コラム
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2002年 8月分 vol. 3
宇宙ステーションからメッセージが届く?!
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi

写真 宇宙ステーションは地上から意外によく見える。私が見たのは冬の夕方、スーパーの駐車場で。一等星より明るい光の点が、スーッと静かに動いていった。飛行機と同じぐらいの速さだけど光の点滅がない。その存在感に「宇宙ステーションだ。」と直感。すぐに帰ってホームページで調べてみたら、ビンゴ!「あの星のような光の中に、人がくらしているのかー」と急に親近感がわいてきた。やっぱり「生」は違うよね。

 「国際宇宙ステーション(ISS)を肉眼で見よう」というホームページでは、いつ、どこを何時ぐらいに通るかが丁寧に説明してある。わりと頻繁に日本上空を通過しているのにはびっくり。ポイントは、「最大仰角」。この角度が90度に近いほど頭の真上を通る。最低30度以上、ビルが回りに多い場所ではさらに角度が大きい日をねらって見るといい。

 2006年の完成をめざす国際宇宙ステーションは、目標の4割ぐらいの建設をおわったところ。2000年11月から3人の宇宙飛行士が数ヶ月交代でくらしていて、今は5チーム目。8月はじめには、実験棟「デスティニー」で種から育てていた大豆に、初めて花が咲いたそう。

 ところで、宇宙ステーションからメッセージを送るサービスがある。IHIエアロスペースの「スターアニバーサリー」。専用のウエブサイトから送り先のメールアドレスと送信日を指定してメッセージを入力すると、指定日に宇宙飛行士が送信してくれる。メッセージの背景にはこのサービスのために宇宙飛行士が撮影した、最新の地球の写真。宇宙飛行士もCM出演やメッセージ配信など、多様なニーズに応えないといけなくて、ホントご苦労様だ。

 インターネットを利用してカードを送るのは、もう珍しいことじゃない。しかしこのサービスがユニークなのは、メッセージがCDに焼き付けられてロケットで打ち上げられる点。ロケット発射の様子はリアルタイムでウェブサイトで見ることができる。「あ、今私のメッセージが打ちあがった・・」とドキドキできて、打ち上げ証明書まで発行される。そのプロセスが一番の楽しみどころ。

 宇宙から届くのがメールでなく宇宙を旅してきたCDそのものなら、受け取る側にも、もっとありがたみがわくと思うのだけど、それって欲張りすぎ?



国際宇宙ステーション(ISS)を肉眼で見よう
http://kibo.tksc.nasda.go.jp/

スターアニバーサリー
http://www.starmail.jp/
400字3万円。申し込みは2002年10月31日まで。メッセージ送信期間は2003年3月から2004年2月。