コラム
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2002年 12月分 vol. 6
フランス発。3001年、他の星に移住。
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi

2001年10月末に約10日間宇宙ステーションに滞在したフランスのクラウディア飛行士。(提供:CNES/C.Haignere) 12月14日(土)、H-IIA4号機が打ちあがった。青空をバックに完璧な打ち上げ。よっしゃ!(NHK朝ドラのヒロイン・まんてんの口ぐせ)。実はH-IIA打ち上げ3日前にヨーロッパのアリアン5ロケットが打ち上げに失敗したために、チラッと心配していたのだ。

 ロケットの情報を見ようとヨーロッパ宇宙機関(ESA)やフランスの宇宙機関(CNES)のウエブサイトを見ているうちに、「フランス有人宇宙飛行20周年」の見出し発見。1982年にクレチャン飛行士が旧ソ連の宇宙ステーション・サリュートに宇宙飛行をして以来、NASAや旧ソ連・ロシアの宇宙ミッションに9人のフランス人宇宙飛行士が16回のフライトを行っている。9人の中に美女が一人。神経科学専門のドクター、クラウディアだ。

 注目したいのが「ミッションパッチ」。フライトごとのワッペンがアーティスティック。たとえば一番最近のSTS-111(2002年6月)は星の王子様をあしらっているし、1985年のSTS-51Gのワッペンは、ハート型の頭の人がふわふわ飛んでいるフォロンの代表的な作品のひとつ。宇宙飛行のワッペンにおさまると、宇宙遊泳している人に見えてきて、楽しい。周りの「Science de la Vie(生命の科学)」という言葉も絵の雰囲気にマッチしている。

 ヨーロッパはこれから独自の有人宇宙開発計画をもとうとしているらしい。その名もオーロラ計画。火星の有人飛行も視野に入れて、アメリカやロシアに頼らず自分たちで宇宙飛行ができる技術を確立していこう、とスタディを始めた。

 そして1000年後の「宇宙と人類」をもフランス人は考えているようだ。フランス南西部のツールーズにある宇宙科学センター「シテ・エスパス」では2003年秋から「3001年宇宙の旅エキスポ」を開催する。宇宙工学、心理学、社会学など15の研究所が加わって考えているシナリオは、宇宙工場で小惑星の中をくりぬき、原子力ロケットを備えた宇宙船に改造。その宇宙船に遺伝子など様々な検査をパスした男女1000人とバクテリアや動植物など地球の生物が乗り込む。目的地は、地球型の惑星があると期待される恒星トセティ(実際にある星)。出発は2615年。3001年に到着し移住。

 ノアの箱舟の未来形? シナリオの中で一番予測がつかないのは人間の行動らしい。世代交代しながらの数百年の宇宙の旅になる。冷凍保存せずに行くとしたら、争いを起こさずに旅を続けることが技術的な問題より、もっと難しいのかもしれない。



フランス宇宙機関(CNES)の有人宇宙飛行20周年のページ
http://193.252.114.90/dossiers/20ans/index_en.htm