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2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をきっかけに、社会・経済のデジタル化が急速に進み、最先端のITやデジタル技術を駆使して新たな価値を生み出すDX人材の育成が急務となっています。そこで三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)では、研修プログラムに「DX人材育成コース」を設け、DX推進を担う技術者やマネジメント層を育成しています。DX人材育成コースの狙いと、カリキュラムの特徴について、MIND アプリケーション事業統括部 システム開発第三部 教育事業推進課 担当課長の奥村肇氏に伺いました。

三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 アプリケーション事業統括部 システム開発第三部 教育事業推進課 担当課長 奥村 肇 氏

三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 アプリケーション事業統括部 システム開発第三部 教育事業推進課 担当課長 奥村 肇 氏

デジタルシフトを推進するため「DX人材育成コース」を新設

企業にビジネスモデルや事業戦略の変革を迫るDX時代の人材戦略として「リスキリング(再教育)」が注目を集めています。ところが、最先端のITやデジタル技術を駆使してDXを推進するDX人材の育成は、多くの企業で計画通りに進まず、その難しさが浮き彫りになっています。

長年にわたり三菱電機グループ内外に研修サービスを提供しているMINDにも、コロナ以降は最先端のITやデジタル技術に関する案件が増えています。その背景について、奥村氏は次のように語ります。

「新型コロナを契機に事業や業務のデジタルシフトが加速しています。こうした環境変化に適応するためのDX人材に注目が集まり、戦略的な人材育成の取り組みとしてリスキリングやリラーニング(学び直し)の機運が高まっています」

こうした背景のもとMINDは、研修プログラムに「DX人材育成コース」を新たに追加しました。

「MINDの研修サービスは、長年にわたっての実績があり、外部環境の変化に合わせて、常に改善を続けています。DX人材育成コースについても、コロナ禍で加速したデジタルシフトに対応するよう専用の育成コースを用意しました」(奥村氏)

DX人材育成コースでは、「ビジネス環境への対応」と「ユーザーとの共創」の2つをテーマとしています。「ビジネス環境への対応」では、不確実性の増大やスピードの加速に備え、製品やサービスをジャストインタイムで提供できる即応力が求められます。「ユーザーとの共創」では、これまでの常識や価値基準を転換し、顧客の新たなビジネス創出を支援する提案力が必要です。そして2つのテーマに向けて育成コースを「DX戦略立案」「DXデザイン思考(要求定義)」「DX開発プロセス技術(PM・開発)」「DXデジタルテクノロジー(クラウド・セキュリティー・AI/データ分析)」「DXデジタルリテラシー」の5つカテゴリーに分け、カテゴリー毎に研修プログラムを用意しています。

DX人材を育成する研修プログラム

DX人材育成コースで提供している主な研修プログラムを紹介します。

  • 1.データサイエンティスト/データアナリスト育成のためのビッグデータ解析や分析手法(統計手法)

    ITによる業務改善といえばRPA(Robotic Process Automation)が普及していますが、今後はAI、機械学習、ビッグデータ活用が中心となります。そこで、AIやクラウドを活用したビッグデータ解析を習得しながら、数学的な分析手法も学びます。

  • 2.AIエンジニア育成のためのプログラミング技術(Python)、機械学習(ディープラーニング)の活用

    IT技術者に必要なプログラム言語といえばJavaが一般的でしたが、AIエンジニアには、AIとの相性が良いPythonやR、Juliaなどのプログラミング言語が注目されています。機械学習については、現在主力のディープラーニング(深層学習)を中心に学びます。

  • 3.アジャイル開発技術者育成のためのサーバーレス環境(FaaS)・マイクロサービスインタフェース開発技術(DockerやKubernetes など)

    ITシステムのクラウドシフトが進む中、サーバーの管理を必要としないサーバーレスに注目が集まっています。そこで、代表的なAWS Lambdaの活用方法や、サーバーレスの1形態であるFaaS(Function as a Service)、マイクロサービスインタフェース開発技術(DockerやKubernetes など)について学びます。これらは、従来のウォーターフォール型からアジャイル型の開発にシフトするための重要な技術となります。

  • 4.デザイン思考・デザインアプローチ技術を活用した要求定義

    これからの技術者は、顧客の要件を聞いて指示どおりに構築する従来型のアプローチではなく、顧客と一緒にあるべき姿を設定しながら壁を乗り越えていくためのデザイン思考やデザインアプローチを学ぶ必要があります。このプログラムは、技術者だけでなく、上流工程に関わるSEや営業担当者等も対象となります。

