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制御機器やヘルスケアなど、多岐にわたる事業を展開するオムロン株式会社は、2030 年を見据えた長期ビジョン「Shaping the Future 2030」のもと、SAPS/4HANAを中心としたグローバルシステムの統合プロジェクトを推進しています。このプロジェクトにおいて、同社は、SAPシステムへの一括データ登録・移行ツールとして三菱電機デジタルイノベーション株式会社の「MALSY(マルシー)」を採用しました。さらに、オプション製品の「MALSY Webサービス」と「MALSYfor IoT」を活用し、ワークフローシステムと連携したデータ一括登録の仕組みを構築。これにより、ガバナンスの確保とデータ入力の効率化が実現しています。

グローバルビジネスプロセス&IT革新本部 コーポレートシステムPJ グローバル統括センタ
ITアーキテクチャ統括部長 経営基幹職 岡田 信彦氏(左)、
ITアーキテクチャ統括部 ERP基盤課 新井 章太氏(右)

SAP S/4HANAのアドオン開発を省き
疎結合で連携するデータ登録ツールを検討

制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品、データソリューションの5つの事業を展開するオムロン。現在、グループの持続的成長に向けて、データに基づいて意思決定を行う経営への進化を目的とする「コーポレートシステムプロジェクト(CSPJ)」に取り組んでいます。CSPJは、経営とITが一体となったプロジェクトで、業務プロセス改革、ガバナンス、人材マネジメント、IT基盤、ERP(SAP S/4HANA)、データ活用基盤などテーマは多岐にわたります。

CSPJにおいて、SAP S/4HANA の基盤領域を担当する部門が、グローバルビジネスプロセス&IT革新本部コーポレートシステムPJグローバル統括センタ ITアーキテクチャ統括部です。部長の岡田信彦氏は、CSPJに取り組む狙いについて、次のように語ります。

「これまで事業やエリアごとに個別最適でシステムを構築してきた当社にとって、グローバルでの基盤統一が課題でした。そこで、業務プロセスを含む経営基盤をSAP S/4HANAに統合し、クラウド化することで、グローバル全体の最適化を目指すことにしました」

SAP S/4HANAの導入を進めるにあたり、課題となったのがSAP S/4HANAへのデータ登録でした。同社では、会計データやマスターデータなど、大量のデータを一括で登録する業務が日常的に発生します。しかし、SAPS/4HANAの標準機能では対応が難しいことから、データ登録ツールの導入を検討しました。

「SAP S/4HANAのグローバル導入では、業務のやり方をシステムの標準機能に合わせる方針を徹底しています。しかし、データの一括登録機能については業務部門から強い要望があり、どうしても外せません。そこで、SAPS/4HANAにアドオン開発するのではなく、疎結合で連携できるデータ登録ツールを導入することにしました」(岡田氏)

オプションのMALSY for IoTでワークフローシステムと連携

データ登録ツールの導入に際し、オムロンが必須要件としたのがワークフローシステムとの連携です。

ガバナンスの観点からワークフローによる承認を経たうえで、データを一括登録する仕組みが必要でした。要件に見合うツールを検討した中、同社が採用したのが三菱電機デジタルイノベーションの「MALSY」と、オプション製品の「MALSY Webサービス」「MALSYfor IoT」です。

2023年2月から7月にかけて、試使用版を約10名の業務ユーザーが利用し、様々な側面から機能を検証したうえで採用を決定しました。グローバルビジネスプロセス&IT革新本部 コーポレートシステムPJ グローバル統括センタ ITアーキテクチャ統括部 ERP基盤課の新井章太氏は、採用の決め手を次のように語ります。

「三菱電機デジタルイノベーションから、MALSYとオプション製品の活用でワークフローと連携ができると提案を受けました。データ登録の効率性を重視する中、ユーザーインターフェースが他社製品より優れている点や、アドオンなしで導入できる点を評価しました」

MALSYの導入は2024年9月から12月にかけて実施しました。現在は、MALSYを活用した旧システムからSAP S/4HANAへのデータ移行と、業務部門向けのデータ登録トレーニングを実施しています。今後は、2026年4月より国内の事業部門において、SAP S/4HANAおよびMALSYを本格的に活用する予定です。

