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CEATEC 2020 ONLINE

MOBILITY / Cooperative AI for Human-Machine Work

省人化・省力化を支援し、New Normal社会の作業環境を構築人と協調するAI

「逆強化学習」と機器制御技術の融合で、
人が操作するような自然な動きを実現

AIによる機械の知能化が近年、急速に進んでいます。少子高齢化による人手不足に加え、New Normal社会では接触リスク軽減のために省人化・省力化が求められており、生産・物流現場における無人搬送車 (AGV) 導入など、人と機械が混在する作業環境が増加しています。いま様々な分野の現場で、人と機械が協調し、いかに効率的に作業を進めるかが、大きな課題となっています。

そこで今回、三菱電機独自のAI技術「Maisart®(マイサート)」のひとつである「逆強化学習」により、機械が人の操作を模倣することで、人と機械の協調を実現する「人と協調する AI」を開発しました。

特長

「逆強化学習」は、収集したデータから人が行う操作そのものを学ぶ従来の学習とは異なり、収集したデータにはなかった操作であっても、シミュレーターで試行錯誤しながら最適な操作を自ら考え・学ぶAI技術です。「人と協調する AI」では「道を譲る」「周囲の人に注意して徐行する」などの人が行う協調動作の操作データを「逆強化学習」で模倣することで、従来の学習方式の1/10以下※1という少ない学習データ量で人が操作しているかのような自然な動作を実現します。

この「逆強化学習」と当社が培ってきた機器の制御技術を融合することで、あたかも人が操作しているかのような自然な機械動作の模倣を実現。人と機械が混在する代表的な作業環境での実験で作業効率が従来に比べて30%向上※1することを確認しました。

生産・物流の現場にとどまらず、当社ではこの技術を自動運転に適用するなど、より広い分野でNew Normal社会に貢献できるよう技術開発を推進していきます。

※1 シミュレーターによる代表的な評価課題、作業環境での実験結果。

セミナー情報

「三菱電機のAI技術Maisart®(マイサート)」についてのセミナー動画をご覧になれます。最新AI技術のトピックスや、 「Maisart®」の特長などを紹介します。尚、セミナー動画の視聴には、フォームへの登録が必要です。

講師

三菱電機株式会社 情報技術総合研究所

副所長 メディアインテリジェンス技術部門統括

工学博士

三嶋 英俊

よくあるご質問

Q1
開発の背景を教えてください。
様々な業界で機械による自動化が進み、人と機械が混在する環境特有の課題が発生しています。現状は、生産・物流現場におけるAGV(無人搬送車)などは、低速で運行させることで作業干渉を防ぐ、もしくは周辺に障害物があれば即座に止まるだけといった機能に留められています。そのため、自動制御された機械と人が混在する作業環境では、機械が人の予測しづらい動きをすることでお見合い状態になるなど、機械と人との協調動作が成立しづらいという課題があります。今後、AGVの導入が盛んに行われるようになると、周辺作業者も含めた作業効率の向上や使い勝手の向上が市場側から多数あがることが予想されています。一方、自動車業界では、近年盛んに研究されている自動運転車両において、従来はドライバーが他の交通参加者との協調によって走行していた部分の自動化が課題のひとつと考えられており、例えば合流や追い越しシーンにおいて、車車間通信やAIを用いて協調を実現する研究が行われています。
Q2
この技術はどういった分野への適用を見込んでいますか?
人と機械が混在する環境への適用、例えば生産・物流現場におけるAGV(無人搬送車)などへの適用を想定しています。また、将来的には自動運転分野への適用も考えています。
Q3
実用化に向けた具体的な課題を教えてください。
適用事業の見極めが重要な課題です。また、本技術の実環境下での性能評価や、AI搭載によるコスト増と改善効果の評価、AI特有の品質・安全性保証問題なども課題であると考えています。さらに、AIの演算量・電力消費量も課題ですので、Maisart®(マイサート)のコンパクト化技術と製造業としてのドメイン知識を活用して、エッジ搭載の検討を進めます。
Q4
開発成果が実用化されると、一般市民の生活や仕事は変わりますか?また、どのようなメリットがありますか?
今後自動化が進むにつれ、これまで人と人との間では成立していた協調動作が人と機械との間では成立せず、自動化したものの効率が思うように上がらない、もしくは新たな問題が生じる、といった様々な問題が発生する可能性があると考えています。本技術は上記問題を解決し、より一層効率的で安全な作業環境の実現に貢献します。また、人同士の一定の距離確保が求められるNew Normal社会にも貢献します。
Q5
逆強化学習は独自の技術ですか?
いいえ。逆強化学習自体は一般的な技術です。当社独自技術は、その逆強化学習に、当社が培ってきた制御技術などを融合し、人が操作するような自然な動作を実現しました。
Q6
今回の開発ではどのようにデータを収集したのでしょうか?また、実運用においてはどのように模倣用のデータを収集するのでしょうか?
現在は基礎研究段階ですので、シミュレータ上でデータ収集を行っています。今後、例えば本発表で使用したAGVですと、有人搬送車やフォークリフトなどAI適用対象と似た走行を行う実車でデータを収集する方法が考えられます。
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