2025.07.09
#世界で働く従業員の声 #インタビュー #ヨーロッパ・中東 #イギリス #サステナビリティ #世界各地の三菱電機 「三菱電機 × チェスター動物園」。ヒートポンプ技術が生み出した、やさしさあふれるコラボレーション
世界中に多くの拠点を持つ三菱電機。幅広い事業分野においてそれぞれの役割を担う三菱電機の従業員たちは、日々どのような思いを胸に、仕事と向き合っているのか? 各地で働く従業員たちの本音を聞き出すインタビューシリーズ。
真冬の動物園。もともと東アフリカが生息地のサイは、どのように過ごしているのだろうか? 今回は、イギリスにあるチェスター動物園と三菱電機の協業により、動物たちに快適な環境をつくりだしたサステナビリティ・パートナシップをご紹介。
三菱電機のゼロカーボンデザインマネージャーとしてイギリス各地を飛び回っているクリス・ニューマン(Chris Newman)さん。冷暖房機器のエンジニアとして訓練を受け、その設備を製造するメーカーで働きたいと思ったのが入社のきっかけだ。日々各地のスタッフをサポートしながら、建物の冷暖房設備で可能な限りの低炭素な設計を目指しており、チェスター動物園とのコラボレーションも見事に成功させた。
チェスター動物園では、三菱電機の空気熱源ヒートポンプを採用している。ヒートポンプは環境を暖かく保つだけでなく、化石燃料を使わずに、大気中の熱を集めて暖房の熱源とするシステム。クリスさんたちが主に取り組んだのは、絶滅危惧種であるサイの飼育舎を快適な温度に保つ暖房施設の導入。本来東アフリカが生息地であるサイたちを、自然に近い状態でイギリスの寒さからいかに守れるか? それがクリスさんたちのミッションである。化石燃料の技術をヒートポンプのような低炭素暖房に切り替えるには、技術的な面だけではなく、設置場所の確保、動物への騒音配慮、設備のメンテナンス、来園者への影響など、さまざまな点に気を配る必要があった。三菱電機の技術力に、チェスター動物園のサステナビリティの専門家、エンジニア・チームの知識と経験、そして、動物たちのことを一番よく知る飼育チームの意見が加わることで、すべての課題を解決することができたという。
チェスター動物園のサステナビリティマネージャー、ルーク・プロッサー(Luke Prosser)さんにとって、三菱電機とのパートナーシップは、迷いのない選択だった。特に動物の飼育環境においては、動物福祉の確保が最も重要。チェスター動物園では長年にわたって三菱電機の機器を採用しており、その品質と信頼性を実感しているという。
三菱電機のヒートポンプをチェスター動物園に紹介したのは、メカニック&エレクトロニック プロジェクトマネージャーのロバート・アラスィーン(Robert Arathoon)さん。ヒートポンプの設置を担当した。ロバートさんにとって、三菱電機は信頼性の象徴であり、安心して使用できるブランド。他のブランドも検討したそうだが、三菱電機には必要なものがすべて揃っており、メンテナンスが必要な際には保守作業がスムーズに進められることなどが採用の決め手となったそう。ロバートさんが毎朝元気にベッドから起き上がれるのは、自分たちの仕事に誇りを持っているから。将来的には三菱電機とのパートナーシップを強化し、新しい製品の導入にも関わっていきたいと考えているそうだ。
チェスター動物園では、三菱電機のヒートポンプ設置後、ここ12カ月で新しくサイの赤ちゃんが誕生した。このことはサイたちが自分たちの住処に満足し、信頼していることを意味する。イギリスをはじめとする各国では、国をあげて2050年までに温室効果ガスの排出量を差し引きゼロにするいわゆる「ネットゼロ」を目指しているが、チェスター動物園は、それよりも早い2030年を実現までのターゲットとしている。三菱電機とチェスター動物園のやさしさあふれるコラボレーションがさらに強化されていくことに、今後も大きな期待が寄せられている。
INTERVIEWEE
三菱電機ヨーロッパ イギリス支店
ゼロカーボンデザインマネージャー
クリス・ニューマン
2001年三菱電機住環境システムズ イギリス事業部に入社。20年以上にわたり技術、営業、設計チームの業務に従事したのち、現在は商業施設における革新的でサステナブルな低酸素HVACソリューションの提供に注力している。
INTERVIEWEE
チェスター動物園
サステナビリティマネージャー
ルーク・プロッサー
2024年チェスター動物園入職。園の掲げるサステナビリティ目標――2030年までにスコープ1および2において「ネットゼロ」を達成する、関係サプライチェーンから森林リスク・コモディティをなくし廃棄物ゼロをめざす、園所有地の30%をイギリスの生物多様性のために活用する――の実現に向けた実務を担う。前職では、公共部門のサステナビリティマネージャーとしてサステナブルなサプライチェーンに関する学術研究を実施。
INTERVIEWEE
チェスター動物園
メカニック&エレクトロニック プロジェクトマネージャー
ロバート・アラスィーン
イギリス国内の様々な機械・電気関連のプロジェクトに携わったのち、2022年にチェスター動物園に入職。電気工学と再生可能技術の専門知識を活かし、チェスター動物園の敷地全体における脱炭素化と「ネットゼロ」の目標達成を推進。現在は設計チームが手がける様々な資本開発プロジェクトの企画・運営をサポートしている。
- 掲載されている情報は、2025年5月時点のものです。
制作: Our Stories編集チーム