  • 5.デジタルテクノロジーを活用した新規ビジネス検討ワークショップ(マネジメント層向け)

    DXを推進するためには、事業計画を立案するマネジメント層もデザイン思考やアジャイル等のアプローチを習得しておく必要があります。このプログラムでは、職場風土を改善するために必要な考え方や、最新の技術トレンド・ビジネス動向、事業戦略策定の各種手法などを学び、自部門での事業戦略を策定する力を身に付けることが目的です。

  • 6.SDGsを見据えたビジネスチャンスを考察する研修(新人・若手向け)

    発想が柔軟な新人社員や、入社数年の若手社員に対しては、馴染みやすいSDGsの実現手段をDXと捉え、社会課題を解決するためのビジネスモデルや、自社が事業を継続していくためのビジネスモデルを考えながらDXに対する基礎を学んでいきます。

ブレンディッド・ラーニング活用した実践的なDX人材育成

コロナ禍により研修のスタイルもオンライン化が進んでいますが、MINDでは在宅のオンライン研修だけでなく、対面集合形式やeラーニングを組み合わせた「ブレンディッド・ラーニング(ブレンド学習)」方式を採用しています。しかし、受講者のPC環境は様々なため、実習形式で学ぶ先端技術(DXやAIなど)の実践講座には不向きな面もあります。

そこでMINDでは、在宅受講者に対しては、仮想化デスクトップサービスとして実習環境を提供することを目指しています。在宅受講者に仮想化デスクトップサービス環境を提供することで、簡易な操作で仮想PCをクローン化することができ、受講者・運営側に負担となっていたセットアップ作業の負担を軽減することができます。また、運営側で事前に準備したクラウド実習環境を受講者に提供することが可能となり、ブレンディッド・ラーニング環境上でDX、AI、データ分析、クラウドなどの研修がスムースに運用・実施できるようになります。

「特にアジャイルやクラウドの研修は実習が必須ですが、セキュリティーポリシーによってインストールできるアプリに制限を設けている企業もあります。仮想化デスクトップサービスなら数十台のPCでも管理者は短納期且つ短期間の利用ができ、構築した環境は、受講後も復習用に一定期間の利用が可能です」(奥村氏)

受講者の学習意欲向上に対しては、MIND本社の専用スタジオを使って、高品質な動画コンテンツを配信したり、ストリーミング配信を実施したりすることを目指しています。専用スタジオがあれば高品質なコンテンツを受講者のレベルや学習時期に合わせて自由に制作ができ、学習効果を高めることが可能になります。

「Webカメラを使った現状のオンライン研修はどうしても“没入感”に欠け、受講者の集中力が続きません。専用のスタジオを使うことで、没入感を阻害する騒音・雑音を排除することができ、専用カメラによって講師の目線も受講者と近くなります。YouTubeのようにライブ画面にスーパーインポーズを挿入したり、複数カメラを使ってチャンネルを切り替えたりといったことも可能です。さらには5分程度の短時間動画をアップして、マイクロラーニングとして単元別にコンテンツを選んで自由に学べるようにすることもでき、さまざまな可能性を秘めています」(奥村氏)

現在、次世代のブレンディッド・ラーニング環境を構築中で、MINDでは機能を順次追加しながら完成形を目指していきます。

三菱電機グループ内の人材育成から将来はグループ外にも

DX人材育成コースは、現時点でオンライン研修が中心です。期間も1日~2日と、コンパクトに学べるプログラムになっています。受講後には従来の研修プログラムと同様、ユーザーアンケートを実施して習熟度や満足度を測定し、改善点があればブラッシュアップを重ねながら、よりよい研修サービスを目指しています。

これからのDX人材育成コースについて、奥村氏は次のよう語ります。

「現在のDX人材育成コースは、初級者向けが中心ですが、今後は中級者、上級者向けのプログラムを追加しながら、完成形を目指していきます。また、いまは三菱電機グループ向けに提供していますが、今後は、DXプロジェクトに取り組むお客様に対して研修サービスを提供していきたいと考えています」

ここまで、MINDが提供するDX人材育成の研修プログラムについて見てきました。研修サービスは、今後も環境の変化に合わせて進化を続けていきますので、引き続き注目してください。

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