品質不適切行為に関する
調査状況

当社における品質不適切行為に関する原因究明及び再発防止等について
(第3報)

2022年5月25日
三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、品質に関わる不適切事案の調査状況(調査委員会委員長:西村あさひ法律事務所 木目田 裕、2021年7月2日公表)に関する調査報告書(第3報)を本日付で受領しましたので、2021年10月1日に公表した当社の再発防止策を含む3つの改革(品質風土、組織風土、ガバナンス)の進捗状況とあわせて、下記のとおりお知らせします。

これまでに調査委員会は、同委員会に寄せられた品質に関わる問題の申告等を基に抽出した要調査事項2,303件のうち、約8割に当たる1,933件の調査を終了しました。今回の調査報告書(第3報)では、新たに判明した品質不適切行為についても、第1報及び第2報で指摘した原因背景が等しく当てはまるとの見解が示されました。残る14製作所についても調査委員会による調査が継続しており、当社としても、品質不適切行為の全容解明に向け、引き続き調査活動に最大限の協力をしてまいります。

昨年10月から当社が進めている再発防止策を含む3つの改革については、調査委員会のこれまでの提言等を踏まえたものであり、その方向性とこれまでの取り組みについて一定の評価を頂いております。一方で、再発防止策による現場への過重負担に対する配慮など、各施策の実効性をより高めていくための新たな提言も受けました。当社は今回の提言も踏まえ、3つの改革を深化・発展させながら着実に変革に取り組んでまいります。

なお、執行役・取締役の経営上の責任や内部統制システム・ガバナンス体制全般の検証・提言については、調査委員会の最終調査結果を踏まえて、ガバナンスレビュー委員会(委員長:山口利昭法律事務所 山口 利昭、2021年10月20日公表)から報告される予定です。報告書を受領次第、速やかに公表いたします。

調査完了時期の遅延も含め、お客様や関係者の皆様をはじめ、多くの皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けしていることを、あらためて深くお詫び申し上げます。

1. 調査委員会の調査の状況

昨年7月2日に社外弁護士を委員長として設置した調査委員会は、当社国内全従業員に対するアンケート調査等で得られた内容について客観的データ等の突合による整合性確認、当該拠点関係者や役員に対するフォレンジック調査及び関係者へのヒアリング調査を実施しております。

本日受領した調査報告書(第3報)までに、調査委員会では合計2,303件の要調査事項を抽出し、そのうち1,933件について調査を終了しました。残件については引き続き、調査委員会にて調査を進めていきます。

また、調査報告書(第3報)には昨年12月23日に受領・公表した調査報告書(第2報)以降に判明した案件等が記載されております。その概要は、表1、表2に示すとおりです。

なお、調査報告書(第2報)で報告された不適切事案についての現時点での対応状況は、表3にまとめております。

表1:全社調査状況
(2022年5月25日時点)
進捗状況 製作所名
  • 1)調査完了拠点
8製作所
長崎製作所、受配電システム製作所、鎌倉製作所、福山製作所、冷熱システム製作所、京都製作所、静岡製作所、産業メカトロニクス製作所、(液晶事業統括部を含む)
  • 2)調査委員会調査中の拠点
14製作所
神戸製作所、伊丹製作所、電力システム製作所、コミュニケーション・ネットワーク製作所、系統変電システム製作所、稲沢製作所、通信機製作所、中津川製作所、群馬製作所、名古屋製作所、姫路製作所、三田製作所、パワーデバイス製作所、高周波光デバイス製作所

ISO9001認証一時停止を受けている製作所:3製作所(福山製作所、鎌倉製作所、系統変電システム製作所)

ISO9001認証一部取消を受けている製作所:2製作所(長崎製作所、受配電システム製作所)

