株式会社弘電社
(2025年02月)
核融合エネルギー研究開発の国際プロジェクトに参画しています

弘電社は、三菱電機殿とともに、核融合エネルギーの研究開発のための超大型国際プロジェクト「ITER(イーター)計画」に参画しています。
今回はこのプロジェクト及び当社の関わりについてご紹介します。
「ITER計画」とは
「ITER(イーター:国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor))」は、平和目的のための核融合エネルギーが科学技術的に成立することを実証する為に、人類初の核融合実験炉を実現しようとする超大型国際プロジェクトです。「ITER」はラテン語で道という意味を持ち、核融合実用化への道・地球のための国際協力への道という願いが込められています。
ITER計画では、日本・欧州・米国・ロシア・韓国・中国・インドの7極(33ヶ国)が協力して、世界最大のトカマク(核融合のための装置)をフランスのサン・ポール・レ・デュランスに建設しています。2025年に最初のプラズマが点火され、2035年に実際の燃料であるトリチウムを用いた運転が開始される予定です。
弘電社の技術力で「超伝導コイル」の製作に貢献
ITERの部品調達はプロジェクト参加の各国に分担されていますが、日本は多くの部品供給を行っています。中でも高さ16.5m、幅9.2m、総重量310トンという巨大な超伝導コイル(トロイダル磁場コイル、以下TFコイル)については、全19コイルのうち9コイルを、日本が製作しています。
当社は巻線と呼ばれる内部構造を中心に、直接的な製作に参画しました。前例のない巨大物に対し、ミリ単位の精度が求められる非常に難易度が高い作業でしたが、これまで培った技術を発揮し、2013年3月より5箇年にわたり、5基のTFコイル製作に携わりました。
ITER 機構長よりITER Awardが贈られました
2024年11月5日、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下QST)の辺見努様が当社に来社され、同機構が参画するITER計画への弘電社の貢献に対しITER Award受賞記念盾(レプリカ)が贈られました。
2023年12月、ITER TFコイル プロジェクトチーム(欧州と共同で、QST、三菱重工業(株)、三菱電機(株)、東芝エネルギーシステムズ(株)など多くの研究機関、企業の研究者、技術者から構成)に対し、ピエトロ・バラバスキITER 機構長より“ITER Award 2023”が贈られましたが、この受賞に関して当社の貢献が評価され、この度の受賞記念盾(レプリカ)の拝受となりました。
持続可能な未来の実現を目指して
核融合技術は二酸化炭素を排出せずに持続可能なエネルギーを生み出す技術です。弘電社は引き続きクリーンで持続可能な未来のエネルギー供給への貢献を目指してまいります。
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