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My Purpose 信頼する仲間といいものを作り社会に貢献する My Purpose 信頼する仲間といいものを作り社会に貢献する
Voices 2024.01.24

社会インフラを支える設計者が持つ、
常に高みを目指す姿勢と仲間や次世代への思い。

  • #私のChanges for the Better
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  • #インタビュー

“家庭から宇宙まで”。それくらい三菱電機の事業領域は幅広いと言われている。中でも社会インフラに関連する事業は、社会や国の基盤となる分野だ。その一つ、鉄道における車両の推進制御装置「インバーター」を設計するのが髙田昌世さん。関西で生まれ育ち、同じく関西にある伊丹製作所で働き、二人のお子さんにも恵まれ、仕事と家庭の両立に奮闘する髙田さんが、強く意識するようになった職場における横(=仲間)と縦(=次世代)への思いとは?

小さな頃の宇宙への憧れが導いた理系の道

髙田さんの部署にお邪魔すると設計部門の職場ということもあってか、女性の数は少ない。髙田さんを理系の道へといざなったのは、小さい頃に芽生えた宇宙への熱い気持ちと、自分自身を見つめる冷静な目だった。

「小さい頃に、宇宙開発に関わってみたいなと思いました。小学生の頃、向井千秋さんや毛利衛さんなどがご活躍されていて、日本人宇宙飛行士がスペースシャトルで宇宙に行くというニュースを見るたびに、かっこいいなと。あとは、数学が好きで理系向きだろうと自覚していたので、その二つを重ねて、大学は理系・機械工学科に進むことにしました。物を作る上で基礎となる学問なので、そこで自分の土台のようなものを作れたらと考えていました」

その後、順調に大学から大学院へ進学。そして三菱電機に就職することになるが、振り返るとその入り口はやはり宇宙だったという。

「三菱電機を知ったのは、宇宙事業に取り組んでいる企業ということがきっかけでした。ただ、自分が学んできた機械工学の分野から宇宙開発の道へ進むのは難しいと気がつきました。それなら同じ三菱電機の幅広い事業領域の中で社会インフラの一つである鉄道事業に携わりたいと思い、就職しました。社会インフラに興味があった理由は、元々誰かの役に立ちたいという気持ちが強かったことと、流行り廃りに左右されない社会の基礎だから、その分野を良くすると社会全体が良くなるのではと考えたからです」

インバーターとはどんなもの? その設計とは?

鉄道車両の下に備え付けられたインバーター

髙田さんの仕事は、鉄道車両備え付けのインバーター装置の設計だ。インバーターとは架線から伝わった直流電流を交流電流に変換する装置で、電車はその電力を使い、モーターを回して走っている。インバーターは、人間で例えるならば、脳や心臓にあたるだろうか。

「私が担当する設計パートでは、発注元である鉄道会社のご要望をお伺いしつつ、サイズ、強度、メンテナンスのしやすさなどを加味して設計に落とし込みます。目指すべきゴールとしては、電流をより上手に、つまりロスなく流すことやインバーターのサイズを縮小化していくことです」

白枠は以前のモデルの大きさ。いかに小型化されているかが分かる

では端的に言って、設計の難しさはどこにあるのだろう?

「あらゆる人に対して“いい設計”を形にすることです。お客様からのリクエストに応えることは大前提として、どうしたらお客様がより使いやすくなるのか、製造する人たちにとって作りやすい仕様は何だろうかなどを想像して、設計に向かいます。それは難しさでもあり、面白さでもあるんです」

“天井の見えない仕事”にどう取り組むか?

鉄道事業、つまり社会インフラに携わるものの宿命として、プロジェクトが2、3年と比較的長期に及ぶことはざらにある。そのような中で髙田さんは日々どのようなことを意識しながら仕事に取り組んでいるのだろうか。

「技術者としての立場から言えば、常に技術革新を続けていかないと時代に取り残されてしまうという危機感があります。どんな仕事でも『次はこういうところにチャレンジしてみよう』と、都度目標を設定しています」

そのように、常に上を目指す姿勢を下支えしているのが、髙田さんの純粋な好奇心だ。

「この仕事は、どこまでも自分の専門性を高められるような、天井が見えない仕事です。気づけば入社して15年ほどですが、知らないこともまだまだたくさんあります。自分の知的好奇心をくすぐるような技術や知見もあり、そういったものに触れるとすごく燃えるんです