表2:新たに報告を受けた品質不適切行為の概要
(2022年5月25日時点)
製作所名 不適切行為の概要
①社会システム事業本部
  • 1.神戸製作所:9件
    • コントローラー又は補助電気継電器におけるシーケンス試験の一部不実施
    • 監視制御装置における処理時間測定成績書への一部不適切な記載
    • 操作盤における膜厚測定検査成績書への一部不適切な記載
    • 電源ユニットにおける連続通電試験の一部不実施
    • 制御盤における試験実施環境記録の一部不適切な記載
    • 現場操作盤における膜厚測定検査の一部不実施
    他、3件
  • 2.伊丹製作所:19件
    • 鉄道車両用品における振動試験の一部不実施
    • 補助電源装置における保護動作試験の一部不実施
    • 推進制御装置における振動試験報告書への一部不適切な記載
    • 車両用モータにおける試験成績書への製造番号の一部不適切な記載
    • ゲート制御ユニットにおけるエージング試験の一部不実施
    他、14件
  • 3.長崎製作所:1件
    • 車両用空調装置における冷房能力劣化診断の一部不適切な記載
  • 4.コミュニケーション・ネットワーク製作所:4件
    • 無線設備等の一部不適切な点検実施
    他、3件
②電力・産業システム事業本部
  • 1.電力システム製作所:2件
    • 計装制御装置におけるアナログ入出力動作確認試験の一部不実施
    • タービン発電機における三相突発試験の一部不適切な実施
  • 2.系統変電システム製作所:4件
    • 外鉄形変圧器における出荷試験の一部不適切な行為
    • 外鉄形変圧器における社内設計基準を一部下回る設計
    • 内鉄形変圧器における出荷試験の一部不適切な行為
    • 内鉄形変圧器における社内設計基準を一部下回る設計
  • 3.受配電システム製作所:4件
③ビルシステム事業本部
  • 1.稲沢製作所:10件
    • 米国向けエレベーター部品における耐電圧試験の一部不実施
    • 米国向けエレベーターにおける認証ラベル貼付作業場所の相違
    • シンガポール向けエレベーター部品における要求仕様との相違
    他、7件
④リビング・デジタルメディア事業本部
  • 1.中津川製作所:1件
    • 業務用ロスナイにおける試験成績書への一部不適切な記載
  • 2.冷熱システム製作所:2件
⑤FAシステム事業本部
  • 1.名古屋製作所:7件
    • モータにおける不具合報告書への不適切な記載
    他、6件
  • 2.福山製作所:1件
    • 低圧遮断器におけるUL定期工場監査時の不適切な行為
⑥自動車機器事業本部
  • 1.姫路製作所:4件
    • インバータにおける製造工程の一部不実施
    • ロータボビン材料におけるIMDS登録の不整合
    • センサーにおける定期抜取検査の一部不実施
    • モータジェネレータの開発試験の不適切な行為
  • 2.三田製作所:32件
    • EGRバルブにおける定期抜取検査の一部不実施
    • ICSにおける開発試験の一部不実施
    • カーナビゲーション製品等における振動試験の一部不実施
    • ディスプレイオーディオにおける一部異なる場所での製造
    • ディスプレイ製品での量産移行可否判定結果の一部不適切な報告
    • ディスプレイオーディオにおける評価試験の一部不実施
    • EGRバルブにおける製造ライン顧客監査時の不適切な行為
    • カーナビゲーション製品における一部作業の不実施
    他、24件
⑦半導体・デバイス事業本部
  • 1.パワーデバイス製作所:1件

今回指摘された上記品質不適切案件について、法令・規格違反のものに関しては既に関係機関へ説明し、是正を実施しております。お客様との契約に関わるものについては、順次、お客様に説明のうえ対応策を相談させて頂いております。またすべての案件について再発防止策を進めております。

