SAP S/4HANAの導入を進めるにあたり、課題となったのがSAP S/4HANAへのデータ登録でした。同社では、会計データやマスターデータなど、大量のデータを一括で登録する業務が日常的に発生します。しかし、SAPS/4HANAの標準機能では対応が難しいことから、データ登録ツールの導入を検討しました。
「SaaS型のワークフローシステムと、MALSY for IoT、MALSY Webサービス、SAP S/4HANAとのシステム間連携は、Webでの情報が限られていましたが、エラー時の対応やシステム間連携時の問題の切り分けなどで三菱電機デジタルイノベーションから随時サポートをいただき、計画通りに導入することができました」(新井氏)
データ登録の流れは次のとおりです。まず、登録担当者(申請者)がデータを入力してMALSYファイルを作成し、ワークフロー上で申請します。承認されるとMALSYファイルがデータフォルダ(アップロードファイル格納フォルダ)に格納されてワークフローが終了。同時にジョブ管理システムがMALSY for IoTを起動し、データフォルダに格納されているMALSYファイルをMALSY Webサービスを介してSAPS/4HANAに登録します。登録結果(処理通知結果)はログフォルダに格納し、同時に申請者に結果をメール送信してジョブは終了です。
「インターネットとブラウザーを介してどこからでも操作できるMALSY WebサービスとMALSY for IoTは将来性の高いツールです。アップグレードコストを限りなく抑えられる点で大きな効果が得られると期待しています」(岡田氏)
システム構成イメージ
グローバル展開での活用やライセンスの追加購入を検討
CSPJにおけるSAP S/4HANAの導入プロジェクトは、欧州でも並行して進められています。その後も主要拠点であるアメリカ、中国、韓国、シンガポールに順次展開しながら、2029年度までに導入を終える計画です。SAP S/4HANAのグローバル展開においても、現地の業務ユーザーの要望に応じてMALSYおよびMALSYWebサービスとMALSY for IoTによるワークフローの仕組みを導入していく考えです。