REALで堪能する
「京の彩り」
季節のうつろいで様々な表情を見せる古都京都。
その『彩り』を京都に生まれ京都を知り尽くしたフォトエッセイスト 星野佑佳氏がご紹介します。
星野佑佳
フォトエッセイスト / 星野佑佳
京都市生まれ、在住の女性フォトエッセイスト
00年 海外放浪の撮影旅へ出発、帰国後は日本の自然風景を求め、全国を旅しながら撮影。05年頃から、旅のかたわら、地元である京都の風景や祭を撮影、現在に至る。
写真を担当した一般書は「京都12ヶ月 年中行事の楽しみ方」「京暦365日」他多数。全国の風景写真はクラレグループの企業カレンダーやJR北海道のキャンペーンポスターなどにも起用されている。
とくとくとく
お神酒の芳香と共に、金色の長柄から白い盃に菊の花びらが注がれる。
重陽の神事でふるまわれる菊酒は、古くから不老長寿の妙薬とされてきた。
古(いにしえ)人達が託した効能を現代風に解釈するなら美容にも効くはずと、期待を込めて鮮やかな花片ごと頂く。
いよいよ、残暑の合間に秋が始まり、田んぼでは案山子の出番がやってくる。
案山子といえば、へのへのもへじ顔に麦わら帽子のイメージがあるが、のどかな癒し顔が「どうせ何もできやしない」と鳥達になめられるのか、昔ながらのスタイルにはあまりお目にかかれなくなった。変わって登場した洋装のマネキン型は、私でさえギクリとするほどリアルで、たぶん人間うけが悪かったのだろう。これまた見かけなくなり、最近ではペットボトルやカラーテープなどの玩具タイプが席巻している。
久しぶりに懐かしい「ザ・案山子君」と出会ったのは、茅葺の里で知られる美山町。
稲穂や蕎麦の花がキラキラ金銀に輝く田んぼの真ん中に、案山子君がポツンと立っていた。
夕ご飯の支度の明かりが家々からもれはじめ、うちに入れない案山子君は心なしか寂しそう。任された勤務地は広く、独りぼっちの彼には荷が重いのではと心配だ。
一方、何年か前から嵯峨野に案山子の団体様御一行が並ぶようになった。
有志の親子達が作っているそうで、古式正しいスタイルながら、某人気球団のユニフォームを着たり、アニメキャラのお面をつけたりと、遊び心満載だ。
ある年、どこかで見たようなツルツル頭の案山子が登場した。
「君と会ったことあるよね?」
記憶を手繰りながら、じーっと見つめ合ううち、ポンとひらめいた。
「あーした天気になーれ」のてるてる坊主だ!
季節や願い事はちょっと違う気もするけれど、コラボ全盛の今日この頃、これもアリだよね。おかげで今日はこんなにいいお天気だし。
次はおこずかいアップねらいで招き猫モデルのお出ましか?
今秋もコラボ案山子のお披露目が楽しみである。
とくとくとく
お神酒の芳香と共に、金色の長柄から白い盃に菊の花びらが注がれる。
重陽の神事でふるまわれる菊酒は、古くから不老長寿の妙薬とされてきた。
古(いにしえ)人達が託した効能を現代風に解釈するなら美容にも効くはずと、期待を込めて鮮やかな花片ごと頂く。
いよいよ、残暑の合間に秋が始まり、田んぼでは案山子の出番がやってくる。
案山子といえば、へのへのもへじ顔に麦わら帽子のイメージがあるが、のどかな癒し顔が「どうせ何もできやしない」と鳥達になめられるのか、昔ながらのスタイルにはあまりお目にかかれなくなった。変わって登場した洋装のマネキン型は、私でさえギクリとするほどリアルで、たぶん人間うけが悪かったのだろう。これまた見かけなくなり、最近ではペットボトルやカラーテープなどの玩具タイプが席巻している。
久しぶりに懐かしい「ザ・案山子君」と出会ったのは、茅葺の里で知られる美山町。
稲穂や蕎麦の花がキラキラ金銀に輝く田んぼの真ん中に、案山子君がポツンと立っていた。
夕ご飯の支度の明かりが家々からもれはじめ、うちに入れない案山子君は心なしか寂しそう。任された勤務地は広く、独りぼっちの彼には荷が重いのではと心配だ。
一方、何年か前から嵯峨野に案山子の団体様御一行が並ぶようになった。
有志の親子達が作っているそうで、古式正しいスタイルながら、某人気球団のユニフォームを着たり、アニメキャラのお面をつけたりと、遊び心満載だ。
ある年、どこかで見たようなツルツル頭の案山子が登場した。
「君と会ったことあるよね?」
記憶を手繰りながら、じーっと見つめ合ううち、ポンとひらめいた。
「あーした天気になーれ」のてるてる坊主だ!
季節や願い事はちょっと違う気もするけれど、コラボ全盛の今日この頃、これもアリだよね。おかげで今日はこんなにいいお天気だし。
次はおこずかいアップねらいで招き猫モデルのお出ましか?
今秋もコラボ案山子のお披露目が楽しみである。
京都製作所
AVディスプレイ製造部
技術第2グループ
大上戸 晃
星野さんのエッセイにもあるように、9月の重陽神事の頃になると稲穂が色づいた田んぼには個性豊かなかかしが並び、京都に秋の気配が漂い始めます。
紅葉までにはまだ日がありますが、稲穂を金色に輝かせ、咲き始めた秋の草花に映える優しい朝夕の光は心地よい癒しを与えてくれます。
そのような繊細な光や色の階調を楽しむなら三菱のREAL 4Kでの鑑賞がおすすめです。
レーザーの広い色再現性と、細かく明るさをコントロールするバックライトで微細な階調を表現し、秋の京都の繊細な美しさを大画面に再現します。
稲穂や小さな花の一つ一つの表情も実はずらりと並んだかかしのように個性的だったりします。通常の鑑賞方法では気付かない細部にはっとするような驚きを与えてくれるのがREAL4Kなのです。
- 春がゆく
- 夏の夜の夢
- 実り色
- 紅の記憶
- 今年もよい年
- 花、溢れ