自分の視野狭窄をほぐしてくれる周りの存在

そしてもう一つ、髙田さんが仕事をする上で大切にしているのが、信頼する周りの人との関係性だ。

「こうあるべき、という頑固な思考の癖が自分にはあると自覚していて、設計作業の最適解を追い求めると視野が狭まっていきがちです。そうならないように、周りの人と意見交換をすることで自分と違う意見や価値観に素直に耳を傾けて、より良いものへとつなげることを意識しています。」

インバーターを完成させるにはチームプレイが必要となる。そして、周りと協力して手に入れた成功が髙田さんを次なる仕事に向かわせてくれる。

「入社当時、先輩や上司から『一人では仕事はできない。周りとの協力が大事だ』と教わりました。同じ部署内の人でもそれぞれ専門性が違います。そんな人たちと協力しながら、技術的な課題やお客様からのリクエストをクリアできた時に、このチームの一員として少しでも貢献することができたんだな、と達成感と同時に幸せを感じます」

プライベートの変化がもたらした仕事への影響

髙田さんにはお子さんがいる。これまでに産休・育休を取得したことも、周りの存在を髙田さんにより強く意識させたという。

「産休・育休の時もそうですが、今も子供がいて、家庭があり、仕事と両立しないといけません。となると、周りの方々にサポートをお願いする状況がどうしても出てくるので、周りとのつながりを日々意識しながら仕事をしています」

そして、お子さんの誕生は、横(仲間)だけでなく縦(次世代)を見るきっかけにもなった。

「子供という次世代の人間が身近にいると、私はこの子、そしてこの世代の人たちに何ができるんだろうと。そんなこともあり、次世代にどうやって技術や知見を伝承していくかということをよく考えるようになりました

この仕事が遠い所の誰かを
幸せにできているのかもしれない

「社会インフラ」という領域は社会の土台であり、目に見えないことが多い。そのためか、残念ながら、しばしばスポットライトが当たるのはよくないケースの場合がある。

「ニュースや駅で、どこどこの電車が遅延していると聞くと、ハラハラドキドキしてしまいます。これはもう職業病みたいなものですね」

それでも不意に流れてくるニュースを聞いた瞬間に、髙田さんは「社会に貢献できているのかも」と思うことがある。

「国内外問わず、携わった製品が出荷されてしばらくして、どこかで新しい鉄道車両が運行を開始したというニュースを聞くと、自分の仕事を噛みしめます。例えば、海外の鉄道プロジェクトには、渋滞解消目的など現地の人々の生活を助けるという背景があるとわかり、そんな時にふっと遠い所の人々とつながりを感じます

知見や技術をアップデートし、次世代に伝えること

産休や育休という期間を経て、在籍して今や15年。中堅となった髙田さんにとってのマイパーパスとはなんだろうか?

信頼する仲間と一緒にいいものを作って、社会に貢献できたらと。中堅という立場としては、知見や技術を次世代に繋げていきたいです。先人たちの知恵のおかげで、今私がここにいると思うと、私もそれを次世代に伝えていかねばならない。一方で、現在は最適な技術や知見でも、技術革新が進み、周りの環境や条件が変わることでより良い最適解が出てくるかもしれない。それを踏まえて、次世代に繋げていく。それが自分の立場としてのミッションですかね」

さらに「あれ、子供の話が出てこなかったな(笑)」といたずらっぽく笑いながら、こう続けた。

「でも、次世代という意味では、今の子供が代表だと思うので、彼・彼女たちが大人になった頃に、今よりいい社会が提供できればいいかなと。そのためにも、今より良いものを目指して、高みを追求していきたいです」

髙田 昌世

INTERVIEWEE

三菱電機伊丹製作所髙田 昌世

2008年入社。関西生まれ、関西育ち。大学・大学院は機械工学科で学び、三菱電機に入社後、鉄道車両のインバーター設計を担当。かつては国内外のアーティストライブ観覧に通ったが、ここ10年ほどは舞台鑑賞にも夢中。

制作: Our Stories編集チーム

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