 生産管理部 施設環境課長 井島 喬志(右)
(2026年7月取材)
伊丹製作所 生産システム部
地域とのつながり創出にも注力して
これまで当地区では、生物多様性保全活動に関する勉強会を年3回開催するなど、従業員への教育・啓発に取り組んできました。その結果、活動の認知度は徐々に高まり、年々参加者も増加傾向にあります。また、地元(尼崎市内)の小学校で実施している「環境出前教育」でも活動を紹介しているほか、2024年10月には兵庫県環境保全管理者協会が主催する「環境保全取組み事例発表会」に参加し、当地区の生物多様性保全活動の事例発表を行いました。これを機に、今後は社外へのアピールにも注力し、当地区の生物多様性保全活動を地域の方々に知っていただきたいと考えています。社内啓発と社外発信の両面から取り組むことで、自然環境を守るだけでなく、地域とのつながりを創出することにもつながればと期待しています。
生産システム部 部長 真下 尚久(右)
社内での双方向のコミュニケーションにより活動を強化
当地区では、生物多様性保全活動について様々な媒体で情報発信し、従業員への周知を心掛けておりますが、最近では従業員から地区内に生息する動植物についての問い合わせが増えてきており、従業員の意識の高まりを実感するとともに、環境活動がより身近な存在になりつつあると感じています。また、他の三菱電機事業所との交流も積極的に実施しており、活動についての意見交換が定期的に行われています。今後もこのような双方向のコミュニケーションが活発になるように、オンラインツールを活用し、活動の強化につなげていきたいと思います。
生産システム部 環境施設課 課長 藤岡 一也(左)
(2025年7月取材)
先端技術総合研究所 業務部
取組みを身近に感じてもらいつつ、全体のレベルアップも図る
伊丹地区には複数の製作所がありますが、所属を問わず、幅広いメンバーに参加してほしいと思って活動してきました。少しでも活動に興味を持ってもらいたいと勉強会などを通じて発信してきた結果、少しずつ活動が定着してきたように思います。
特に、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとしてオンラインツールの活用に注力したことは一つの転機になりました。誰でも気軽に参加できるオンライン勉強会は少しずつ参加者が増えています。参加してくれていた従業員の中には、今回、サポートメンバーとしてイタトープの維持・管理作業に加わってくれた人もいます。オンラインツールを活用することで、所属や部門を越えたコミュニケーションも活性化していますので、今後も取組みを身近に思ってもらえるような施策に取り組んでいきます。
もちろん、地区内で生物多様性を保全していくという大目的に向けても引き続き活動しています。直近のモニタリング等では、外来種の駆除やトンボの保全で一定の成果が上がっているとの報告がありました。日々の地道な活動を継続しつつ、社内だけでなく社外の専門家などの力をお借りしたり、他機関の活動内容も参考にしながら活動のレベルアップを図っていきたいと考えています。
先端技術総合研究所 業務部 部長 出尾 晋一(左)
興味を持った人が参加しやすい環境を保つために
生物多様性に興味を持つことは、活動参加の大きなモチベーションになると日々の活動を通じて感じています。私自身、こうして活動に直接関わるようになる前は、存在を知りつつも参加するには至りませんでした。一人ひとりが興味を持ってくれれば参加も促しやすいですし、内容に広がりも出てくると思います。
また、参加したいと思っても、「どうやって参加したらいいのだろう」で止まってしまうこともしばしばあります。逆に「環境部門の誰誰さんがやっているはず」といった情報一つでもあれば参加のハードルが下がるので、その意味でも定期的な発信が重要だと考えています。生物多様性保全についての勉強会も、親しい人たちが「一緒に参加しようよ」と誘ってくれるだけでも新たな広がりが生まれるでしょう。
伊丹地区では、環境省30by30アライアンスの自然共生サイトへの登録も目指しています。他の製作所との連携や情報共有を強化して、登録に向けた準備にも力を注いでいきたいと考えています。
先端技術総合研究所 業務部 環境・設備管理課 課長 山本 隆也(右)
(2024年8月取材)
データセクション
フォトギャラリー
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セスジイトトンボ在来種
セスジイトトンボ在来種 -
ギンヤンマ在来種
ギンヤンマ在来種 -
アキアカネ在来種
アキアカネトンボ科トンボ科在来種※兵庫県レッドデータ種
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アオモンイトトンボ(雄)在来種
アオモンイトトンボ(雄)イトトンボ科イトトンボ科在来種 -
シオカラトンボ在来種
シオカラトンボトンボ科トンボ科在来種 -
コマルケシゲンゴロウ在来種
コマルケシゲンゴロウゲンゴロウ科ゲンゴロウ科在来種 -
