「Well-Being / 生き甲斐」イギリスに来て感じた大きな変化

2024.06.03

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世界各国にある三菱電機グループの拠点で働き、多様な文化と環境の中で生活をする従業員の方々は、どのような思いを持って日々を送っているのだろうか。今回は、三菱電機の海外OJT研修でイギリスに派遣された足立安里紗さんに、1年の研修期間での経験や感じられた思い、そしてこれからについて、ご自身の言葉で綴っていただいた。

目次

一様ではない文化に触れて

はじめまして。私は2018年に三菱電機に入社し、配属先である関西支社で2023年まで、採用、労働時間管理、労働組合との折衝および給与管理といった人事業務に携わってきました。2023年夏から、1年間の海外OJT研修に派遣されています。

海外OJT研修先であるMitsubishi Electric Europe B.V.は、欧州・中東地域20カ国に跨る当社製品の販売会社です。私はロンドンにある本社・コーポレート部門の人事として、欧州・中東地域全体にかかる人事制度企画を担当しています。

日本にいる間は関西地区に特化した業務に携わってきたこともあり、国・地域を超えて広がっている当社ビジネスのカバー範囲の広さ、影響力の大きさに改めて驚きました。また、欧州・中東地域の各国にある支店ごとに文化・背景・考え方が異なるため、一口に「欧州」と切り取っても決して一様ではないことを改めて意識する機会となりました。それぞれの国・支店が持つ、その国の文化・背景の違いを考慮すべき場面も多々あります。

着実に積み上げる日本とスピーディで柔軟なイギリス

オフィス前で同僚との集合写真

勤務地はロンドン・ヒースロー空港近郊Uxbridgeというエリアに位置しています。オフィスは駅近くのビル9階に位置しており大変良い眺望です。近年オフィス内の改装が完了したところで、緑やソファーもあるリラックスできる作りになっています。

職場にはイギリス出身のスタッフはもちろん、ドイツやトルコといった他国から来たスタッフもおり、多国籍なことが特徴です。またイギリスでは皆さんが仕事後の時間を大切にしていることも印象的です。私の勤務先もフレックスタイム制度を導入しているので、朝早く仕事を始めてその分早く帰る働き方を好む方が多いです。

お互いに出社しているメンバーとは、もちろん直接相談や会議をしながら仕事を進めますが、在宅勤務も一般的なので、職場で全員と毎日顔を合わせる訳ではありません。また、私の場合は日本・イギリス・第三国を交えた仕事をする機会もあるため、メールやオンライン会議ベースで仕事を進める機会も多いです。日本では、ひとつひとつのステップにおいて関係者の合意を形成していき、着実に積み上げる形で仕事が進んでいくイメージがありますが、こちらでは「出来ることから進めていき、修正が必要ならその都度対応すれば良い」とのスタンスで複数のステップが同時並行で動いていくことが多いと感じます。どちらの進め方にも一長一短ありますが、日本は着実な合意形成を、イギリスはスピーディで柔軟なことを重視している印象があります。

エンターテインメントに気軽に触れられるロンドンの魅力

朝は車で約30分かけて通勤しています。日本との会議がある場合は時差の都合上、朝の時間(日本時間では夕方)に開催されることが多いため、在宅勤務で会議に参加した後出社する日もあります。米州やアジア等、複数地域に跨る会議は深夜・早朝開催になることもあるため、これが続くと少し大変です。ランチタイムは同じくOJT研修に派遣されている同期や、同僚の現地スタッフと一緒に外食をすることが多いです。駅前には日本人の方が経営するお弁当屋さんもあるので助かっています。午後は主に資料作成や現地スタッフとの会議に取り組んでいます。この日は、現地スタッフとコーヒーを飲みながら「リーダーシップ」について意見交換をしました。

17時が標準的な終業時間ですが、16時頃になるとフレックスで帰る方がちらほらと見られます。私も終業後にロンドン中心部へ繰り出すこともあります。サッカーやミュージカル等のエンターテインメントに気軽に触れられるのはロンドンの魅力のひとつですね。

