2026.05.28
つながりが、組織を強くする。
Mitsubishi Electric Power Products, Inc. を支える女性たちのネットワーク
Mitsubishi Electric Power Products, Inc.(三菱電機パワー・プロダクツ、本社:米国ペンシルバニア州ピッツバーグ市、以下、MEPPI)において、イノベーションとは単に技術の進化を指すものではありません。その中心にあるのは「人」です。
この考え方を体現してきた取り組みの一つが、社員主導で運営される「Professional Women’s Network(以下、PWN)」です。PWNはこの数年で、社内におけるつながりの創出や人材育成、さらには企業文化の変革を促す、極めて意義のある存在へと成長してきました。
PWNは、ダイバーシティの推進、イノベーション創出、そして持続的成長を目的とした戦略的な取り組みの一環として、2021年に発足しました。現在では、米国やスコットランドを含む複数の拠点・事業部門・職種を横断し、140名を超えるメンバーが参加する活発なネットワークへと広がっています。PWNは明確な目的を持って経営層の支援も受けながら発展し、従業員リソースグループ(以下、ERG)が、三菱電機グループ内のみならず、その枠を超えて働き方の未来を形づくることに貢献できることを示す事例です。
戦略から始まった、人に
還る成果
人事部の副社長であるスーザン・レンダ氏は、「PWNはMEPPIの成長戦略と連動して立ち上げられた、全社的な「Women’s Initiative(女性活躍推進の取り組み)」の一環として誕生しました。」と話します。MEPPIが従来の「製品中心」から「ソリューションやサービス」へと事業領域を拡大していく中で、経営陣はイノベーションの実現には多様な思考、経験、視点が不可欠であると認識し、女性リーダーの育成と登用を強化することは、単に「正しいこと」だからではなく、企業としての成長に欠かせない戦略であると気付きました。その気付きを最も象徴的かつ効果的に具現化した取り組みが、PWNでした。一方で、その出発点は戦略に根ざしているものの、PWNの影響は「人間味あふれる」ものです。「PWNが重要なのは、人と人とのつながりを生み出しているからです。」とレンダ氏。「仕事というのは人と人との関係で前に進んでいくものなのです。」
主体的に関わるリーダーシップとその重要性
公共事業グループ副社長であり、PWNのエグゼクティブ・スポンサーを務めるエリック・ペリ氏にとって、このネットワークの価値は、仕事上にとどまらず、極めて個人的な想いとも結びつきがあります。長年にわたり、エンジニアリング色の強い男性中心の業界でキャリアを重ねてきたペリ氏は、女性が直面しがちな課題を、抽象的ではなく社会に出たばかりの娘を持つ父親という視点から実感しています。「娘がこれから、どれほど多くの逆流の中を泳いでいかなければならないかをよく考えます。」とペリ氏は語ります。「PWNに関わることは、たとえ間接的であっても、彼女のような誰かを支えることにつながっていると私は感じています。」エグゼクティブ・スポンサーとしてペリ氏が大切にしているのは、「身近で見える存在であること」と「飾らない姿勢」です。メンターとしての立ち場からカジュアルな交流までPWNのイベントに継続して参加することで、役職による心理的な壁を和らげ、率直で意味のある対話が生まれる場を育んでいます。「オフィスから離れれば、そこにあるのは肩書きではなく、一人の人間です」とペリ氏は言います。「本当の関係性が築かれるのは、まさにそうした瞬間なのです。」こうした“経営層を身近に感じさせるビジビリティ”は、PWNにとって強いメッセージとなっています。PWNのリーダーたちが語るように、リラックスした場で経営層と接する経験は、これまで感じていた距離や緊張感を自信へと変え、これまで声を上げることをためらっていた人々の想いを引き出すきっかけとなっています。
目的をもってネットワークを育む
