技術系 2006年入社 感性認知脳科学専攻 朴 信映 デザイン研究所 産業システムデザイン部 設計・開発・技術管理技術系 2006年入社 感性認知脳科学専攻 朴 信映 デザイン研究所 産業システムデザイン部 設計・開発・技術管理

技術系 2006年入社

感性認知脳科学専攻

朴信映

デザイン研究所
産業システムデザイン部
設計・開発・技術管理

※記事、所属・役職及び写真は取材当時のものです。

世界中の人に
喜んでもらえるように。
「使いやすい」「わかりやすい」「気持ちいい」
そんなデザインを
目指しています。

きっかけは日本のお菓子でした。

子供の頃からお絵描きが好きで韓国の美大へ進み、プロダクトデザインを学んだ私が大学院でデザイン工学を選んだのはユーザビリティをもっと勉強したかったからです。そのきっかけは、日本製のお菓子パッケージを手にしたことでした。日本のお菓子の箱はパッと開いて、パッと食べられます。そうしたアイデアや工夫に感心した私は、それが「ユーザビリティ」を含むUD(ユニバーサルデザイン)の概念であることを知ります。学べば学ぶほどユーザビリティを科学的に解明したいという欲求に駆られた私は、人間の心の働きだけでなく、脳内の活動についても学べる「感性認知脳科学」という学問の存在を知り、日本の大学院へ留学します。心理学をはじめとする認知科学のみならず脳科学、情報工学などの関連専門分野を横断的に学び、人間の創造性や感受性といった感性の働きを評価する研究に勤しみ、私は感性科学博士となります。この5年の大学での研究生活が、現在の私のベースとなっています。

きっかけは日本のお菓子でした。

「ユーザー中心設計」を啓発し、浸透させること。

私が所属するデザイン研究所は、文字通り三菱電機が市場に提供している多彩な製品群のデザインを一手に引き受けています。エンドユーザーがより大きな満足を感じられるような“三菱電機らしい未来の形”を作り出すことがミッションです。このため当研究所では、ユーザーが共感できるコンセプト創出に向けた3つのテーマを掲げています。プロダクトデザインでは「美しい造形」、インターフェースデザインでは「気持ちよく、わかりやすい操作性」、UD(ユニバーサルデザイン)では「便利な機能を多くの人に」です。感性科学博士としてユーザーテストを専門とする私の役割は、ユーザビリティ評価によって裏付けられたUI(ユーザーインターフェース)の開発とデザインの推進、さらにUX(ユーザーエクスペリエンス)をより心地良く、満足度の高いものにしていくことです。ユーザーにとって何が望ましいのか、ユーザーにとって使いにくいものになってはいないか、常に検証しながら開発を進める「ユーザー中心設計」をデザイナーやエンジニアに啓発し、浸透させていくことに力を注いでいます。

「ユーザー中心設計」を啓発し、浸透させること。

ユーザーの「使いやすい」「気持ちいい」を科学的に分析、評価。

デザイン研究所には、使いやすさや気持ち良さを検証する「ユーザビリティ評価室」をはじめ、自動車、キッチン空間など目的や用途別の実験・評価スタジオが設けられています。こうした施設を利用して、可能な限りユーザーの利用環境を再現し、実際に高齢者や未熟練者、障がい者といった方々に製品や評価用プロトタイプを使用してもらうことで自社製品の課題を抽出しています。たとえばエレベーターのユーザビリティ評価や、工場の製造ラインにおける作業環境の評価なども担当します。

その中の一つがトレインビジョンの開発プロジェクトです。トレインビジョンとは、電車などの公共交通機関を、あらゆる人が安心して利用できるように考えられた列車内映像情報システムです。従来、音声アナウンスでしか得られなかった列車案内や次の停車駅情報、さらには路線図、マナー案内などの旅客案内情報を、車両内に設置されたディスプレイに映像や文字情報で表示します。これによって、耳の不自由な人はもちろん、日本語が理解できない外国人や、土地勘のない人でもストレス無く鉄道を利用できるようにしました。

ユーザーの「使いやすい」「気持ちいい」を科学的に分析、評価。ユーザーの「使いやすい」「気持ちいい」を科学的に分析、評価。

あらゆる人に意味のある、価値のあるものづくりのために。

このプロジェクトにおける私の役割は、ユーザビリティ評価を通して営業、エンジニア、デザイナーと協働しながらUXを開発すること。開発においては、機能が斬新で高性能であればあるほど、ユーザーのためになると思ってしまいがちですが、ユーザー不在のデザインや設計がユーザーの真の満足を引き出すことはありません。追求すべきは、私たちではなくユーザーの「使いやすさ」「気持ちよさ」なのです。ユーザビリティワークショップや視線計測、主観評価を含めたモデルユーザーによる評価実験などを繰り返し実施するのは、さらなる品質向上のため。三菱電機の品質追求において、妥協は許されません。関係者も多い中、各自の意識の差を埋めながら進めていくことは困難なことでしたが、トレインビジョンのユーザビリティ評価は、HI(ヒューマンインターフェース)学会での論文発表や特許技術の取得、『IAUD(国際ユニヴァーサルデザイン協議会)アウォード 2013』の交通部門での金賞受賞につながるなど、大きな成果を上げることが出来ました。

“どんな有益な情報も伝わらなければ表示する意味がない”とはトレインビジョン開発の基本の考え方ですが、公共設備であれ、公共サービスであれ、結局のところ使う人の立場になっていなければ世の中に提供する価値は無いのかもしれません。このプロジェクトを通して、改めて学ぶことができました。だからこそ、ユーザビリティ評価という科学的アプローチを通じて気付いたこと、分かったことを、自社ブランドのブラッシュアップに活かしていきたいと思います。これからも三菱電機の製品があらゆる人の役に立ち、世界中の人に喜んでもらえるように貢献していきたいです。

あらゆる人に意味のある、価値のあるものづくりのために。

朴 信映5年後の目標 世界を舞台に三菱電機のUser experienceを語りたい! 朴 信映

Career Profile

2006年
入社。デザイン研究所に配属。研修や社外活動を通じて、UD(ユニバーサルデザイン)の必要性を学ぶ。
2007年
ユーザビリティ評価及びUD推進を含めたUX(ユーザーエクスペリエンス)向上を任される。主に公共交通機関の列車内情報システム「トレインビジョン」や車載機器のユーザビリティ評価を担当。
2010年
出産・育児休職。翌年復職。
2014年
現在は交通系デジタルサイネージの他、空調システムの快適度を指標化する生理計測など、主に三菱電機製品の感性評価を担当する。
2017年
ソリューションデザイン部へ異動。

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