ロンドンの象徴として有名なビッグベン

イギリスに来て、日本以上に「ちょっとした日常会話(スモールトーク)」の重要性を感じています。スモールトークを通して仲が深まると、手を差し伸べてもらえる機会も増えるように思います。オフィスビルの受付の方は帰り道にぶどうをお裾分けしてくれたり、駐車のコツを教えてくれたり、とても気さくに接してくれています。また自宅の電気工事に来た作業員さんと身の上話をしながら工事完了を待っていたら、未組立のダイニングテーブルセットに気付いて、謝礼も受け取らずほぼ全部完成させてくれたこともありました。

関わる方を幸せにできる仕事をしたい

私生活で車の修理が必要になったのですが、保険会社に連絡するも2カ月間引取りに来てもらえず、大変困りました。イギリスではこうしたトラブル対応に時間がかかることは一般的で、自宅設備の修理が必要になった時も何度も業者に連絡しなければ約束の日時に来てくれないといったことは日常茶飯事です。また車の修理中は電車通勤でしたが、イギリスは遅延・運休も多く、乗っている電車の終点が突然変更されることもあるため、何かと大変でした。現地スタッフに保険会社への調整を手伝ってもらいながら解決できたのですが、海外ということもあり自分の力で何とかできることが少ない分、困っていることをきちんとアピールして周囲の力を借りながら対処することが必要でした。

海外に来る前は、海外拠点には三菱電機の発信する方針・方向性に、トップダウンのやり方で付いてきてもらうのではないかと考えていました。ですが実際にこちらに来て、各拠点が自国の社会背景に応じて自律的に人事制度を運営していることが分かりました。そんな中で、各拠点の大切にしているポイントを尊重しながら、三菱電機として発信したい方向性を理解してもらうためにどうしていくかを考えることが重要であると気づきました。一方で人事の仕事が「ともに働く従業員、また従業員が大切に想う人」のためにあることは、日本も海外も共通していると実感しています。あまり大きな視点で考えすぎると難しいですが、まずは自身が関わる方を幸せにできる仕事をしたいとの思いを改めて深める機会になりました。

私生活上でのトラブル対応を経て、日本にいる時よりも動じにくい性格になったのではないかと思います。慌てても仕方ないというか…。また、現地スタッフの方が仕事後の私生活を大事にしている姿を見て、日本にいる時以上に「Well-Being / 生き甲斐」について考えるようになりました。仕事・私生活ともに自分の中での満足度を高めていくために何を大切にするか? どうしていきたいか? という考え方が強くなったのは自分の中で大きな変化だと感じています。

私が日本から来たスタッフであるため、現地スタッフの皆さんは「三菱電機はどう考えているか」「このトピックについて意見を聞きたい」と日本・三菱電機の考え方に興味を示してくれます。私の今のポジションは、日本と欧州の連携を作ることのできる立場であると認識しています。現地スタッフとのコミュニケーションを通して見えてきた、彼らの考え方や大切にしたいポイントを踏まえて、橋渡しをできる仕事をしていきたいと考えています。

海外勤務と聞くと、華やかなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、実際は文化・価値観の違いに起因するようなトラブルも日常茶飯事で、泥臭い面も多いように感じます。私は学生時代に海外留学を経験したのですが、仕事上のコミュニケーションから学ぶ価値観の違いは、物事の捉え方や優先順位のつけ方など、留学で学べるものと少し違うと感じています。それ故に苦労することもありますが、当社の技術力が世界で通用しているシーンを目の当たりにできたこと、国籍・人種を超えて多くの仲間が当社ビジネスのために尽力しているところに自分の身を投じられたことは、自分の視野とキャリアの幅を広げてくれたと感じています。こうした機会が訪れた方にはぜひ挑戦してみてほしいです。

PROFILE

Mitsubishi Electric Europe B.V. Corporate Head Office

足立 安里紗

欧州・中東地域の当社拠点における人事管理・人事制度企画を担当しています。

2018年

関西支社入社 総務部 人事研修課 配属

2023年

海外OJT派遣(Mitsubishi Electric Europe B.V. Corporate Head Office)

足立 安里紗

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