2026.06.18
挑戦の日々を生きる
三菱電機アスリートたちの
思考とリアル
「Changes for the Better」―常により良いものを目指し、変革し続ける。
その姿勢を大切にしている三菱電機。
当社アスリートたちもまた、スポーツに取り組む中で、目標を掲げ、失敗も財産に変えながら挑戦を重ねている。
挑戦の日々を生きる当社アスリートたちはどのように思考し、行動しているのか。
そのリアルに迫った。
目次
フェンシング・フルーレ
宮脇 花綸
ゴルフ
稲垣 那奈子
アーチェリー・
リカーブ
上山 友裕
フェンシング・エペ
中島 恒
ゴルフ
吉澤 柚月
トランポリン
土井畑 知里
正しい目標なんてない―当社アスリートたちの「自分に合った戦い方」
目標は細かく立てるべきなのか、それとも大きな軸だけでいいのか。当社アスリートたちの考え方は、意外にも各人各様だ。
―目標を立てるとき、大切にしていることを教えてください。
稲垣:目標設定は、「自己分析をいかに正しくできるか」が勝負だと思っています。ゴルフでは毎試合のスタッツ(成績データ)が記録されていて、ドライバーの飛距離やグリーンに乗ったかどうかなどを数字で確認できます。それを毎試合チェックして、今一番悪いところだけにフォーカスして練習します。全部を平均的にやるよりも、課題を一つに絞る。そのためにも「今の自分の課題」を正確に把握しておくことが、目標設定の第一歩なんです。
中島:逆に僕は、普段あまり目標設定をしません。考えるとしたら、競技を続けるかどうか迷ったときや、フェンシングに専念するかどうかを決めるときのような、人生の節目のタイミングだけですね。「自分の選んだ人生、後悔のないように全力で取り組もう」という大きな軸さえ決まれば、あとは目の前の試合、目の前の相手、目の前の一本に集中します。数字の目標を細かく立てるよりも、それが自分には合っているんです。
上山:僕は長期的な「夢」から逆算して「目標」を置くようにしています。今の夢は世界最高峰の国際大会でのメダル獲得。そのために場数が必要なので、「世界選手権に出場する」といった目標に落としていきます。「世界選手権で優勝」といった細かい成果目標はあまり立てません。目の前の一試合を積み重ねることで、自然と夢につながっているイメージですね。
自己分析し、課題を1つに絞る稲垣。大きな軸だけを持ち、目の前に集中する中島。夢から逆算し、着実に積み上げる上山。同じ「目標設定」というテーマでも、その形は一つではない。それぞれが自分に最もフィットする方法を選び取っていることこそ、結果を出し続ける理由なのかもしれない。
失敗・挫折との向き合い方―当社アスリートたちの「思考回路」
勝負の世界では失敗や挫折は誰にでも訪れる。しかし、そのときにどう心を立て直し、次に踏み出すかでその後の結果は大きく変わる。当社アスリートたちは、一瞬のミスから人生レベルの挫折までどのように思考を整理し、前に進んできたのか。そのプロセスに迫った。
―これまでに印象的だった失敗と、そのとき感じたことを教えてください。
宮脇:フェンシングは4年に1度の大きな国際大会が目標になります。そこに2回落選したときは本当に「宮脇花綸という人生をもうやめたい」と思うくらい落ち込みました。いっそ知らない街に行ってしまおうかな、とまで考えたこともあります。でもそういうときに気を付けているのは「ネガティブになっているときの判断は当てにならない」ということです。元気だったときの自分が「次の大会を目指そう」と思っていたなら、それに従うほうがいいと考えています。
―中島選手、上山選手は、比較的すぐに失敗から切り替えることができるそうですね。どのように切り替えるのですか?