表3:前回までに報告を受けた案件の対応状況
(2022年5月25日時点)
製作所名と具体的案件 現在の状況
  • 長崎製作所
    • 1.車両用空調装置における不適切な検査
    • 2.非常用電源設備における市場対応遅れ
  • 1)非常用電源設備不具合の処置状況
    • 応急処置:99.6%(1,092/1,096台)完了
    • 恒久処置:74.0%(811/1,096台)完了
  • 2)品質最優先の徹底に向けた品質意識の醸成として、従業員による品質自己点検及び品質宣言の実施規定制定(2022年4月)
  • 3)顧客仕様遵守の仕組み強化を目的とした製品開発管理規程改定(2021年12月)
  • 4)上長と所属員とのコミュニケーション活性化に向けた指南書の策定(2022年3月)
  • 冷熱システム製作所
    • 1.業務用空調冷熱機器の検査装置不備に伴う一部検査の不実施
  • 1)市場品点検の進捗状況
    • 製品設置先の調査:97.9%(2,375/2,427台)完了
    • 点検:68.2%(1,656/2,427台)完了
    引き続き設置先の調査・説明及び点検の早期完了を推進
  • 2)試験機・検査装置の開発/運用規程を新設し、日常点検内容の審議及び検査判定範囲の設定等に対する見直し実施(2021年10月)
  • 3)経産省へ再発防止報告実施(2021年12月)
  • 受配電システム製作所
    1.72/84kVキュービクル形ガス絶縁開閉装置の出荷試験の一部不実施
  • 1)C-GIS出荷検査への第三者部門の立会(暫定処置継続中)
  • 2)法令・社外規格等の要求事項の確認強化と部門の教育・訓練実施細則見直し等、仕組みの見直しを実施(2022年4月)
  • 3)手動試験データのデジタル化、試験結果のデータベース化・自動判定化を推進(2022年9月目標)
  • 福山製作所
    • 1.UL489遮断器における定期工場検査受験時の不適切行為
    • 2.CO2レーザーマーカー設備の電波法上の申請不備
  • 1)製造部傘下の試験部門を品質保証部へ異動(2022年1月)
  • 2)試験不正に対して試験設備側の不正操作防止対策を実施(2022年1月)するなど、UL定期工場検査に関して継続的に改善中
  • 3)電波法申請漏れについて、申告漏れ全件について追加申請を完了。総務省へ再発防止報告を実施(2022年5月)
  • 鎌倉製作所
    • 1.ETC設備における不適切な試験対応
  • 1)ETCを担当するITシステム部の品質管理課が実施していた完成品検査を品質保証部に移管(2022年4月)
  • 2)仕様、規定された手続き等の管理強化を目的 とした開発管理規定の改定(2022年3月)

2. 総括

今回の報告までに、当社全22製作所等のうち、8製作所等に関しては調査委員会調査は終了しています。残る14製作所においても今回の報告にあるとおり調査は一定程度進んでおりますが、現時点で調査未了の案件について、引き続き調査委員会の調査に最大限協力してまいります。

昨年10月1日、12月23日の調査報告書とあわせた現時点での品質不適切案件数は下表のとおりです。

表4:調査委員会に指摘された不適切行為件数総括
10月公表 12月公表 今回公表 累計
調査拠点数 2 5 22 22
うち、不適切行為発生拠点数 2 5 15 16
品質不適切行為発生件数 18 29 101 148

今回の調査においては、通信機製作所・静岡製作所・群馬製作所・京都製作所・産業メカトロニクス製作所・高周波光デバイス製作所では不適切行為と認められた案件はありません。ただし、これらの拠点においても業務品質に関わる事例が複数件指摘されていることを踏まえると、全社的に更なる品質レベル向上のための取り組みが必要と認識しており、以下の取り組みを着実に推進してまいります。

  • (1)今回受領した調査報告書(第3報)では、あらためて昨年10月1日の第1報で指摘された品質不適切行為の直接の原因4項目(①「手続き」による品質保証概念の欠如、②品質部門の脆弱性、③ミドルマネジメント層の疲弊、④本社と現場の距離)、及びその背景となる組織風土上の問題3項目(⑤拠点単位の内向きな組織風土、⑥独立性の高い事業本部制、⑦経営陣の本気度)について、複数の製作所で課題となっていることが具体的な事例をもって示されました。
    また、これらの対策として掲げている品質風土改革・組織風土改革・ガバナンス改革の3つの改革に関しては、その方向性とこれまでの取り組みについて一定の評価を頂きました。
    そのうえで今回、調査委員会から改革の実効性向上に向けて、7つの具体的な提言を頂いております。当社はこれらの提言を真摯に受け止め、必要に応じ3つの改革の中に新たな施策を追加し、着実に改革を進めてまいります。
    (3つの改革の進捗は表5、表6、表7、具体的提言内容と当社対応状況は表8を参照下さい。)
  • (2)また、調査委員会より直接原因の背景となる組織風土上の問題として指摘されている3項目については、本年4月の経営体制改革を通じても問題の解消を図ってまいります。加えて、経営方針を、より社会を意識した内容に改定するとともに、全役職員への浸透を図り、会社全体として社会的責任に対する意識向上を図ってまいります。
    (経営体制の変革・経営方針の改定については4項を参照下さい。)
  • (3)さらに今後、事業本部別・製作所別等の不適切案件の特性や、不適切内容の類型化等の分析をきめ細かく実施することを通じて、当社として3つの改革を含めた再発防止策の深掘りを実施し、個々の現場に即した対策を推進してまいります。
図1:調査委員会指摘の原因・対策提言を受けた
再発防止策の全体像