MALSYの導入は、ITアーキテクチャ統括部のERP基盤課が担当しました。

「SaaS型のワークフローシステムと、MALSY for IoT、MALSY Webサービス、SAP S/4HANAとのシステム間連携は、Webでの情報が限られていましたが、エラー時の対応やシステム間連携時の問題の切り分けなどで三菱電機デジタルイノベーションから随時サポートをいただき、計画通りに導入することができました」(新井氏)

将来に向けた内部統制への対応やガバナンスの強化が実現

オムロンでは、MALSYファイル(Excelファイル)を作成するためのMALSYーi/rのライセンスを60ライセンス導入済みです。一部の部門はデータ移行で利用しおり、テストフェーズでは、40万件のデータを用いて移行リハーサルを実施しています。SAP S/4HANAのリリース後は、会計部門の担当者を中心に、生産部門、購買部門、販売部門の担当者によるデータ登録に利用する予定です。

データ登録の流れは次のとおりです。まず、登録担当者(申請者)がデータを入力してMALSYファイルを作成し、ワークフロー上で申請します。承認されるとMALSYファイルがデータフォルダ(アップロードファイル格納フォルダ)に格納されてワークフローが終了。同時にジョブ管理システムがMALSY for IoTを起動し、データフォルダに格納されているMALSYファイルをMALSY Webサービスを介してSAPS/4HANAに登録します。登録結果(処理通知結果)はログフォルダに格納し、同時に申請者に結果をメール送信してジョブは終了です。

「MALSYはバックグラウンドで動いているので、登録者はExcelファイルを作成して申請するだけで、意識することなくSAP S/4HANAへのデータ登録が完了します。管理者も、コントロールファイルを定義するだけでフォルダの移動先などの指定ができるので、運用のしやすさを感じています」(新井氏)

ワークフローとの連携やログファイルの保存などにより、将来に向けた内部統制への対応やガバナンスの強化が実現できました。システム面においても、SAP S/4HANAとの疎結合や、MALSY独自の仕組みにより、SAP S/4HANAのアップグレードにも容易に追随できるようになりました。

「インターネットとブラウザーを介してどこからでも操作できるMALSY WebサービスとMALSY for IoTは将来性の高いツールです。アップグレードコストを限りなく抑えられる点で大きな効果が得られると期待しています」(岡田氏)

システム構成イメージ

グローバル展開での活用やライセンスの追加購入を検討

CSPJにおけるSAP S/4HANAの導入プロジェクトは、欧州でも並行して進められています。その後も主要拠点であるアメリカ、中国、韓国、シンガポールに順次展開しながら、2029年度までに導入を終える計画です。SAP S/4HANAのグローバル展開においても、現地の業務ユーザーの要望に応じてMALSYおよびMALSYWebサービスとMALSY for IoTによるワークフローの仕組みを導入していく考えです。

先行導入した国内については、MALSYユーザーのさらなる拡大を見据えて、ライセンスの追加を検討しています。

「MALSYならコントロールファイルの作成だけで、様々な業務部門の用途に対応した一括データ登録の仕組みが簡単に作成できるので、現場からのライセンス追加要望にレスポンスよく応えることができます。活用の幅を広げるためにも、三菱電機デジタルイノベーションには引き続き技術情報の提供や、他社事例の紹介などの支援を期待しています」(新井氏)

「われわれの働きで、われわれの生活を向上し、よりよい社会をつくりましょう」を社憲に掲げるオムロンは、事業を通じて社会的課題を解決することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

  • SAPデータ 登録ツール「MALSY」

    MALSY(マルシー)は、SAPシステムのデータをExcelから直接、登録・更新・検索できる、S/4HANA対応のデータ登録・移行ツールです。SAPの画面操作を記録することでデータ登録用のExcelワークシートを自動生成し、アドオンを代替します。データ移行から日常業務まで、SAPシステムの運用を強力に支援します。アドオン開発を90%削減した実績もあります。試使用版で優れた操作性をお確かめください。

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オムロン株式会社

所在地 京都市下京区塩小路通堀川東入

創業 1933年

https://www.omron.com/jp/ja/