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2003年 7月分 vol. 3
文系学生 宇宙に喝! フォーラム開催7/26~
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi


 6月、宇宙開発フォーラムのビジネス研究会でビジネスモデルを発表中。文系の学生たちが宇宙開発に主体的に関わろうとしている。  10cm立方、重さ1kgの小型手作り衛星がロシアのロケットで6月末に打ち上げられた。作ったのは東京大学と東京工業大学の学生メンバー。人工衛星は国や大企業が作る大掛かりなもの、という常識をスカッと打ち破ってくれた。21世紀はアイデアと行動の時代だね。

 手作り衛星では「理系学生」が活躍したが、今度は「文系学生」の出番。7月26日から日本科学未来館で開かれる「宇宙開発フォーラム」。実行委員会の代表は東大法学部4年の筑紫正宏クンで東大、慶應、一橋、成蹊、日大の学生たちが運営。宇宙開発をテーマにビジネス、政策、法律といった文系アプローチで、約半年間にわたり勉強会を重ねてきた。

 フォーラムでは、地球観測、宇宙医学、宇宙開発政策、宇宙法など、様々なテーマで専門家の話を聞き、学生や一般参加者がディスカッションを行う。注目は26日(土)午後の「宇宙ビジネスセッション」。「大阪の町工場から人工衛星「まいど1号」を飛ばすでー」とホットなプロジェクトを進める(株)アオキの青木豊彦社長がゲストとして参加。5人ずつのチームにわかれてケーススタディのあと、それぞれのビジネスプランについてプレゼンテーションを行う。どんな奇想天外なアイデアが出るか楽しみ。聴講のみも可能。

 同フォーラムの宇宙政策研究会幹事、東大法学部4年の田島博樹クンは、「政策系の学生に宇宙開発に興味を持ってもらうことも、宇宙開発をしている理工系の学生に政策に興味を持ってもらうことも難しかった」。文献も少なくてレジュメの作成にも苦労したとか。またビジネス研究会幹事、成蹊大経済学科修士1年の福永真己サンは「実際にビジネスをするのは研究者でなく、ビジネスマン。研究とビジネスは,それぞれまったく別の才能が必要」と主張。宇宙ってまだまだ「閉鎖系」のようだ。 もっともっとオープンにしなきゃ。

 代表の筑紫クンは就職活動をしながら「積極的で好奇心旺盛な学生を1人でも多く集めて良質なコンテンツをぶつければ、必ず宇宙開発に飛び込んでくれる人がいるはず」と準備を進めてきた。展示では大学生の手作り衛星やロケット、宇宙法模擬裁判、市民団体の活動などを紹介。「自分でも何かやろうかなと思ってくれることを期待してます」と田島クンは明け方にきたメールの最後に書いてくれた。もしかして徹夜? がんばってるね。


宇宙開発フォーラム 7月26日~28日まで 日本科学未来館で
http://sdf.xtr.jp/