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「ビルを、まるごと、心地よくする。」をスローガンにエレベーター、空調、セキュリティーシステムなどのトータル管理サービスを提供する三菱電機ビルテクノサービス株式会社。同社はビル設備のメンテナンスや工事を担うフィールドエンジニアの教育に力を入れており、研修運営に関わるサポートシステムを三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の支援を受けて構築。研修受講計画から受講者管理、修了評価、教材・教室管理、宿泊・食事管理などの機能を網羅するシステムにより、年間延べ約7,500名が受講する研修を効率的に運営管理しています。

人材開発センター副センター長(兼)企画グループ マネジャー 村井 芳和 氏(左)、人材開発センター 企画グループ 先崎 俊裕 氏(中)、首都圏第二支社立川支店品質保証課 課長 矢島 有司 氏(右)

人材開発センター副センター長(兼)企画グループマネジャー 村井 芳和 氏(左)、人材開発センター企画グループ 先崎 俊裕 氏(中)、
首都圏第二支社立川支店品質保証課 課長 矢島 有司氏(右)

研修受講者の増加に対応するため研修と施設管理の統合システムを企画

三菱電機製のエレベーターやエスカレーターのメンテナンスを請け負う企業として1954年に設立した三菱電機ビルテクノサービス。以来、東京タワーの展望用エレベーターや横浜ランドマークタワーの高速エレベーターなど、日本を代表するビル設備のメンテナンスを手掛けてきました。現在は「トータルビル管理サービス」「ビル診断・コンサルティング」「総合リニューアル」を3つの柱とし、これらを有機的に連動させた「トータルビルシステム事業」を提供しています。

これらの業務を支えているのが、現場で働くフィールドエンジニアです。エレベーターやエスカレーターは機種ごとに構造が異なり、機器に合わせたメンテナンス技術が求められます。このような状況に対応できるフィールドエンジニアを育成するため、同社では東京都小平市に各種研修棟、宿泊施設、体育館、グラウンドを備えた教育センターを持ち、自社及び協力会社の社員あわせて年間延べ約7,500名に研修を実施しています。

従来は、研修の受講者募集、受講者申請、受講通知、開催案内、修了評価などはExcelや紙の書類で管理していました。研修を運営する人材開発センターと、全国の支社・支店の教育担当者とはメール、FAX、社内便などでやり取りしており、研修情報の管理は双方の負担となっていました。一方、研修の受講者数は事業の成長に伴う採用拡大もあり、過去10年間で3倍近くに増加しています。人材開発センター 副センター長 (兼)企画グループマネジャーの村井芳和氏は「開催研修の増加、多様化、教材拡充、宿泊・食事手配の複雑化等により更なる業務効率化が必要となりました」と語ります。

教育センターの施設管理に必要な教室や研修教材のスケジュール管理、受講者の宿泊・食事の手配管理は2006年にMDISの支援を受けて独自のシステムを開発し、10年以上にわたって運用してきました。このシステムが2016年度末にハードウエア保守期限を迎えることから、リプレースを検討。これを機会に研修管理に関わるすべての業務と施設管理に関わるすべての業務を統合した「研修運営サポートシステム(Toss:Training operation support system)」を企画しました。

小さな改善を繰り返しシステムの完成度を向上

Tossの構築に際しては複数のベンダーに提案を依頼し、内容を吟味した中からMDISを選定しました。「以前の施設管理システムを手掛けた実績と当社の業務システム全般に精通しているノウハウを評価し、MDISにお願いするのがベストと判断しました」と村井氏は振り返ります。

プロジェクトは基本構想や基本設計、機能検討などを経て2016年4月からスタート。システム対象が研修運営業務から施設利用関連業務まで広範囲に及ぶため、支社・支店で使ってもらえる機能を優先して開発することとし受講者募集、受講者申請、受講通知などの機能と教室・教材スケジュール管理や宿泊・食事スケジュール管理の機能から着手、後から研修計画の作成支援、履修歴登録、修了評価などの機能を追加していきました。

「一連の運営手順が網羅できるように基本的な管理システムを稼働させ、まずは当社のユーザーに解放し、徐々に機能を追加しながら協力会社にも利用を広げていきました。その結果、ユーザーの生の意見も参考にでき、小さな改善を繰り返しながら完成度を高めることができました」(村井氏)

プロジェクトチームは、企画グループ、研修を運営するグループの担当者、事務業務を担当する委託会社に加え、本社の情報システム部門にも支援を要請して構成。各々の要望を整理しながら開発していきました。人事システムとの連携も必要となるため、データ連携にも細心の注意を払いました。

情報のリアルタイム共有により研修管理業務を効率化

Tossの稼働により、同社の研修管理業務は大きく進化しました。まず、人材育成の面では受講内容や過去の履歴をシステム上で一元管理が可能となり、支社・支店の教育担当者は、フィールドエンジニアに対して的確な教育が実施できるようになりました。首都圏第二支社 立川支店 品質保証課 課長の矢島有司氏は次のように語ります。

「従来は紙の書類で管理していたので受講内容、受講状況を確認するのに時間を要しました。現在はシステム上で検索ができるので、フィールドエンジニアの技術の棚卸も簡単で、的確な指導ができます。受講後の評価実績も、修了した直後から講師のコメントや評価点数が参照でき、それを基にOJT教育を強化したり、現場の経験を増やしたりといったフォローができます」

受講申請や、教育センターの施設・教材の予約もシステム上で完結するため、教育担当者の負担は軽減されています。受講者が受講前の事前学習を未実施の場合には、学習を促すことも可能です。また、研修受講スケジュールは、現場での作業計画を立てる「編成表作成支援システム」にも連携しているため、受講計画もれもなくなりました。

研修のスケジュールや受講内容は、受講者自身も閲覧が可能で、事務所のPCまたは会社支給のスマートフォンで確認することができます。

教育センターの運用面でもExcelファイルや書類による管理がなくなり、業務の負担は大幅に軽減されています。人材開発センター 企画グループの先崎俊裕氏は次のように話します。

「宿泊費や食事代の給与控除についてもTOSSからのデータで処理するため、金額の誤りなどのリスクがなくなりました。支社・支店、協力会社から寄せられる受講申請の調整や管理もすべてシステム上で完結し、履歴も簡単に追うことができるため、研修管理者の物理的・精神的負担も軽減されています」

ユーザーの改善要望を反映させより使いやすいシステムに進化へ

Tossは2019年4月にフル稼働を迎えました。今後もユーザーの要望を適宜反映させながら、より使いやすいシステムに改善していく予定です。システム内に蓄積されていくデータを活かすためにBIツールを導入し、各種の指標データを分析しながら今後の研修に反映させていく取り組みも進めています。

「当社は昇降機のリニューアル工事に対応するため、研修棟『練』を建設。2019年6月より運用開始し、リニューアル工事の据付技術者と現場代理人への研修を予定しています。益々多様化していく研修業務を支援するため、今後もMDISとともにTossの強化を進めていきます」(村井氏)三菱電機ビルテクノサービスは、幅広い知識と高い技術を持つプロフェッショナルな人材育成を通して、お客様に「安心・安全」を提供していきます。

システム構成イメージ

システム構成イメージ

三菱電機ビルテクノサービス株式会社

所在地 東京都荒川区荒川7-19-1

設立 1954年

https://www.meltec.co.jp/