Factory Automation

張力制御とは? 基礎編 4

定電圧方式と定電流方式

定電圧方式と定電流方式とでは下記の特長があり、使い分けが必要です。

定電圧方式と定電流方式の概要

(1) 定電圧方式

  • 指令に対して電圧が一定になるように制御する方式
  • 接続するパウダクラッチ・ブレーキにより定格電流の設定不要
  • パウダクラッチ・ブレーキのコイル温度変化により、トルク変化が発生する

(2) 定電流方式

  • 指令に対して電流が一定になるように制御する方式
  • 接続するパウダクラッチ・ブレーキにより定格電流の設定が必要
  • パウダクラッチ・ブレーキのコイル温度が変化してもトルクは一定

温度変化によりトルクが変化する理由

パウダクラッチ・ブレーキはスリップの摩擦熱により温度上昇します。
その結果、パウダクラッチ・ブレーキのコイル抵抗が上昇します。
なお、コイル抵抗の上昇は、下記の理由によるものです。

温度が上昇すると分子のブラウン運動は激しくなる
パウダクラッチ・ブレーキのコイル温度とコイル抵抗の変化
  • 定電圧(V:一定)のとき、温度上昇によりコイル抵抗(R)が大きくなるとオームの法則(V=IR)の関係より、励磁電流(I)は減少することになります。
  • 一方、パウダクラッチ・ブレーキのトルクは励磁電流にほぼ比例します。

伝達トルクは温度上昇により、減少してしまいます。
よって、定電圧方式と定電流方式の使い分けが必要です。

出力制御方式の使い分け

(1) 定電圧方式

  1. 温度によるトルクの変化は許容できる
  2. 設定が少ない方が良い
  3. 全自動制御をする

(2) 定電流方式

  • 温度によるトルクの変化は許容できない
  • トルク一定制御をしたい

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