3. 再発防止策を含む3つの改革(品質風土、組織風土、ガバナンス)の進捗

調査委員会からの再発防止策の提言を踏まえて策定した当社の3つの改革(品質風土、組織風土、ガバナンス)の進捗は次のとおりです。

(1)品質風土改革

昨年10月1日付で設立した社長直轄の組織「品質改革推進本部」は、「本社主導の新たな品質保証機能の強化」、「事業本部横断の知見共有と機動的な支援」に向けて、表5に示す全社共通施策を実行中です。

これまで、調査委員会の調査で判明した品質事案の多くは「試験の不備」、「試験結果が要求値を満足しないことによる問題」であり、製品の開発初期から生産準備完了までに解決すべき問題であることがわかりました。これは、お客様とのコミュニケーション含め、品質を上流(設計と生産技術)で作り込み、その状態を見える化するという、品質管理の実行に問題があると考えています。

品質風土改革の方策である「指揮命令系統の製作所からの分離・独立」、「品質保証機能の強化」は、ものづくりのすべてのフェーズにおいて、正しく設計できているか、生産準備ができているかを、品質改革推進本部が生産システム本部や開発本部と連携して、確認と改善のPDCAを回すことであり、今回の品質事案に対して有効な方策であると考えています。

一方、このPDCAを効率的に回すためには、「IT、デジタル化による品質強化」が不可欠であることもあらためて認識しました。多種多様な製品、お客様ごとに異なる要求仕様、各国法規要求に、一つ一つ丁寧に対応し、問題解決を加速するために、品質プロセスにおけるDXを推進し、人的ミス撲滅、品質管理強化・効率化を進めていきます。

あわせて、今回の重要品質問題の下に潜む課題(ヒヤリハット)についても見える化し、未然防止する取り組みも必要と考えています。その方策として、各製作所、製造ラインの健康状態を把握し、問題を早期に見つけ、全員で支援する活動を始めます。

