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2023.12.08

CEATEC 2023への出展は三菱電機に何をもたらすのか

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CEATEC 2023への出展は三菱電機に何をもたらすのか CEATEC 2023への出展は三菱電機に何をもたらすのか

2023年10月17~20日に渡り、幕張メッセで開催された「CEATEC 2023(シーテック 2023)」。コンセプトを「Toward Society 5.0」と掲げ、その実は“経済発展と社会課題の解決を両立する「Society 5.0」の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、「共創」によって未来を描く”ための展示が行われた。三菱電機は、経営戦略にも掲げている「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」に変革し、最先端技術・統合ソリューションなど幅広い技術や共創により、サステナブルな社会の実現に貢献する姿を訴求することをコンセプトに出展し、様々な製品やサービス、技術を披露した。社内事務局の三菱電機宣伝部CXコミュニケーショングループの駒田彬さん、社内実行委員として尽力した三菱電機開発本部開発業務部開発広報戦略グループの小野良樹さん、三菱電機自動車機器事業本部自動車機器事業部自動車機器計画部広報グループの仲栄康至さんの3名に今回の出展を振り返ってもらいながら、このイベントにかけた思いや出展したことで生まれる成果についてお話を伺った。

サステナビリティを体験する展示

CEATEC 2023の三菱電機ブース

ー 「CEATEC 2023」(以下CEATEC)では、「Toward Society 5.0」をコンセプトに、経済発展と社会課題の解決を両立していくことを打ち出していました。三菱電機としてはこの趣旨をどのように捉えたのでしょうか?

駒田:今回のCEATECが掲げている経済発展と社会課題の解決は、言い換えると最終的にはサステナビリティの実現に結びつくと思いました。サステナビリティの実現を経営の根幹に位置付けている三菱電機にとってCEATECは方向性が重なるものだと考えています。

ー 今回の展示では、三菱電機はサステナビリティに関連した「地球環境保全の実現」「安心・安全な社会の実現」「あらゆる人がいきいきと過ごせる社会の実現」の3つのゾーンに分けて展示されていました。実行委員としてはどのように進めて、この形に至ったのでしょうか?

仲栄:2点意識したポイントがあります。まずは今社会で起きている課題を明確にして、それに対してどうすれば解決ができるのかということをご覧頂いた方々に届けるということ。さらに、未来の姿というものをご覧頂いた方々に、月並みにはなってしまいますけど…どうやって自分ごと化してもらうのかということです。

駒田:コンセプトやテーマを、全社の様々な部門から集まったメンバーが意見を出し合い、各部門の実行委員が集まる場で説明し、合意形成を経た上で決めることで、全員が同じ方向に向かって展示会を進めていくことを欠かさないようにしてきました。私たちはCEATECを「トレードショーではなく企業展示会」として捉えています。もちろん様々な最新技術も展示していますが、三菱グループ全体がサステナビリティ実現への貢献に取組む姿勢が、最終的に表現したいことの一つでした。その具体的な形が、三菱電機はサステナビリティを実現するための循環型 デジタル・エンジニアリング企業を目指して変革していくという姿勢です。

左から仲栄康至さん、小野良樹さん、駒田彬さん

ー 会場では、スピーカーが登壇して話したり、実演型の展示があったりと、様々なサービスを目で見て、触って体験できるのが面白いと感じました。

仲栄:私が「CES」(アメリカで開催される世界最大のテクノロジー見本市)に出展した際に会場を見て感じたのは、体験型の展示や動くモノというのは、自然と来場者の目を引くんだなということです。やはり、自分自身も共感するタイミングというのは、そのモノを使っている姿を想像できたりする時で、何かしら自分と関係した瞬間に心が動くような気がしています。体験型デモを通じてですとその想像がしやすいのでしょうね。

駒田:本当にその通りで、CEATECという展示会は来場者にリアルの場で体験して頂ける、またとない機会です。ですからオンラインと差別化するという意味でも、できる限り現場で体験できる技術やサービスを優先的に選んでいきました。

小野:私が所属している開発本部は、新しい技術を研究・開発する研究所がある部門です。CEATECは、色々な技術を知っていただく場でもあるので、新しい技術をお披露目、体験するイベントとしても捉えていました。全社で決めたテーマに沿った上で、開発本部としては、情熱を持って挑戦している技術をテーマに、どんな技術を展示するか決めていきました。その結果、アバターソリューションなどの出展を決めて、それらをなるべく来場者に目で見て、体験してもらえるようにしました。

Changes for the BetterとCEATEC

ー 三菱電機は、「Changes for the Better」という姿勢を掲げています。今回のCEATECの展示には、そのコンセプトは反映されていますか?

駒田:「Changes for the Better」は三菱電機の企業姿勢です。わざわざ言葉にして議論するまではしていないのですが、CEATECの展示は、企業姿勢を体現する展示でもあるので、自然とつながっているものだと思っています。

ー 個人的な意見でも結構ですが、皆さんは今回のCEATECに対してどんな思いを抱いていましたか?

