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  3. 映像解析ソリューション"kizkia"

監視カメラは、主に防犯の用途に利用されていますが、東京2020オリンピック・パラリンピックや超高齢化社会に向けてサポートが必要な人のおもてなしへの活用についても注目を集めています。こうしたニーズに応えるため、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)はAI技術を活用した映像解析ソリューション"kizkia(きづきあ)"を開発し、カメラ映像からリアルタイムにヒト・モノ・コトを検知することを可能にしました。今まで人だけでは確認できなかった事象の発見により、安心・安全に暮らせる社会の実現に貢献します。

(左)産業・サービス事業本部 産業第二事業部 営業第二部 第一課 課長代理 サーティファイド・プロフェッショナル 鈴木 宏則 氏(右)産業第二事業部 システム第三部 第二課 菊池 領 氏

(左)産業・サービス事業本部 産業第二事業部 営業第二部 第一課 課長代理 サーティファイド・プロフェッショナル 鈴木 宏則 氏
(右)産業第二事業部 システム第三部 第二課 菊池 領 氏

MDISと三菱電機の研究所が共同で開発

MDISが映像解析に取り組むようになった背景には、システム構築に強みを持つサービスインテグレーターのノウハウと三菱電機が開発したAI技術との出会いがありました。産業・サービス事業本部 産業第二事業部 営業第二部 第一課 課長代理 サーティファイド・プロフェッショナルの鈴木宏則氏は「2013年に2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まったことを受けて、三菱電機の技術を外国からのお客様や観光客のおもてなしに活かしたいと考えました。常に様々な場所で目を配っていなくても、車イスの人などお手伝いが必要な人に対して積極的に支援することにつなげられないかというもので、『AIが自動的に特徴を捉えて検知する』仕組みを映像解析ソリューション"kizkia"として開発してきました」と語ります。

そうした背景のなか、お客様より監視カメラを使った人の見守り支援に関する提案依頼がありました。車イスの人や杖をついて歩いている人、ベビーカーを押している人など移動に制約がある人、あるいは体調不良や過度の飲酒によってふらついている人などを検知することで、スムーズな移動や危険回避を目的としたものです。これはまさに、映像解析の開発背景にマッチするものであったため、製品開発を加速し機能アップを重ねてきました。

映像収集やチューニングの課題を克服してAIの検知率を向上

"kizkia"の最大の特長は、三菱電機が開発したAI技術Maisart(マイサート)を搭載していることです。独自のアルゴリズムによってデータ処理や解析に要する膨大な演算量を大幅に削減します。

「映像解析を利用する場所には、大型のサーバーを設置できるスペースや電源を十分に確保できないこともあります。Maisartを搭載している"kizkia"であれば装置もコンパクトになり、様々な場所で利用することが可能になります」(鈴木氏)

"kizkia"の開発でポイントになったのが学習のための映像データの収集です。産業第二事業部 システム第三部 第二課の菊池領氏は次のように語ります。

「ディープラーニングでは、どのような映像をどれだけ用意できるかがカギとなります。例えば、車イスに乗っている人を検知するためには、様々なシチュエーションの映像を収集する必要がありますが、大量の映像を集めるのは容易ではありません。そこで実際の現場でエキストラを使って撮影したり、撮影が難しい危険なシチュエーションについては、『車イスに乗っている人の映像』と『現地映像』を合成するなどして、学習用の映像を用意しました」

ディープラーニングを使って様々な環境や場面で正しく判定するためには、チューニングも重要です。群衆の中から「杖をついている人」を検知する際、壁のつなぎ目などの縦線が人と重なって「杖をついている人」と誤認識したり、屋外では光の影響で杖の色が変わったり輪郭がぼやけたりすることで実際に「杖をついている人」を見落とすこともあります。そのため、検知しなくても良い箇所はカメラ映像にマスク処理を施すなど、お客様の要件に基づきチューニングを行います。

「実用に耐え得る汎用性の高い学習モデルを作るため、検知率を高めるのに苦労しました。数々の実証実験や導入の経験により、映像解析を実際の業務に適用するために試行錯誤を重ね、利用時の条件に適したチューニングや効果的な学習方法、検知精度向上に向けた独自のノウハウを蓄積し実用的なAIを作ってきました」(菊池氏)

病院、駅、空港などの公共施設から商業施設まで至るところで利用可能

様々な映像から、ヒト・モノ・コトを検知する"kizkia"は、病院、駅、空港などの公共施設から商業施設まで街の至るところで利用が期待されます。

「ヒト属性検知」は、公共の場所などで困っている人に対して手を差し伸べることをサポートできます。例えば、病院であれば、体調不良でうずくまっている人を検知することで院内の安全・安心の向上をサポートできます。他にも空港であれば、リアルタイムの混み具合や旅客の動線を分析することでスムーズな搭乗をサポートすることが可能になります。

一定時間以上同じ場所に置かれているモノを検知する「置き忘れ検知」は、公共施設などでの忘れ物対策や不審物の早期発見に有効です。

「モノ属性検知」を応用すれば、「特定のモノ」の「量や形状の変化」を判別することもできるため、高速道路上の障害物の検知や、製造物の異常検知に活用できるほか、トラックなど工事車両の状態を車種ごとに判定することも可能です。

また、マーケティング分野への応用も可能です。例えばお店の中の特定の売場におけるお客様の滞在時間、男女比など、ヒトにまつわる様々な属性を定量的に収集できるため、売り場の改善などに活かすことができます。

実証実験(PoC)により導入前に効果の期待値を見極める

"kizkia"の導入を成功に導くためには、期待する効果とその実用性を見極めるPoCが有効です。まず導入目的を明確にし、検知対象の実際の映像を用意して、"kizkia"が検知する様子をお客様自身の目で確認しながら体感して頂きます。

既に様々なPoCのご要望を頂いており、検討・検証を進めています。開発当初のヒトを軸にした検知要件以外にも、「建設現場における特殊車両の識別や台数確認による工程管理」「製造ラインにおける製造物の異常判定」など、モノを軸にしたPoCのお問い合わせや依頼もあります。MDISはこうしたPoCを通じて、お客様の業務への実用的なAIの導入をサポートしています。

「PoCはあくまでも期待した結果が得られるかを確認するためのものです。そのためには、まず"kizkia"に何を求めるのか、期待する効果は何かをお客様と共有することが重要です」(鈴木氏)

今後も新しい技術を取り込み、検知機能の改善、精度向上を図りながら、より汎用性の高い学習モデルを作って、多くの用途で利用できるソリューションへと進化させることを目指しています。

将来的にはカメラ以外の映像データやテキストデータに加えて、音・匂い等の各種センサー情報など、様々なデータを解析し連携させることによって利用シーンの拡大が期待されています。鈴木氏は「今後もお客様との対話を通して、"kizkia"の可能性を広げていきます」と語ります。

人が見ているだけでは気づかなかったことを、見えるカタチにする"kizkia"

人が見ているだけでは気づかなかったことを、見えるカタチにする"kizkia"
  • Maisart:Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technologyの略。全ての機器をより賢くすることを目指した三菱電機のAI技術ブランド。
  • 「Maisart」は三菱電機株式会社の登録商標です。
  • "kizkia"は三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社の登録商標です。
  • 映像解析ソリューション kizkia

    映像解析ソリューション kizkia

    kizkiaは、様々な映像から、私たちがみつけたいヒト・モノ・コトをリアルタイムにみつけ出す、AIを使った映像解析ソリューションです。
    人が見ているだけでは気づかなかったことへの対応や未来予測の支援を可能にします。

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