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クラウド型支援ツール “MELく~るLINK”

画像 クラウド型支援ツール “MELく~るLINK”

こちらは、

遠隔地にある業務用空調の状態を知ることができるサービスじゃ。機器の異常をメールや専用ページで知らせてくれるのじゃ。

ここが便利!

空調機器を常時監視し、冷媒の漏洩の状況等を自動で診断してくれるぞ。

ここがスゴい!

現場での定期的な点検作業が不要になることで、保守作業の省力・省人化に大いに貢献するぞ。

研究生 エコちゃん
空調の室外機が並んでいますが、ビルの屋上でしょうか。MELく~るLINKは「メルクールリンク」と読めばよいですか。
博士

そうじゃ。今回は業務用空調の保守の話じゃ。

研究生 エコちゃん

そもそも業務用空調の保守って、どういうものですか。何かを気にする必要があるのですか。

博士

世の中の業務用空調は主に冷媒にフロンが使用されておるのじゃが、現在冷媒の主流となっている“代替フロン”とよばれるものでもCO2の100倍~1万倍以上の温室効果があるので、フロンが漏れていないか、定期的に点検する必要があるのじゃ。

研究生 エコちゃん

そうでしたか😨。フロン、ぜひとも漏れないようにしてほしいです。点検はどれくらいの頻度で実施されるものなのでしょうか。

博士

日本では、冷媒にフロンが使用されている業務用空調等に対しては3か月に1回以上の簡易点検、例えば機器の状態を目視などで確認にすることが法律*1で義務付けられているんじゃ。

*1:フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律 (略称:フロン排出抑制法)

研究生 エコちゃん

都市部にはビルが多く、業務用の空調がたくさん使われていますよね。それを全部点検するって大変そう。。。

博士
そこで、2022年に法律が改定され、特定の基準を満たす常時監視システムを備えていれば、簡易点検をしなくてよいことになった。MELく~るLINKはその基準を満たすように開発されたんじゃ。
研究生 エコちゃん

すご~い😊 でも、どのようにして空調機器を監視しているのかしら。

博士
こんな感じじゃ。構成はいたってシンプルで、ビルの中に設置する遠隔監視用デバイス(以下、デバイス)とクラウドサーバで構成される。デバイスは空調の室外機から収集した情報を定期的にクラウドサーバに送って(アップロードして)おるんじゃ。
研究生 エコちゃん

なるほど~。デバイスは、どんな情報をクラウドサーバに送っているの?

博士

冷媒の温度や圧力の他、機器内の駆動部分の作動状況や、制御の様子等の詳細なデータ等じゃ。機器に異常があれば、管理者に通知されるようになっているので、迅速な対応が可能じゃ。冷媒の漏えい等による影響を最小限にくい止めることができるぞ。

研究生 エコちゃん

あの~、そのようなとても大切な情報を携帯電話網で送って大丈夫ですか。携帯って、つながりにくいこと、ありますよね。

博士
心配無用じゃ。デバイスからクラウドサーバへの通信(アップロード)は、通信途絶時に備え、リアルタイムでのアップロードだけでなく、収集したデータを日次に分けて送ることももできる。また、通信時には先進の暗号化処理を施しており、セキュリティ面の対策も万全じゃ。
研究生 エコちゃん
安心しました。 MELく~るLINK、業務空調以外の設備の保守にも使えるのではないでしょうか。
博士

そのとおり。現在、以下の機種が対象となっているが、今後、対象機種を増やしていく予定じゃ。

研究生 エコちゃん
対象機種の拡大、楽しみ~! MELく~るLINKは、保守作業の「省力・省人化」に貢献し、万が一、冷媒が漏えいした際も必要な保守作業に早めに着手できるので、温暖化抑制にも効果がありますね。
博士

そうじゃ。これからの時代、世の中の産業には省力・省人化が求められる。私自身に求められるのは、小食・精進かな。。。

研究生 エコちゃん

博士、、、寒い!? 😊

クラウド型支援ツール“MELく~るLINK”

2022年に改正されたフロン排出抑制法では、業務用冷凍空調機器の稼働状態を常時監視できるシステムが、従来の簡易点検を代替できる手法として位置付けられました。一方で、近年ビル管理業界では労働力不足が深刻化しており、クラウドを活用した業務用空調機器の遠隔監視のようなIT化の推進による業務効率化が求められています。
三菱電機が提供する“MELく~るLINK”は、遠隔で業務用冷凍空調機器を常時監視することによって機器の異常や変調を察知するとともに、冷媒漏えいの状況等を自動で診断する情報提供サービスです。このサービスは先述の法改正によって引用されている日本冷凍空調工業会(JRAIA)が2021年5月24日に制定した“JRA GL-17業務用冷凍空調機器の常時監視によるフロン類の漏えい検知システムガイドライン” (以下、“JRA GL-17”)に適合しています。

冷媒漏えい診断技術

“MELく~るLINK”のベースとなっている常時監視システムは、その特長として、過去に発売した業務用冷凍空調機器についても、機器制御ソフトウエア変更などを行う必要がなく、冷媒温度や冷媒圧力、各種アクチュエーターの動作状況、制御モードなどといった詳細な運転データをクラウド上で収集可能な点が挙げられます。この収集した各種運転データをクラウド上に実装した診断アルゴリズムに適用することで、幅広い機種ラインアップに対してJRA GL-17で定められた性能要求(*1)を満たす冷媒漏えい診断サービスを提供することが可能です。ビル用マルチエアコンの標準機種からサービスをスタートし、クラウド側のプログラムを順次アップデートすることで、チラー、冷凍機などを含めた、更なる機種拡充を予定しています。
冷媒漏えいの診断には、JRA GL-17にも記載があるように、漏えいによる冷媒回路内の冷媒量減少による冷凍サイクル上の変化として、過冷却度の低下という特徴に着目しました(図1)。クラウド上で業務用冷凍空調機器の過冷却度を定期的に確認し、低下の傾向を検知することで、冷媒漏えいの診断を行っています(図2)。

  • ビル用マルチエアコンに関しては、JIS B8616で定められた試験条件で、あらかじめ定められた冷媒量を基準として、冷媒量が30%減少するまでに、冷媒漏えいの判定が可能であること

図1.冷媒漏えい時の過冷却度の傾向

図2.冷媒漏えいの診断結果画面

取材協力

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三菱電機株式会社 リビングデジタル事業本部
冷熱システム製作所 営業部 販促技術課
室島 奎太

研究生 エコちゃん

「室島さん、「クラウド型支援ツール“MELく~るLINK”」の事業に携わって印象に残ったことを一言お願いします。」

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MELく~るLINKの事業に携わって印象に残ったことは「新たな当たり前を作れる」可能性を感じたことです。
「点検」は、フロン排出抑制法で定められている通り、業務用空調機器の管理者には必ず付きまとう義務の1つです。
今までは、当たり前に目視で空調機の状態を確認し、その記録を保管していましたが、現在では、法改正と技術の進歩で遠隔監視で点検を代替し、記録はクラウドに自動保管と、いままでの点検方法とはがらりと変わった点検が可能となりました。
今後も「業務効率化」が叫ばれる世の中で、MELく~るLINKが「空調管理のスタンダード」となり、皆様の「省力化・省人化」の一助になれればと思っております。