問題を見える化する「牽制」と、全員で解決していく「支援」の両輪でPDCAを回し、誠実な行動ができる会社を目指します。

表5:品質風土改革の進捗
項目 2022年5月現在の進捗
①本社主導の新たな品質保証体制の構築
  • 2022年4月に品質改革推進本部を管掌する品質担当執行役(CQO)を外部から新たに招聘
  • 企業行動規範委員会の下部である「品質ガバナンス分科会」による品質改革推進本部の実行確認を1回/2ヶ月で実施(2021年12月6日、2022年2月28日、2022年4月27日)
  • 法令・規格・顧客仕様の遵守、品質保証プロセスのうち強化すべきインフラを洗い出し、2021年度は約50億円の投資を決定、2年間で300億円以上の投資を計画
②品質保証体制を改革する全社共通施策
②-1. 牽制機能の再構築
  • 1)指揮命令系統の分離・独立
    2022年4月に品質改革推進本部・品質保証監理部を全製作所に新設、出荷権限等を付与し運用を開始
  • 2)品質保証機能の強化
    2021年度は、法令・規格・顧客仕様と製品の同一性を重点にした品質監査を5製造拠点で実施。2022年4月から拠点の課題抽出と改善に繋げる監査へさらに改善して28製造拠点に対して実施予定
②-2. 技術力・リソース
課題への対策
  • 1)法令・公的規格遵守の管理強化、遵守徹底
    従来の拠点ごとの法規管理体制・仕組みに対して、各拠点に共通する法規の内容を品質改革推進本部が一括して入手・管理するシステムを構築。2022年3月基本構想を策定完了
    外部機関を活用した、法令規格改廃情報と規格文書の閲覧サービスを2022年6月から導入開始予定
  • 2)IT化、デジタル化による品質強化
    • 顧客仕様と出荷基準の同一性について、確認すべきポイントを明確にした基本仕様を2022年4月に決定
    • 顧客要求仕様や検査データをデジタル管理するための具体的ツールを選定し評価中。あわせて、ツールの特徴などを全社に展開済(2022年3月)。2022年10月から導入予定
  • 3)拠点に対する本社支援の強化
    品質サポート部隊による現場の困りごとを3製造拠点から吸い上げ中。今後、具体的支援活動に繋げる。また、製造拠点の現場から技術的困りごとを相談できる窓口を新設
  • 4)品質保証人材育成
    • 製造拠点の品質保証・品質管理部門について、保有スキルの調査を2022年4月完了。スキルにあわせた社内教育講座を2022年2月に全社展開。調査結果からスキルの弱み強みを見える化し、強化計画策定(2022年6月)
    • 品質保証・品質管理部門のリーダー層育成講座を2022年6月開講予定
②-3. 品質コンプライアンス
意識の再醸成
  • 1)人事ローテーションの活性化
    品質保証部門の人事ローテーションについて、製造拠点の垣根を越えた候補の選出完了。2022年6月までに計画策定予定
  • 2)経営層への品質コンプライアンス意識の浸透
    役員向けコンプライアンスセミナーを実施(2022年 2月)
  • 3)品質コンプライアンス意識教育
    • 可児工場事案を題材にした「不適切行為防止ミーティング」を全拠点の各職場で実施(2021年11月15 日~12月29日)
    • 7月2日を「全社品質の日」と制定し、社長・事業本部長メッセージなどを実施予定
(2)組織風土改革

社内公募で選ばれた有志メンバーからなる全社変革プロジェクト「チーム創生」は、新しい三菱電機グループの創生に向けた組織風土改革の指針として2022年3月に「骨太の方針」を策定しました。スローガンとして、“Changes for the Better start with ME”を設定し、これは「私(me)から変わる、そして、三菱電機グループ(Mitsubishi Electric)を変える。自分ができること、三菱電機グループができることをひとつずつやっていきしょう!」の意味を込めたものです。

本年4月からは「骨太の方針」の実行フェーズに移行し、各事業本部等にも変革プロジェクトを設置し、全社148名体制で活動を進展・進化させております。4月中旬から執行役や本部長と「チーム創生」のメンバーによる「骨太の方針」の従業員向け説明・意見交換会を順次開催し、これまでに計59回実施しました。今後、全拠点・部門で実施する予定です。

また、人事制度等、全社施策として展開するものは、各担当部門にて施策・制度の構築・見直しに着手しています。2022年度から変化に向けた第一歩を踏み出し、2025年度を目安に、新しい文化が定着し、繋がりあい、自走する組織へと変革するまで活動を継続していきます。

人事制度の刷新については、表6記載の「骨太の方針」の趣旨を十分に継承し、各種施策を着実に実行してまいります。具体的には、閉鎖的な組織風土の打破、オープンなコミュニケーションの実現に向け、経営陣自らの変革や多様性を推進します。また、自発的成長を促し部門を越えて協力しあう風土の実現に向けた人事育成ローテーションの推進をはじめ、ミドル・マネジメント層の業務環境改善を狙いとした管理スパンの適正化や権限分散の体制を構築し、経営による適切なサポートを実施するとともに、マネージャーの本質的役割の意識づけ、実践に向けた管理者教育の充実など、組織風土の改革と定着に資する取り組みを確実に実行してまいります。これらの施策の実施状況についてモニタリングを継続的に行い、実効性を追求・検証しながら、進めてまいります。

表6:組織風土改革の進捗
項目 2022年5月現在の進捗
①全社変革プロジェクト
“チーム創生”
  • 1)「骨太の方針」の策定

    【経緯】
    Step1:課題と真因の追求(2021年10月~12月)
    Step2:施策の検討(2021年12月~2022年2月)
    Step3:「骨太の方針」を策定(2022年3月策定、4月8日公表)

