3.3.1 励磁突入電流とは

変圧器の励磁突入電流は鉄心の飽和による過渡現象で、その第1波波高値は定格電流波高値の10数倍~40数倍に達し時間の経過と共に減衰します。
一般に励磁突入電流は、小容量変圧器の方が定格電流に対する倍率が高く、減衰時間は短くなります。
大容量変圧器では逆に倍率が小さく、減衰までに比較的長時間を要します。
このような励磁突入電流は、変圧器を保護する過電流継電器(OCRなど)の誤動作をまねき、変圧器を回路に投入できないという事態を生じます。
したがって、下記に示す値を用いて変圧器の励磁突入電流を求め、協調をとる必要があります。

3.3.2 励磁突入電流の計算式

IR = 2In・K・X

IR :励磁突入電流(実効値)
In :定格電流(実効値)
X :励磁突入電流の第1波波高値を1とした時の実効値の大きさ(右図のX軸の値)
K :第1波波高値倍率(次頁の表による)

<計算例>
3φ75kVA油入変圧器
励磁突入電流の大きさは次頁の表より第1波波高値が19倍で減衰時定数は6サイクル。
1次側定格電流は6.56(A)
したがって、右図より、最大電流(実効値)I1は、
 2×6.56×19×0.78=137(A)
0.1秒での電流(実効値)I2は、
 2×6.56×19×0.32=56(A) となります。