中島:「負けに不思議の負けなし」という言葉が好きで。相手のせいにするのではなく、自分のミスや足りなかったところを振り返るようにしています。失敗は結果として受け止めて、「そこから何を学べたか」に意識を向け、未来の自分を形成する一つの要素として取り込んでいくのです。
上山:アーチェリーは一つの試合で72本撃つのですが、真ん中の10点に入るのは3〜4本に1本くらい。だから1本外れてもすぐ「なぜ今ここに当たったのか」を分析して次の射に生かします。試合全体がうまくいかなかったときは「あー、やってもうたな」と思うこともありますが、終わったらもうリフレッシュするだけですね。友人とゲームをして遊んでいます。
失敗や挫折を深く受け止める人もいれば、すぐに切り替えて前に進む人もいる。各々に違いはあっても、共通しているのは、ネガティブな気持ちにとらわれすぎず、自分なりに振り返り、次にどう生かすかを考えて失敗も財産に変えていることだ。―それが当社アスリートたちの強さの秘密である。
心と体を整える―当社アスリートたちの「ルーティン」
試合の結果は、当日のプレーだけで決まるわけではない。試合前の心身の整え方も、結果を左右する大切な要素だ。当社アスリートたちは、どのようなルーティンで集中力を高め、心と体を準備しているのか―日常の工夫やこだわりを聞いた。
―試合前のルーティンや、心身を整えるために意識していることを聞かせてください。
宮脇:試合前日にホテルにこもってばかりではよくないので体も頭も適度に疲れさせることが大事です。体は「5,000歩以上歩いたほうがいい」と分かってきました。頭は本を読んだりして疲れさせます。あとは音楽を聴きながら剣先を分解・掃除したりして、リフレッシュします。
土井畑:私は試合が近づくと演技が頭の中でループしてしまい、興奮状態に陥って眠れなくなるタイプなのであえて競技から意識を離して別のことに集中するようにしています。部屋の掃除をしたり、交代浴をしたり、お気に入りの動画を観たりしてスイッチをオフにします。あと、当日の入場直前に同じグループの選手全員とハイタッチするのも大切なルーティンです。皆それぞれ自分の課題と向き合う同志として、お互いの健闘を祈ります。
吉澤:私はゴルフ漫画を読むのがルーティンになっています。読んでいてワクワクもできるし、技術やメンタルの面でも勉強になります。マスターズを舞台にした漫画などそれぞれ主人公に自分を重ねながら「こういうゴルフをしたいな」と夢を持って眠れるのが心地良いです。
試合前の準備は、体を整えるだけでなく心を整えることも含まれる。歩くことで体を疲れさせたり、掃除や読書で競技以外のところに意識を向けたり―当社アスリートたちはそれぞれの方法で自分に合ったルーティンを築き上げている。試合で実力を発揮する裏側にはこうした日常の小さな工夫と積み重ねもあるのだ。
最後に:挑戦を後押しするメッセージ
挑戦したい気持ちはあっても、一歩を踏み出すのは簡単ではない。当社アスリートたちは、恐怖や迷いとどう向き合い、行動に移してきたのか。その経験と考え方を聞いた。
―挑戦したいけれどなかなか踏み出せないという人に一言お願いします。
稲垣:失敗や不安はいつか乗り越えられる可能性がありますが、挑戦しなかった後悔はその後の人生にずっとついて回ります。私自身、人生の岐路で周りからいろいろな声をもらいながらその都度自分がやりたい方向に踏み出してきました。決断できるのはその瞬間しかないこともあるので、ぜひその勇気を大切にしてほしいと思います。
土井畑:私は10年以上挑戦し続けているにもかかわらず怖さを感じ、できたりできなかったりする技があります。カナダで練習していたときに現地の高校生がキラキラした目で「Brave!」と応援してくれました。躊躇していた私は、期待に応えないわけにはいかないと追い詰められて、一歩踏み出すことができました。時には周りに頼ってやってみる。その結果自分がどう感じるかを大切にしています。
吉澤:私はゴルフが好きで始めたわけではありませんでしたが、父に連れられてゴルフを始めることになりました。高校生の時にアマチュアとして出場したプロの試合で、たまたま渋野日向子さんと同じ組になったとき、観客でいっぱいの雰囲気にワクワクして、それがプロを目指すきっかけになりました。やってみないとわからないことってあるんですよね。
挑戦には恐怖や不安がつきものだ。それでも、踏み出さなかった後悔はずっと心に残る。
迷いながらも一歩を踏み出す。その勇気が成長を生み、未来を切り開くのだろう。
目標の立て方も、失敗との向き合い方も、正解は一つではない。それでも全員に共通していたのは、「自分を信じて、失敗も財産に変えながら、挑戦し続ける強さ」である。
当社アスリートたちの言葉が、皆さんの挑戦の力になることを願っている。
* 掲載されている情報は、2026年6月時点のものです。