    【概要】

    • 「マイナスからゼロ、ゼロからもっと素晴らしい明日へ」を目指し、6項目の方針を設定
      • 「劣化している風土を改善する施策」
        • 前向きで双方向なコミュニケーション活性化
        • 本質的な業務に集中
        • 広くわかり易く情報を共有
      • 「新しい風土を築く施策」
        • 役割・権限・責任を適切に付与して人・組織の自走を促進
        • 部門を越えて繋がりあうことで、強みを認識、活かす
        • 学び合い、自発的に成長しあえる機会を増やす
    • 「私(me)から変わる、そして、三菱電機グループ(Mitsubishi Electric)を変える。自分ができること、三菱電機グループができることをひとつずつやっていきしょう!」の意味を込めたスローガン“Changes for the Better start with ME”を設定
  • 2)進捗と今後の予定
    • 2021年10月に設置した「全社変革プロジェクト」に加え、社内の各事業本部等にも各部門の変革プロジェクトを設置。「骨太の方針」の実現や各部門固有の課題の検討を実施予定(各事業本部等の変革プロジェクト計148名)
    • 経営者から各拠点従業員まで広く「骨太の方針」に関する説明・討議を実施中(2022年5月現在 計59回)
②人事制度の刷新
  • 1)劣化している風土を改善する施策
    =オープンなコミュニケーションを実現する風土づくり=
    • オープンな風土形成に向けた経営陣自らの変革
      • ア.トップからの行動変容を目指した執行役コーチングの推進
        • 2021年11月から、執行役全員へのコーチングを実施中
        • 2022年度の新任執行役、上席執行役員も実施予定
      • イ.執行役報酬制度の改革
        • 従業員エンゲージメントの報酬への反映等の視点も含めた制度への変革(2022年5月25日公表)
    • 閉鎖的な風土を打破する多様性促進
      • ア.女性活躍促進と異種の経験を重視した経験者採用の推進
      • イ.海外従業員との人的交流促進
        • 海外からの出向受入、リモート業務スキームの試行を踏まえたガイドライン策定(2022年9月予定)
  • 2)新しい風土を築く施策
    =自発的成長と部門を越えて協力しあう風土づくり=
    • 若手のキャリア拡大を企図した新スキームの検討
      • 本人希望を尊重した他職場の経験、キャリアコンサルティング機能の強化等を検討中(2022年10月以降、試行導入)
    • 部門間の壁を打破する人事ローテーションの推進
      • 管理職を含めた従業員各層の部門を跨るローテーション指針を全社に展開(2022年3月)
    • ミドルマネジメントのサポートと組織の適正化推進
      • ア.人材マネジメントをより重視した管理職任命要件の確立・展開(2022年10月以降、試行導入)
      • イ.ミドルマネジメント層の負荷軽減に向けた権限分散と適正な管理スパン基準の策定(2022年10月予定)
      • ウ.マネジメント層への役割意識醸成の為の教育の充実
        • 新任管理職向けマネジメント強化研修を導入(2021年10月)
        • 既任者向けビデオコンテンツを提供(2022年上期予定)
③意識改革・行動変容の促進
  • 改革に向けた社長の思いを伝え、双方向での意見交換を目的とする社長による当社拠点管理者・従業員との対話活動を継続実施中。21年度は全42拠点で実施済。22年度はより深い対話を志向し、階層別小規模単位でのタウンミーティング形式で実施中(全42回中、9回実施)
  • 相互理解の深化、課題認識・方向性を共有するための執行役ワークショップを継続実施中(2021年11月~ 計3回実施)
(3)ガバナンス改革

中長期的かつ持続的な企業価値向上のため、経営監督機能強化に向けた取締役会改革の取り組みを開始するとともに、弁護士等の外部専門家から構成する「ガバナンスレビュー委員会」を昨年10月20日に設置して、内部統制システム・ガバナンス体制の検証と課題抽出、及び改善策の検討を進めています。今後、ガバナンスレビュー委員会からの提言内容も踏まえ、当社の内部統制システム・ガバナンス体制の更なる改善を検討、実行する予定です。

ガバナンス改革については、指名委員会等設置会社として、執行と監督の分離という基本的な建付けに立脚しつつも、法定三委員会を含め、取締役会として世の中のガバナンスの趨勢も見据えつつ、あるべき監督像の実現を目指します。

