

技術系 2001年入社
環境工学専攻
入江恵
神戸製作所
社会システム第二部
設計・開発・技術管理
※記事、所属・役職及び写真は取材当時のものです。
一歩間違えれば
人命にかかわる、
という自覚と
責任を胸に。
安心して暮らせる世の中は
何物にも代え難い。
私は学部生、院生時代を通して環境工学を学びました。大雑把にいえば半分は「建築」、半分は「機械工学」という分野。水処理や環境アセスメント的な勉強にも取り組みました。こうした社会、環境、街づくりに関わることを研究してきたからでしょうか、いつかは人の暮らしを支える仕事に就きたいと考えていました。三菱電機を選んだのは、人工衛星の製造など宇宙開発の一端を担うなど最先端の、高度な技術力を有する企業だったから。ハイテク組織に身を置いて切磋琢磨し、エンジニアとして成長したいと考えたからです。
勤務地は私の希望通り神戸製作所。創業以来さまざまなインフラ関連事業を展開し、人間の暮らしを支えてきた場所です。そこで私は社会インフラをソフトウェアで支えるシステム設計課の一員に。最初に手掛けたのは「広域監視制御システム」でした。たとえば、広い地域に点在する雨量計や風速計、路面温度計、河川の水位監視モニター、カメラ映像などのデータを迅速に収集し、自治体の中央監視室などに情報提供を行うというシステム。官公庁および自治体は、こうして集められた情報を基に、市民に対して防災への備えを促し、一度災害が生じた場合には被害状況の把握、拡大防止、緊急活動に迅速に対応していきます。こうしたシステムの構築を通して、暮らしの安全、安心を追求することが、私たちに与えられたミッションです。

様々なインフラ分野で三菱電機の技術を役立てる。
2005年からは「官公庁向け移動体情報通信システムの車載情報端末」のソフトウェア設計を担当しました。車両とセンターがリアルタイムに接続され、車両の位置が分かるだけでなく、情報共有やリアルタイムな指示ができるようになることで、災害や事故・事件など緊急時に車両を迅速かつ効率的に運用するためのシステムです。当時は、三菱電機という会社の、インフラビジネスにおけるフィールドの広さに驚いたものです。入社後2〜3年の経験の浅い間は、システムの中の一つの機能の設計を任せていただきました。私が一つの案件をトータルに任せてもらえるようになったのは入社5年目となる2005年。この「官公庁向け移動体情報通信システムの車載情報端末」のソフトウェア設計業務を通して、独り立ちできるようになったと思います。


社会インフラに携わる技術者としての自覚と責任を改めて。
第一子を授かり、産休・育休明けの2008年から担当することになったのは、「鉄道旅客案内システム」。駅のホームで待つ乗客に列車が近づいていることを、LED発車標やモニターへの表示やアナウンスで知らせるシステムです。ちょうどこの頃、私は社内で昇進するための試験を受け、合格しました。この時、上司が私に対する戒めとしてアドバイスしてくださったのが、「社会インフラは一歩間違えば人命に関わる」ということ。私は“万一、システムの不具合でホームに居る乗客に電車が近づいていることを伝えられなかったら”と想像しては、上司の言葉を胸に刻み、気を引き締めました。と同時に、だからこそ社会インフラは“一生の仕事”にふさわしい、価値ある仕事であることを改めて実感したのです。


技術者として大切なことは、学び続ける姿勢かも知れません。
正直、三菱電機に入社するまで、プログラムやシステムの知識はゼロでした。二人の子供を授かり、母親になってから、仕事と育児を両立する大変さを初めて知りました。そして今、私はグループリーダーとして初めてメンバーを持ち、開発業務という新しい分野に挑戦しています。そんな自分のこれまでを振り返って思うことは、人間は一生勉強なんだということ。学ぶ姿勢を崩さず、何事も好奇心を持って取り組むことが大切だと感じています。それと、私がママさんエンジニアとして、限られた時間の中で新しい仕事に挑戦させてもらえるのは、職場の人たちをはじめ周囲の人間の協力があればこそ。これからも感謝の気持ちを忘れず、暮らしの安全、安心を追求していきたいと思います。



Career Profile
- 2001年 入社
- 神戸製作所に配属。広域監視制御システムの大画面表示機能・映像表示機能に関するソフトウェア開発を担当。
- 2003年
- 「Webによる地図情報システム」の工事案件向けソフトウェア開発を担当。
- 2005年
- 「官公庁向け移動体情報通信システムの車載情報端末」のソフトウェア設計を担当。
- 2007年
- 出産・育児休職。翌年復職。
- 2008年
- 「鉄道旅客案内システム」、「鉄道電力遠制システム」のソフトウェア設計を担当。
- 2011年
- 出産・育児休職。翌々年復職。
- 2013年
- 「ビル管理システム」のソフトウェア設計を担当。グループリーダーになり、各種開発業務を担当。
- 2017年
- 開発部へ異動。
- 2018年
- 社会システム第二部の兼務となり、社会インフラ維持管理サービスの開発リーダーを担う。