コラム
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2004年 12月分 vol.2
13日夜は流れ星に願い事を。
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi


12月中旬午後8時ごろの東京の星空。流れ星を探しながら、オリオン座、ふたご座、冬の大三角形など探してみてください。(提供:国立天文台)  年末に近づき、時間に追いまくられるこの時期、仕事や学校からの帰り道、ちょっと夜空を見上げてみませんか? 冬は大気の透明度が高く、星が綺麗に見える季節。さらに、12月13日夜~14日未明は流れ星「ふたご座流星群」が見られるチャンスです。12日が新月のため月は細く夜空も暗い、数年に一度の好条件。ふたご座の近くには土星の姿も楽しめます。願い事を用意して、なるべく視界の開けた暗い場所に出かけてみましょう。

 ところで流れ星の正体、ご存知ですか? 宇宙に漂う小さな「チリ」なんです。その大きさは直径1mm~数cm。ただしその速度はスペースシャトルより速く、秒速数十km。猛スピードで地球大気に飛び込み、大気と激しく摩擦を起こし高温になって光る。そのときの光が、夜空を駆ける流れ星として見えるのです。1年に3回、たくさんの流れ星が見える時期があって「三大流星群」と呼ばれています。1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群、そして12月のふたご座流星群。ふたご座流星群は、三大流星群のなかでも夜中前から見られ、わりと当たり外れなく見ることができます。空の条件がよければ1時間に50個以上の流れ星が見られるかもしれません。

 12月13日のふたご座は夕方東の空にあり、真夜中に天頂近く、14日明け方に西の空に移動します。ふたご座を見つけるには、まずオリオン座を見つけましょう。明るい星が4つ、縦に長方形を作り、ちょうど真ん中あたりに三ツ星が並んでいるのがオリオン座。オリオン座の長方形で右下に見える一等星リゲルから左上の一等星ベテルギウスに線を結び伸ばしていくと、二つの寄り添う明るい星が見つかるはず。これがふたご座の兄弟星、カストルとポルックスです。ポルックスの近くには土星が見えているでしょう。

 ただし、ふたご座近くだけに流れ星が見られるわけではなく、夜空のどこにでも現れます。また、13日夜~14日未明に流星が最も多く流れると予想されていますが、その前後数日間も見られます。天候を見ながら、なるべく空の広い範囲を探してみましょう。

ところで願い事。あれこれ欲張ると何も言えないもの。例えば「抜け星(ぬけぼし)」と3回となえると幸福になれるとか(岡山)、女性が「色白、髪黒、髪長」ととなえると美人になるとか(福岡)、「八寸」と3回となえると身長が伸びるとか、各地には様々な言い伝えがあります。また口でとなえるだけでなく、流れ星を見ながら顔をつるりとなでれば色が白くなるそう。

 国立天文台では13日の夜8時から10時まで、15分間に何個の流れ星を見たかウェブサイトに報告してもらい、後日集計結果を発表する予定。携帯電話でも参加できます。暖冬とはいえ夜は冷えますから、暖かい飲み物を用意して、冬の夜空を楽しんでくださいね。


国立天文台
http://www.nao.ac.jp/

国立天文台携帯電話サイト
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