指名委員会等設置会社としてのあるべき監督機能の実現に向けては、適切な監督機能の発揮に必要な環境整備・強化(取締役会機能と構成/社外取締役支援)とともに今後、ガバナンスレビュー委員会からの提言内容も踏まえた個別具体的な監督機能の強化策の実施を両輪として取り組んでまいります。

また、リスクマネジメント体制の強化に向け、2022年1月に、社長直轄の専門組織を設置するとともに、新たにリスクマネジメント担当執行役(CRO)を選任しています。本組織が社内におけるリスクマネジメントに関する活動を俯瞰し、当社において重層的に整備されている内部統制諸施策を点検し、実効性のある管理体制となっているか、手続きが形骸化していないか、アセスメントを行い、内部統制諸施策の棚卸・改善を行っていく予定です。

表7:ガバナンス改革の進捗
項目 2022年5月現在の進捗
①経営監督機能の強化
~取締役会改革~
  • 1)取締役会の機能強化
    取締役会のアジェンダを見直し、当社のありたい姿、組織風土改革の取り組みなど、取締役会として議論すべき重要議題を決定(2022年3月31日取締役会)。2022年7月(取締役選任後)より適用開始
  • 2)取締役会構成の見直し
    • 取締役会議長へ独立社外取締役を選任(2021年10月)
    • 本年株主総会に上程する取締役候補を決定(2022年5月25日公表)。製造業経営経験者を招聘し、独立社外取締役過半化の予定
  • 3)取締役会事務局機能の強化
    • コーポレート関連部門に取締役会事務局兼務者を配置し、事務局とコーポレート関連部門との連携強化(2021年11月)
    • 取締役会での重要議題運営に向けて、取締役会事務局に経営企画部門参画(2022年10月)
    • 事務局機能強化に向け、経験者採用1名配置(2022年5月)
  • 4)法定三委員会の機能強化
    • 指名委員会:位置づけ、役割の見直し実施(指名委員会規則改定/2021年11月25日取締役会)
    • 報酬委員会:新たな執行役報酬体系の導入(2022年5月25日公表)
    • 監査委員会:ガバナンスレビュー委員会の検証結果を踏まえた必要な見直しを実行予定
  • 5)その他
    • ガバナンスレビュー委員会の検証結果も踏まえた更なる改善を検討・実施予定
②内部統制システムの検証
~ガバナンスレビュー委員会~
ガバナンスレビュー委員会の設置(2021年10月20日)
委員長 山口利昭(弁護士・公認不正検査士、山口利昭法律事務所)
委員 内藤順也(弁護士、桃尾・松尾・難波法律事務所)
委員 木内敬(弁護士・公認会計士、三浦法律事務所)
  • 同委員会より執行役・取締役の経営上の責任に関する報告書を受領、会社としての関係者処分を取締役会で決定・公表(2021年12月23日)
  • 同委員会は引き続き当社の内部統制システム・ガバナンス体制の検証を行い、調査委員会の調査結果も踏まえ、検証結果及び改善策の提言を提出予定。また2021年12月の調査報告書(第2報)以降に判明した品質不適切行為についても役員の経営上の責任につき検証予定
③リスクマネジメント体制の強化 危機発生時及び当社グループの事業遂行に影響を及ぼし得る様々なリスクへの部門横断的対応を強化する観点から、専門組織を設置し、新たにリスクマネジメント担当執行役(CRO)を選任(2022年1月)
(4)調査委員会の具体的提言と当社対応状況

今回受領した調査報告書(第3報)で、新たに以下の7つの具体的提言を頂いております。当社は3つの改革の中で、これらの提言内容に対応する具体的な取り組みを、以下のとおり実施しております。

表8:調査委員会の具体的提言と対応
調査委員会の具体的提言 当社対応状況

①過重な対策防止策による現場への過重負担への配慮

  • 全製作所に駐在する本社品質保証監理部が各製作所の実態を把握し本部と連携。必要に応じ全社支援を要請(表5 ②-1)
  • 品質ガバナンス分科会が施策の有効性・必要な資源投入を定期的に確認し、必要に応じ全社支援を実施(表5 ①)

