コラム
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2004年 10月分 vol.3
火星飛行でもグルメでいたい。
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi


国際宇宙ステーションでの食事風景。時々貨物船が運んでくる新鮮な食材は宇宙飛行士の何よりの楽しみ。(提供:NASA)  宇宙食はかなり進化して、今や「シュリンプカクテル」「照り焼きチキン」など約200種類ものメニューが楽しめる。でもこれら宇宙食はすべて地上から運んでいる。もし火星に旅する時代になったら? 長期間の飛行と火星滞在中の食料をロケットですべて運ぶのは重過ぎるし、巨大な食糧貯蔵スペースが必要になってしまう。そこでESA(ヨーロッパ宇宙機関)では、宇宙産の食材を使って簡単に料理できるレシピの研究に取り組んでいる。

 ESAの発表によると、フランスのグルメ企業ADF(Alain Ducasse Formation)とESAが宇宙食のためにチームを組んだ。第一段階の目標は、宇宙産の野菜などの材料で、宇宙飛行期間の食料の5〜10%を、惑星滞在中には40〜50%、ほぼ半分をまかなおうというもの。検討を始めたのは、どんな野菜が宇宙で育てるのに適しているか。

 「あらゆる野菜を育てることはできないので、なるべく様々な料理に使うことのできる野菜を選びました。現在は8種類の野菜で実験しています」とESAのライフサポートコーディネーターで長期有人飛行中の空気や水、食料のリサイクルの責任者であるChristophe Lasseur氏は語る。もちろん食材の種類は将来的に増やしていく計画だ。

 ここで、もう一つ大きな課題が。宇宙で育てた食材で「いざ、クッキング」と言っても、完璧なキッチンは運べない。だから簡単な調理法が必要になる。しかしどんなに限られた食材でも料理は美味しく、栄養のあるものでなければならない。そこでADFが限られた調理道具、少ない食材で作る料理のレシピを開発中。フランスの会社GEMは火星で使える調理器具セットの研究もスタートさせているとか。

 でも、宇宙旅行のためのレシピが作られたら、それこそ世界中の主婦に超人気になること間違いなし。だって少ない食材で調理は簡単、しかも栄養満点で美味しい料理なのだから。「これは宇宙旅行用にフランスで開発された料理。栄養満点よ!」とか言いながら、手抜き料理もごまかせたりして。