小野:研究者だった頃、同じような展示会に、製品化には程遠いような研究開発中の技術を出展したことがありましたが、そのような技術でも来場されたお客様から励ましのお言葉を頂きました。見てもらい、評価を頂き、フィードバックを得ることが研究者にとっていい経験になることを知っているので、社内の研究者たちにも体験してもらいたいし、それがモチベーションアップに繋がるのではと考えています。もちろん社内の研究者が、技術をブラッシュアップしてより良い技術を生み出す、「Changes for the Better」の精神で世の中をより良くしていきたいと考えているのも知っているので、そこで生まれた新しい技術を、CEATECに来場された方たちに実感して頂きたいとも思っています。

仲栄:出展にあたり、技術部の方々とお話するたびにいい刺激を頂きました。アイデアを生み出すためには、様々な知識や想像力を蓄積してくことが大事だとわかりましたし、こういう技術があるんだ、すごいなと純粋に驚きました。さらに自分がそんな会社に所属していると考えると、モチベーションにもなりました。もちろん社外に目を向けることも必要ですが、まずは三菱電機社内にもたくさんの技術があり、そういうものがどう展開されているのかをしっかりと理解することが第一歩として大事なのかなと。出展を通じて、他部門の技術に触れたり、話しを聞いたりできるので、社員にとってもCEATECに出展するというのは、いい機会になると感じました。

ー イベント出展までの過程で、苦労したのはどんなところでしょうか?

仲栄:サステナブルな社会と言うと、ともすればずっと使い続ける、使い回すというイメージをお持ちの方もいると思うんです。でも、いくら社会の役に立つような価値を生み出すための活動と言っても、同じことの繰り返しになると停滞してしまう。三菱電機としては「Changes for the Better」の精神に基づいて、知見やデータを使ってより新たな価値を生み出し続けるということが必要であり、いかに新しいことを目指してチャレンジしているかという姿勢を、どうしたら効果的に見せられるのかというのが難しいポイントでした。

出展することで生まれるいくつかの循環

ー 苦労した点を超えて、工夫されたのはどんなところでしょうか?

仲栄:そうですね。一つは、⾃律⾛⾏ロボットの実演です。この⾃律⾛⾏ロボットは、水平移動だけでなく、垂直方向にも移動可能という点が新しい価値として提案できたと思います。あとは、自社だけではなく、アメリカのスタートアップ企業・Cartken社と協業してサービスを展開しているという点で、自社にとどまらず、みんなを巻き込んで広範囲に及んでいる点が、広く色々な可能性を求めてチャレンジしている姿を見せることができたかなと。

駒田:今回CEATECでは、サステナビリティを実現するために共に創るという意味で「共創」を掲げており、Cartken社の技術との共創を意識した展示ができたと思います。あとは小野さんが先ほど触れた、アバターソリューションという先端技術総合研究所の展示も、周りと協力をした上での「共創」で生まれたものです。

小野:伝えたいことは本当にたくさんあるんですが、来場者の立場に立って、どれだけ直感的にわかりやすく伝えられるかを気に留めました。技術の内容も、分かりやすく伝えないといけないし、しかも来場者にとって限られた時間の中で理解できるようにするところが苦労したポイントですね。

駒田:宣伝部という立場でお話しすると、展示を全社で作り上げていくことは決して宣伝部だけではできなくて、小野さん、仲栄さんをはじめとした実行委員の皆さんに入ってもらうことで、出展物に関わる様々な社員の声を聞いてもらい、良い展示になるよう調整してもらいました。みんなの協力なくしては今回のCEATECは成り立たなかったと強く思います。仲栄さんが言っていたように、社内を見回すと様々な技術があり、人がいるように、三菱電機は様々な優れたサービスを展開し、社会貢献に繋がる技術もたくさん持っています。でも、展示を通じて認知して、理解してもらわないと広がっていかないし、その先の未来にも繋がっていかないですよね。

ー 今回の展示での経験を経て、どのような未来に進んでいきたいですか?

仲栄:今までお話したことと重複があるんですが、色々なところから知識を得て想像力を働かせて、こうなったらいいなとか、自分だったらこうするだろうなという、自分がその未来にいるようなイメージを持って仕事をしていきたいですね。というのも、新しい価値を生み出すためには、新しいことをしないといけないし、様々な価値観で考えなきゃいけないと思うので、目の前のことを淡々とやるのではなくて、もう少し目線を広げて、アンテナを張って情報や知識、体験を吸収していきたいですね。

小野:展示会場では、他社のブースも拝見していい刺激になったし、今後も三菱電機らしい見せ方を模索しつつ、我々開発本部からもより良い技術を展示できるよう、考え続けていきたいです。

駒田:お二人の話でも展示を通じて社員が刺激を受けるという話がありましたが、宣伝部としては社員に展示してよかったと思ってもらえることも念頭に置きたいですね。三菱電機は、循環型 デジタル・エンジニアリング企業を目指しているわけですが、大きな循環だけではなく、CEATECのような場所へ出展することで社員が来場者、他社、自社の他部門の社員との交流から何かを持ち帰り、またより良いサービスを作り、展示するという良い循環ができていくといいなと考えています。

掲載されている情報は、2023年10月時点のものです。

制作: Our Stories編集チーム

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