登録のポイント

 1975年当時、日本の住宅様式は、日本家屋から気密性の高い洋式住宅への移行期で、エアコンの需要も高まっていました。室内の設置スペースが限られる中、奥行30cmクラスの壁掛けエアコンが主流でしたが、当社の「薄型エアコン霧ヶ峰MS-22RJ」は、設置面の断熱材を不要とし、新たに開発した熱交換器アルミフィンへの親水処理の技術により、奥行き17cmの革新的な薄さを実現し、国内におけるエアコンの普及に貢献した点が評価されました。

<エアコン設置面の断熱材不要構造の採用>
当時の壁掛けエアコンは、壁面を痛める結露防止のため、背面部に断熱材を張ることが一般的でしたが、本製品は、エアコンによって発生する露をすべて室内機の中に溜め、ドレン水として外へ流す構造を開発し、設置面の断熱材を不要としたことで、薄型化を実現しました。

<熱交換器に親水性フィンを採用>
当時のエアコンは、熱交換器の撥水処理を行っており、薄型化のためには熱交換器のフィンの間隔を狭める必要がありましたが、間隔が狭まるとフィンの間に水滴が溜まり、風量が落ちるという課題がありました。
本製品は、親水性のアルミフィンを採用することで水滴の流れが良くなり、必要な風量を確保しながらフィンの間隔を狭めることで薄型化を実現しました。

重要科学技術史資料(未来技術遺産)について

 重要科学技術史資料(未来技術遺産)は、独立行政法人国立科学博物館(産業技術史資料情報センター)が、「科学技術の発達上重要な成果を示すとともに次世代に継承していくうえで重要な意義を持つもの」あるいは「国民生活、経済、社会、文化のあり方に顕著な影響を与えたもの」のいずれかに該当する資料を選定し、「重要科学技術史資料登録台帳」に登録し保存を図るもので、2008年度から登録が行なわれています。
 当社では、2018年度の「壁掛セパレート型エアコン霧ヶ峰MS-22SA」に続き、2件目の登録です。

商標関連

「霧ヶ峰」は三菱電機株式会社の登録商標です。

お問い合わせ先

三菱電機株式会社 静岡製作所 ルームエアコン製造部 技術第一課
〒422-8528 静岡県静岡市駿河区小鹿三丁目18番1号
TEL: 054-287-3095