2026.02.16

三菱電機×FC今治高校 里山校
キャリア探求プログラム

未来のリーダーたちが、宇宙研究とモノづくりの最前線で見つけたものとは。

もしも月面にいる友だちに電話をかけたら、どんな課題があるだろう。私たちの生活を支える人工衛星やロボットはどんなふうに作られているんだろう。そんな疑問の答えを探るべく、未来のリーダーたちが三菱電機にやってきました。
三菱電機は、愛媛県今治市に本拠地を置くプロサッカークラブ「FC今治」を運営する株式会社今治.夢スポーツと「ワクワク未来共創パートナー」としてエグゼクティブパートナー契約を結んでいます。2025年12月、理系分野に興味のある FC今治高校の1、2年生を対象としたワークショップと見学会が開催されました。宇宙研究とモノづくりの最前線に触れた2日間のイベントの様子をレポートします。

イベントに先駆けて、 FC今治高校コーチの若山さんにお話を伺いました。
「教育で何より大切なのは、子どもたちに未来を覗かせること。今回、三菱電機さんから科学技術の最先端の世界を見せてもらえることは本当に貴重な機会だと思っています。生徒たちには2日間を通じて自身の中に眠る想像力やアイディアを解き放ってもらい、吸収したことを学校での勉強や明るい未来に繋げていってほしいです」

若山さん

ショールームで学ぶ三菱電機の総合力

まず学生たちが向かったのは、三菱電機の統合デザイン研究所(以下、ID研)と、情報技術総合研究所のショールーム。社員の方から社会課題を解決するデザインや最先端の情報通信技術、さらには三菱電機がこれまで打ち上げてきた人工衛星などが紹介されました。
学生たちが特に目を輝かせていたのが、話した言葉が指でなぞった軌跡上に文字表示されるアプリ「しゃべり描きUI」。実際に社員の方が使ってみると「すごい!」と歓声が。「これなら工場で働く海外の人に具体的な指示も出せるね」といった声や「サッカー選手同士のコミュニケーションにも使えそう」といった新たなアイディアも飛び出しました。

月・地球間の“遅延”を乗り越えよ!

次に学生たちが参加したのは、ID研のメンバーが企画した『宇宙飛行士選抜体験ワークショップ』。今回のテーマは月と地球の間で通話する際に発生する“遅延”です。まず学生たちは「地球の部屋」と「月の部屋」に別れ、社内チーム「Ticket for LunaCity®」が開発した月・地球間の往復10秒の通信遅延を再現するツールを使って月面にいる相手とのコミュニケーションを疑似体験。会話だけでなく、じゃんけんやあっち向いてホイなどをしながら、その不自由さを実感しました。

その後、2チームに分かれてミッションに挑戦。1つ目のミッションは、月・地球間での抽象的な図形作成ゲームです。正解となる地球側の図形を言葉だけで月側に伝達し、月にいるメンバーがパズルを完成させるまでの速さを競います。学生たちは、遅延がある中でどうすれば速く正確に情報を伝えられるか、試行錯誤を重ねていきます。見事勝利したのはAチーム。複雑な図形を2つに分解して伝え、最後に合わせるという作戦でスピードと正確さの両方を達成しました。

続いてのミッションは「英単語当てゲーム」。隠された5文字の英単語を月側と地球側で協力して解明していくゲームです。先ほどよりもさらに多くのコミュニケーションと思考量が必要となるこのミッションに、両チームとも序盤は苦戦。Aチームが先に子音を確定させる方法で進める中、Bチームはメンバー内で書記・伝達・案出し係と綿密な役割分担を行い、とにかくたくさん答える作戦に。最終的に圧倒的な量の回答数を実現させたBチームが勝利しました。

白熱した戦いが繰り広げられ、大盛り上がりとなったワークショップ。企画を行ったID研の齊川義則さん、山内貴司さんに今回の体験に込めた想いを伺いました。

「近い将来、人類が月面で生活する上で発生する様々な課題に対して、自分たちで解決するんだ!という気持ちが生まれたらと思って企画しました。ミッションの中で出た図形を分割して伝えるといったアイディアには、その手があったかと驚かされましたね。今後また人類が月面に降り立つニュースを見た時や、いつか本人たちが月に行った時に今日のことを思い出してくれたら嬉しいです」(齊川さん)

齊川さん
山内さん

「ワークショップではアイディアが出やすい環境づくりを大切にしました。楽しくワイワイやっている時ってアイディアがたくさん出たり、すぐに別のアイディアが乗っかってきたりする。そんな環境の中で課題を考える楽しさを感じてほしいです。イベントをきっかけに宇宙は身近で、自分も関わっていいところなんだと思ってもらえたら嬉しいです」(山内さん)