ジェニファー・コーバン氏にとって、PWNは「つながり」と「居場所」を意味する存在です。彼女は2021年の構想段階から関わってきた創設メンバーの一人であり、現在はチェアパーソンを務めるコーバン氏は、MEPPIで10年以上にわたりキャリアを築いてきました。その中で、PWNのようなコミュニティが存在しなかった時代に組織を歩んできたからこそ、このネットワークを立ち上げることが、いかに個人的にも大きな意味を持つものであったかを実感しています。「私たちがキャリアをスタートした頃、こうした場は存在していませんでした。」とコーバン氏は振り返ります。「今では、部門や職位を越えて、これまでにはなかった形で女性たちがつながっています。」この“つながり”は、コーバン氏がチェアパーソンとしてPWNを導く姿勢にも色濃く反映されています。アンケートやオープンなフィードバック、日常的な対話を通じてメンバーの声に丁寧に耳を傾け、その時々に求められている姿へと進化を続けてきました。STEM分野への積極的な働きかけは重要なミッションの一つであり続ける一方で、PWNは職種を問わず、すべての女性が支えられ、理解され、価値ある存在として受け止められる場を創出しています。コーバン氏にとって、最大の喜びは、そうした活動を通じて生まれる「人と人との関係」そのものです。「特に入社間もない社員が、自分の存在を認めてもらえていると感じられることに、誇りを感じます。」と語ります。「PWNがなければ、決して築けなかった関係がたくさんあります。」PWNの本質は、つながりが自信を育む場所であり、コーバン氏のような女性達にとって共に成長する経験の中に意味を見いだせる場所であること――。
アイデアからインパクトへ
コーバン氏がPWNのビジョンを描く存在だとすれば、そのビジョンを具体的な形へと落とし込んでいるのが、アクティビティ・チェアを務めるティファニー・ブース氏です。ブース氏は、専門性の向上、アウトリーチ活動、そしてコミュニティづくりのバランスを大切にしながら、PWNのプログラム設計に中心的な役割を果たしてきました。リーダーシップをテーマとした講演会やスキル向上のためのセッション、ネットワーキングイベント、さらにはSTEM分野との連携まで、多彩な取り組みを通じて、皆が常に参加しやすく、参加する意図を持ち、魅力的な場であり続けるよう支えています。「人が“ここにいたい”と思えるコミュニティをつくることには、大きな力が存在します」とブース氏は語ります。「その意識が、結果として人材の定着を確かな形で支えているのです。」また、同様の取り組みを検討する組織に向けて、ブース氏は極めて実践的で重要な教訓を強調します。それは、「投資の重要性」です。「支援は言葉だけでは成り立ちません。予算も、リソースも必要です。」と強調します。「ERGを本当に成長させたいのであれば、組織としてきちんと投資をする覚悟が不可欠です。」ペリ氏と同様に、ブース氏のこの取り組みへの想いもまた、親としての個人的な視点も。「これは“バトンを渡す”ことなのだと思っています」と彼女は語ります。「次の世代の女性たちが力を発揮できる環境をつくること――それこそが、この活動の本質です。」
どこでも通用する
カルチャー変革としてのモデル
MEPPIのPWNがとりわけ注目に値するのは、決して単独で存在する取り組みではないという点です。PWNは、事業戦略と意図的に連動し、経営層の支援を受けながら、すべての社員に開かれ、時代やニーズに応じて進化するよう設計されています。この一貫した思想と仕組みこそが、PWNを他部門・他組織でも展開可能なモデルとして成立させています。人事部の副社長 レンダ氏は、PWNが機能している理由をこう説明します。「それは単なる「ネットワーク」ではなく、より大きな経営戦略を可視化した存在であるということ。他の三菱電機グループ各社が同様の取り組みを検討する際、他の三菱電機グループ各社が同様の取り組みを検討する際に我々の学びが役に立つでしょう。ERGを明確な目的に根付かせ、経営層の支援と適切なリソースを与え、そして社員自身が主体的にリードすることを信じる――それが成功の鍵となります。急速な変化、デジタル変革、そしてグローバルな成長が同時に進む現代において、「人と人とのつながり」への投資は、真の競争優位性を築くことにつながります。MEPPIのPWNは、一つひとつの対話、一つひとつのつながり、そして共有されている未来が、まさにそのことを証明しています。
* 掲載されている情報は、2026年4月時点のものです。