2025.09.08
#世界で働く従業員の声 #インタビュー #北アメリカ #アメリカ #研究所 北米で推進するオープンイノベーション—社会課題解決への挑戦
三菱電機のオープンイノベーションが生み出す新しい可能性
三菱電機は、北米市場においてオープンイノベーションを軸とした新たな価値創造に積極的に取り組んでいる。北米拠点の三菱電機イノベーションセンター(Mitsubishi Electric Innovation Center 以下、MELIC)は、スタートアップやベンチャーキャピタル(以下、VC)との連携を通じて、脱炭素や次世代モビリティ、クリーンテクノロジーなど、社会課題の解決に直結する新事業の創出を加速している。
北米は、スタートアップや投資家、大学、政府が一体となったダイナミックなエコシステムが形成されており、新たな技術やビジネスモデルが次々と生まれる土壌である。MELICは、こうした先進的な環境を活かし、三菱電機グループのオープンイノベーションの原動力となることを目指している。
今回、MELICのキーパーソンたちへのインタビューをもとに、三菱電機が北米で推進するオープンイノベーションの全貌と、その先に見据える未来について紹介していく。
目次
INTERVIEWEE
三菱電機アメリカ 三菱電機イノベーションセンター ゼネラルマネージャー
Zafer Sahinoglu
2001年Mitsubishi Electric Research Laboratories入社。80以上の特許の発明者であり、100以上の国際ジャーナルや会議の論文を共著。
2020年に発足したMitsubishi Electric Innovation Centerのゼネラルマネージャーとして北米を中心としたスタートアップ探索を統括。同年よりMitsubishi Electric United Statesのイノベーション担当ヴァイスプレジデントを務める。
医用生体工学修士号、経営学修士号、電気工学博士号を取得。
INTERVIEWEE
三菱電機アメリカ 三菱電機イノベーションセンター シニアマネージャー
丹羽 祐二
2011年入社。スマートメータシステム、エネルギーモニタリングシステム、配電制御システムに関する事業企画に従事。
2021年4月より、コーポレートベンチャーキャピタル「MEイノベーションファンド」の立ち上げに従事。
現在はボストンを拠点に、北米を中心としたスタートアップ探索に注力。
INTERVIEWEE
三菱電機アメリカ 三菱電機イノベーションセンター マネージャー
坂 純也
2017年入社。営業企画及び総合営業に従事。新規事業創出に関わるプロジェクトの企画と運営を担当。
2022年より1年間、北米拠点に派遣、西海岸で数多くのスタートアップ企業と協業検討を経験。
2023年11月より、コーポレートベンチャーキャピタル「MEイノベーションファンド」に参画、協業推進を担当。
現在はNYを拠点に、北米を中心としたスタートアップ探索に注力。
スタートアップとの協業で創る価値
MELICが重視しているのは、スタートアップの持つ先進的な技術やアイデアを三菱電機のプラットフォームに統合し、より競争力のあるソリューションへと昇華させることである。例えば、スタートアップのAIによるIT冷却装置の最適化技術と、当社のハードウェアおよび監視・制御ソフトウェアを組み合わせることで、より省エネなデータセンター運用を可能にするプロジェクトに取り組んでいる。また、次世代モビリティやカーボンニュートラル技術など、さまざまな分野でスタートアップと協業し、それぞれの強みを活かした新事業の創出を目指している。
挑戦と成長を支える基盤
三菱電機グループの強みは、グローバルに展開する事業基盤と、長年にわたり培ってきたハードウェア開発力、そして業界に関する深い知見である。スタートアップは革新的な技術やアイデアを持っているが、市場知識やリソース、実行力が不足している場合も少なくない。三菱電機は、こうした「足りないピース」を補完することで、スタートアップの成長を支援し、より本質的なイノベーションの実現を後押ししている。
また、MELICではインキュベーション/アクセラレーションプログラムでのスタートアップ支援や大学との連携、アーリーステージのスタートアップへの出資など、多様な手法でイノベーションを促進。個人やチームが実際の技術課題に挑戦し、その成果に応じて評価や報酬を得られる仕組みを整備している。こうした取り組みは、イノベーションの民主化を推進し、より多くの人々が社会課題の解決に参画できる環境づくりにつながっている。
VC出資と今後の展望
さらに、三菱電機は主要な戦略分野に強みを持つ有力なベンチャーキャピタル(VC)にも積極的に投資しています。これは単なる財務投資ではなく、最先端のスタートアップや投資家・起業家とのネットワークに直接アクセスし、自社のものづくり技術とデジタル、AI、サステナビリティ分野の知見を掛け合わせることで、従来にないスピードとスケールでイノベーションを実現するための戦略的な取り組みである。現地VCへの出向を通じて得たノウハウやネットワークは、三菱電機のオープンイノベーション活動に還元されている。
三菱電機は今後も、北米をはじめとするグローバルな舞台で、オープンイノベーションの力を最大限に発揮し、社会とともに成長し続ける企業でありたいと考えている。
- 掲載されている情報は、2025年8月時点のものです。
制作: Our Stories編集チーム