三菱電機デジタルイノベーション株式会社
(2025年08月)
生成AIで実現する次世代の服薬指導。
薬局向けクラウド版電子薬歴サービス「AnyCOMPASS」に
生成AI技術を活用したアシスタント機能機能を追加。

三菱電機デジタルイノベーション(旧三菱電機ITソリューションズ)は、23年より販売している保険薬局向け次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」クラウド版電子薬歴の新サービスとして、「生成AI技術を活用したアシスタント機能」を25年1月30日より販売開始しました。
「AnyCOMPASS」とは

2040年には75歳以上の人口が20%に達すると見込まれている、日本。
超高齢社会に向けて、薬局は「地域包括ケアシステム」の一翼を担い、住み慣れた地域での自分らしい生活を最期までサポートする役割が求められています。
しかしながら薬局では薬剤師の人材不足が進んでおり、本来注力すべき「患者さんへの丁寧な対応」を実現しづらいのが実情です。
こうした課題の解決のために、薬局のDX化が求められています。
その具体的な解決策として、「AnyCOMPASS」ではこれまで個別に提供してきた当社の保険薬局システムを統合し、クラウドサービスとして提供しています。その中の1つがクラウド版電子薬歴サービスであり、このサービスでは、薬局の様々な業務を効率化します。
「AnyCOMPASS」の特長
「しっかり」:充実した機能で一歩踏み込んだ指導をサポート
過去処方比較はもちろんのこと、患者タイムラインやグラフ薬歴・バイタルグラフ・フォローアップ等の充実した機能で一歩踏み込んだ指導をサポート。また、指導せんを用いて患者さんに寄り添った指導も可能です。
「スピーディー」:服薬指導ガイドでより効率的に
患者さんの状態に応じて、必ず指導・確認が必要な個所を赤マークで表示し、お知らせ。指導内容が薬歴に自動転記されるため、指導漏れを防止しつつスピーディーな薬歴作成を支援します。
「つながる」:シームレスな連携で患者情報を一元管理
ホーム画面でフォローアップ予定の患者様をわかりやすく表示。患者様の投薬指導画面ではタイムライン形式で過去のやりとりを確認できるので、患者様の状況を簡単に把握できます。
生成AI技術を活用したアシスタント機能でさらにパワーアップ

生成AI技術を活用したアシスタント機能は、「AnyCOMPASS」の「しっかり/スピーディー/つながる」のコンセプトをさらに強化するオプションサービスです。
生成AI技術を活用したアシスタント機能が「AnyCOMPASS」の有する指導内容データベース及び、過去の指導実績から今回処方箋の情報と照らし合わせ、患者にあった指導内容をアドバイスします。また、患者属性情報・患者基本確認情報・処方内容、及び患者と薬剤師との会話情報から、生成AIサービスがSOAP形式の薬歴を自動生成することにより、薬歴記載業務を効率化します。
①よりパーソナライズ化された服薬指導アドバイス
指導内容データベース及び、過去の指導実績、患者属性情報・患者基本確認情報・処方内容から、患者にあった最適な指導・ヒヤリング内容を生成AI技術を活用したアシスタント機能が候補表示することにより、当該疾病を発症した患者のプロブレムを引き出すための主訴を確認することができます。
また、指導・ヒヤリング内容の候補表示にあたっては、その選定理由も併せて表示する事で、薬剤師に判断材料を提供し、より「しっかり」した服薬指導をアシストします。
②薬歴の自動生成による業務効率化
服薬指導アドバイスに基づく指導・ヒヤリング内容及び、赤マークでお知らせする指導ポイントのナビゲートをもとに患者への服薬指導を行います。
薬剤師と患者の服薬指導のやりとりは音声でも取り込むことができ、生成AIサービスが患者の主訴を抽出したうえ、患者属性情報・患者基本確認情報・処方内容を合わせ、SOAP形式(服薬指導の記録として用いる薬歴の書き方)に変換した薬歴を作成します。
これにより、「しっかり」「スピーディー」を両立ながら、正確で的確な服薬指導を実現します。
東大発ヘルスケアAIベンチャーと共同開発
この生成AI技術を活用したアシスタント機能は、東大発ヘルスケアAIベンチャーである株式会社mediLabと共同開発を進めて参りました。昨年9月に開催された第57回日本薬剤師会学術大会をはじめ、各種学術大会において成果物を参考出展し、そこで得たご意見も反映した上でこの度販売する運びとなりました。
地域医療をシステムで支える
当社では、薬歴システムは単なる薬歴管理だけではなく「“地域医療のコミュニケーションツール”として保険薬局を支えるべきシステム」との考えで開発に取り組んでいます。
これからも最先端の技術力で、地域医療連携の一端を担う薬局・薬剤師のサポートを続けて参ります。