自然災害発生時に災害発生前・後の衛星画像の差分を解析することで、被災状況を抽出することが可能であることに加え、災害発生時以外でも、長期間にわたって徐々に進行する広域の微小な地盤変動などを検出することが可能です。下図の事例は、東京都中心部の長期間にわたって進行したと推定される地盤変動を、衛星画像の解析結果と3次元の建物情報を重ね合わせてわかりやすく可視化したものです。衛星からの観測により広域かつ網羅的に微小変化を把握することが可能なため、これまでは、目視で実施していたインフラの障害リスク箇所を早期に検出し、災害発生前に専門家による精密検査と対策を効率的に実施することが可能になります。
本技術は地盤変動だけでなく、河川堤防、橋梁、ビルやダムなどのインフラ検出、さらに土木工事や資源採掘による周辺影響調査など、幅広い用途に適用可能です。
#02SDGsへの取組事例
衛星観測ソリューション
衛星観測データ活用による地球環境保全と
安心・安全な暮らしへの貢献
安心・安全な暮らしへの貢献
三菱電機が開発を担当した陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)は、昼夜・天候を問わず地球を観測することができ、その観測データは、昨今増加している大規模災害の状況把握等で広く活用されています。また、衛星が撮像した地表画像データを独自技術・ノウハウに基づき処理・分析することで、より精緻な状況把握や変位抽出が可能となります。三菱電機ではこの技術を活用し、現在、政府・地方自治体と共に河川/湾岸の浸水や地盤沈降による変位抽出、インフラ設備の損傷・老朽化検出等にといったソリューションの実証を進めております。三菱電機は、宇宙から地表面のありのままを把握する観測データの活用を推進することで、広範囲かつ高精度な防災・減災対策の推進に貢献します。
CASE 01
防災ソリューション

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CASE 02
海洋ソリューション
違法漁業監視や海上交通の安全確保、漁業・海運による経済活動の推定など、衛星画像から広大な海上の船舶の動静を把握することは、様々なユーザーから高いニーズがあります。
下の事例は、衛星画像からAI(Deep Learning)を用いた対象物検出技術によって海上の船舶を検出したものです。
衛星画像は海面が暗く、陸地や船舶は明るく写る特性があります。本事例では、海上に明るく写った船舶を高い確率で検出するとともに、船舶の検出が難しい内湾や河川においてもAI技術により陸地と船舶を誤認識することなく正確に船舶を検出できていることが分かります。
下の事例は、衛星画像からAI(Deep Learning)を用いた対象物検出技術によって海上の船舶を検出したものです。
衛星画像は海面が暗く、陸地や船舶は明るく写る特性があります。本事例では、海上に明るく写った船舶を高い確率で検出するとともに、船舶の検出が難しい内湾や河川においてもAI技術により陸地と船舶を誤認識することなく正確に船舶を検出できていることが分かります。

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また、衛星画像からは、船舶だけでなく漂流物の検出も可能です。海上を漂流するごみは地球環境において近年問題視されており、船舶の航行、漁業や養殖にも悪影響を与えます。海洋漂流物を検出・解析することにより、特に問題の大きいとされる海洋ゴミが集積したクラスターの存在やその移動をモニタリングすることができます。この情報を活用することにより、効果的な海洋ゴミ回収計画による環境保全や船舶航行ルートへの反映による安全航行に貢献します。