②現場の取り組みの吸収と水平展開

  • 品質監査及び困りごと相談を通じて、各製作所での取り組み事例を吸い上げ水平展開(表5 ②-1、②-2)
  • 課人員数の適正化に取り組むとともに中間職位(副課長、チームリーダー等)の設置推進(表6 ②)

③現場との協働

  • 品質改革推進本部による製作所巡回の中で品質風土改革の取り組みに対し議論・協議を実施(表5 ②-2)

④分工場に対する重点的な取り組み

  • 本工場での一体的管理・運営を実施
  • 品質改革推進本部による品質監査は21製作所に加えて7つの分工場についても毎年実施(表5 ②-1)

⑤海外認証当局との折衝などのサポート体制

  • 品質改革推進本部内の法令・規格管理部にて外部機関活用も含めて対応(表5 ②-2)

⑥具体的なハウツーとしての管理職や担当者の教育・管理職の意識改革

  • 全社の新任課長研修において、問題が報告された際の事例も交えた具体的対処法を研修メニュー化(表6 ②)

⑦徹底した品質教育

  • 従来の教育に加え、今回の不適切事案に関する内容を追加し、品質教育を再構築
  • シンプル化に向けた社内ルール見直し検討
  • 発覚した品質不適切行為に対する具体的な対策の展開
  • 役員向け教育として実施済のコンプライアンス教育に加え、外部講師による品質ガバナンス教育実施を予定(表5 ②-3)

4. 経営体制・経営方針

調査委員会より直接原因の背景となる組織風土上の問題として指摘されている3項目(⑤拠点単位の内向きな組織風土、⑥独立性の高い事業本部制、⑦経営陣の本気度)については、経営体制改革や経営方針改定を通じても問題の解消を図ってまいります。

(1)経営体制改革

本年4月より、9つの事業本部を「インフラ」「インダストリー・モビリティ」「ライフ」「ビジネスプラットフォーム」の4つのビジネスエリア(BA)に分類し、社会課題解決に向けて全社事業を俯瞰し、中長期視点で企業価値最大化に取り組む4人のBAオーナーを新たに配置しました。事業本部での個々の事業競争力を強めつつ、BAによる横串機能の強化を通じて、拠点単位・事業本部単位で内向きと指摘されている組織風土の変革にも繋げていきます。

あわせてコーポレート部門におけるチーフオフィサー制の拡充により、俯瞰的な視点で全社経営を牽引し、全社共通のケイパビリティ強化やインフラ整備、効果的なリスク管理や統制、柔軟な事業運営支援を図ってまいります。

(2)経営方針改定

本年5月より、「事業を通じた社会課題の解決」とサステナビリティの実現を経営の根幹に位置づけることを、経営方針の中に明記します。社内報や社長タウンミーティング等を通じ、本方針を確実に社内に浸透させ、役員・従業員一人一人が自分ごととして意識することにより、社会的責任意識や規範意識の醸成を図ってまいります。

5. 役員の経営上の責任及び処分

当社は、2021年10月20日「ガバナンスレビュー委員会の設置について」にて公表のとおり、当社の内部統制システム・ガバナンス体制全般の検証と、品質不適切行為に関する執行役・取締役の経営上の責任の明確化を目的に、当社と取引関係のない外部専門家から構成する「ガバナンスレビュー委員会」を設置し、調査・検証等を進めています。

同委員会は、調査委員会による調査結果を踏まえた執行役・取締役の経営上の責任を検証する予定であり、2021年12月23日受領・公表の調査報告書(第2報)以降に判明した品質不適切行為に関する役員の処分についても、同委員会の検証結果を踏まえ、検討してまいります。

6. 今後について

今回までの報告では全22製作所等のうち調査未了が14製作所となっており、当社は引き続き、調査委員会の調査に全面的に協力し、品質不適切行為の全容解明に向けて総力を挙げて取り組んでまいります。

また、これまでに指摘された品質不適切行為に関しては、当社としてもきめ細かい分析を実施し、個々の現場に即した再発防止策の深掘りを図ります。

加えて新たな経営体制の下、調査委員会からの新たな具体的提言への対応を含めた、3つの改革を着実に進めることにより、社会・顧客・取引先・従業員を含めたあらゆるステークホルダーからの信頼回復に努めてまいります。

PAGE TOP