夜空に浮かび上がるひしゃくといえば、誰でも真っ先に思い浮かべるのが北斗七星だろう。このシリーズの第4回でも取り上げたが(参照:vol.4『北斗七星』)、明るい星の少ない北の空での存在感はとても大きい。北斗七星がもっとも高く見えるのは春。見事なひしゃくは、夏には次第に北西の空に傾き、やがて北極星の真下へ隠れて見えなくしまうのだが、実は、この季節にはもうひとつのひしゃくが、南の夜空に輝いているのをご存じだろうか。