ゴマダラチョウ(幼虫)在来種
ゴマダラチョウ(幼虫)タテハチョウ科タテハチョウ科在来種 -
ルリチュウレンジ在来種
ルリチュウレンジミフシハバチ科ミフシハバチ科在来種 -
チリーアヤメ外来種
チリーアヤメアヤメ科アヤメ科外来種 -
ネズミモチ在来種
ネズミモチモクセイ科モクセイ科在来種 -
ムクロジレッドデータ
ムクロジムクロジ科ムクロジ科レッドデータ -
ヒメコウガイゼキショウ在来種
ヒメコウガイゼキショウイグサ科イグサ科在来種
考察と行動
伊丹地区では2016年度の生きもの調査を経て、外部専門家から以下のような報告と、今後の活動へのアドバイスをいただきました。この内容をもとに、その後の効果測定の結果も踏まえて、生物多様性保全に向けた施策を展開しています。
伊丹地区の緑地の状況(2016年度時点)
- ■地区内の水辺が特にトンボ類にとって都市部では大切な繁殖場所となっている。水田やため池を好む種を中心に7種類を確認。ギンヤンマやアオモンイトトンボでは産卵行動、シオカラトンボ、ウスバキトンボでは幼虫も。
- ■地区内の樹林で重要種「ムクロジ」「ヤマトアシナガバチ(環境省レッドデータブック2014において『情報不足』)」を確認。エノキ、ムクノキ、アラカシなど、周辺の河川で見られる樹木も生育。
- ■構内工事により、地区を東西に横断していた水路がなくなる。トンボ類や魚類の生息地がなくなることから、代替環境の用意など対応が必要。
- ■確認種のうち14種は「兵庫県ブラックリスト」の掲載種。
- ■敷地内から外来種が周辺地域に広がる恐れがある。特に「兵庫県ブラックリスト」掲載種など、在来種に影響を及ぼす可能性がある種は優先的に防除することが推奨される。
実施施策
- ■ムクロジなど希少種の保全に向けた取組みを継続。
- ■トンボ類などの保全を目的とするビオトープ(イタトープ)を造成・管理。あわせて、敷地内に従来からあった池を「南イタトープ」と定めて管理。
- ■在来種に影響を及ぼす可能性がある外来種を継続的に防除。イタトープでの選択的な除草、南イタトープでのスイレンの繁茂の抑制、カダヤシの駆除など。
- ■従業員向けの勉強会を継続的に開催。
生きものリスト・その他資料
生きもの調査結果
伊丹地区は、外部の調査会社の協力のもと、2016年に4回に分けて生きもの調査を実施しました。この結果、205種の植物と、115種の昆虫、23種の水生生物(一部昆虫と重複)を確認できました。また、2021年度に第2回調査を実施。2026年度には第3回目の生きもの調査を行っています(2026年7月現在継続中)。
直近の調査結果は以下の通りです。
伊丹地区 生きものリスト(PDF:127KB)(2016年度調査結果)![]()
このほか、イタトープ・南イタトープで「生物多様性モニタリング」を毎年2回実施。トンボ、水生生物、植物の状況を確認しています。
活動の方向性
「3つの方向性」に基づく伊丹地区の活動分類を掲載しています。
地元の自然と調和し、生きものを呼び込める緑地づくり
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※1開発圧:棲みかの破壊。事業拠点を新たに建設することや、天然資源の採取などのために開発が行われること(サプライチェーンでの開発を含めて)、などが該当。操業による水の使用が周辺地域や水源、ひいては生きものの生息環境に影響を与える場合などもこれに含まれると考えられる。
※2外来種圧:その地域にもともと存在しない生きものが、外構や建物の脇の緑地、生垣などをつくる際に地域の外から樹木や草木を導入することがある。何気なく行われる生きものの移動が、地域固有の種の生息を脅かしたり、遺伝的な汚染の原因となることがある。
※3外来生物法の「特定外来生物の飼育、栽培、保管又は運搬」に関する規定に則り活動を実施。
これら活動の方向性について、詳しくは「事業所の生物多様性保全施策について」ページを参照ください。
生物多様性保全ニュースレター
伊丹地区は、年に2回、ニュースレターを発行し、生物多様性に関する社内外のニュースや、取組みの最新状況を報告しています。
生物多様性保全ニュースレター(PDF:921KB)(2026年2月更新)![]()
「自然共生サイト」認定における評価点
伊丹地区の緑地は、「自然共生サイト」認定基準の以下2項目に該当すると認められました。
- (4)生態系サービスを提供する場であって、在来種を中心とした多様な動植物種からなる健全な生態系が存する場
- (6)希少な動植物種が生育生息している場あるいは生育生息している可能性が高い場
本サイトは、「イタトープ」「南イタトープ」「北公園」などで従業員向けの生物観察会や環境教育を実施し、特定外来生物の駆除や生息環境の維持・改善に取り組んでいること、さらに希少種ヤガミスゲ・ムクロジ等の保全活動を継続している点が評価されました。
認定基準について詳しくは、環境省「自然共生サイト」ページの掲載PDF「審査の観点(認定基準)」を参照ください。