いざ、宇宙研究の最前線へ

盛りだくさんだった1日目のプログラムもいよいよラスト。一同は鎌倉製作所へと移動しました。社員の方から、鎌倉製作所の主な事業領域である防衛・宇宙・社会インフラに関する講義を受けた後、衛星模型が展示されているショールームの見学を行いました。

その後学生たちは工場へ移動し、人工衛星が打ち上げられてから運用を始めるまでに受ける衝撃や宇宙環境の過酷さについて説明を受けました。さらに部屋のカーテンが開くと、窓の向こうには人工衛星の製造を行う空間が広がり、宇宙の過酷な環境を再現する大型試験設備「スペースチェンバー」の姿が。普段は目にすることができない迫力ある空間、作業者が小さく見えるほど巨大な試験設備に息をのむ学生たち。目の前で行われる作業の様子に、「カッコいい!」「すごい!」と歓声が上がり、視線は釘付けになっていました。

鎌倉製作所を案内してくださった中村健人さんに、未来のリーダーたちへのメッセージを伺いました。
「鎌倉製作所では、三菱電機の宇宙事業を間近で見ていただくことで、現場の世界や働く人たちの姿勢を肌で感じてもらえればと思っていました。熱心に質問をしてくれたり、スペースチェンバーを前に喜んでくれている姿を見た時は嬉しかったですね。これからも自分が大事にしたい価値観を貫きながら、どんどん選択肢を広げていってほしいです」

中村健人

ミクロな世界に広がる大きな夢

イベント2日目、学生たちは東日本FAソリューションセンターのショールームにやってきました。はじめに社員の方から、実際に雪見だいふくの工場に導入された三菱電機のFA(ファクトリーオートメーション)の技術や、大阪・関西万博でも展示された自動農業についての解説を受けました。学生たちからは「工場全体を自動化することは可能か?」「どうやってAIに専門知識を学ばせているのか?」といった鋭い質問が相次ぎ、学びを深めていきました。
その後はいよいよ実機の見学へ。半導体チップの生産工程を模したデモンストレーションや、工場の効率化と安全性を支える様々な機械を紹介していただきました。最後に、ペンを持ったロボットがガラスにメッセージを書くというパフォーマンスが披露されると、大きな歓声と拍手が。もっと知りたい!という学生たちの熱量と余韻が残る中、2日間のイベントが幕を閉じました。

安部潤一郎

東日本FAソリューションセンターを案内してくださった安部潤一郎さんにお話を伺いました。
「宇宙もモノづくりも夢を持てる業界です。宇宙は広大ですが、モノづくりはミクロで細かい世界を突き詰めることができる。学生たちにはぜひ工場にたくさん足を運んでほしいですね。この世界は現場が何より楽しいもの。実際に自分で触れる中で、モノづくりの難しさと楽しさの両方を体感してもらえたらと思います」

新たな扉が開いた2日間

2日間のイベントを通じて、三菱電機の幅広い事業を見学し、宇宙研究とモノづくりの最先端に触れた学生たち。今回感じたことや、未来への想いについて伺いました。

ワークショップが最も楽しかったという学生は「音や映像の遅れがある中で、どんなアイディアや技術を使って課題を解決できるか考えるのがすごく楽しかった。ミッションを通じて、分からない時はトライアンドエラーを繰り返してみる重要性を学ぶことができた。これからもいろんな世界の現場に足を運んで、そこで働いている方から知識やモノの見方を学んでみたい」と熱く語ってくれました。

機械工学に興味があるという学生は「目の前で人工衛星の製造現場を見ることができて、とてもワクワクした。イベントに参加する前はもっと機械的な作業が多いものだと思っていたが、想像以上に人の手で作られていることを知ってロマンを感じた。今後は宇宙や人工衛星についてももっと勉強してみたい」と意欲をのぞかせました。

将来は教育分野に携わりたいという学生は「もともと機械や自動化の技術に興味はあったが、初めて目の前で見ることができて技術の高さを実感することができた。2日間を通じて「楽しい」や「大好き」と感じた瞬間がたくさんあった。今回自分の中に芽生えた感情を、将来は子どもたちに提供できるようになりたい」と叶えたい夢を教えてくれました。

三菱電機の多様な事業領域の見学や社員の方々との交流を通じて、それぞれの視点で新たな発見や学びを得た学生たち。次世代を担うリーダーたちがこれから踏み出す、新たな一歩や挑戦がとても楽しみです。

制作: Our Stories編集チーム

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