三菱電機
「節電アシスト・らく楽アシスト」

Interview

使いやすさの先にあるもの

より多くの人のためのものづくり。
「らく楽アシスト」が本当に実現したいこと。

何歳になっても、障がいがあってもなくても、豊かで快適な暮らしを楽しみたいという願いはみな同じ。その想いに応えるものづくりが、三菱電機の「らく楽アシスト」です。ここでは活動に携わって10年目の石川美穂さんに、「らく楽アシスト」の魅力や考え方、開発秘話などを聞いてみました。

Question

三菱家電でよく目にする「らく楽アシスト」って何ですか?

「らく楽アシスト」は、三菱電機のユニバーサルデザイン(UD)の考え方をもとに、できるだけ多くの人があん心して、らくに、楽しく使えるデザインを通じて、豊かな暮らしのお手伝いをする活動です。リモコンの文字が大きいとか、操作を光や音声でナビゲートする、設置がかんたんといった家電機能の搭載は、その取り組みの一部に過ぎません。「安全であん心、使いやすく、使って楽しい」ものづくりを徹底することによって、その先にある「暮らしのクオリティアップ」をみなさまにお届けしたいというのが、「らく楽アシスト」に込められた願いなのです。

それを体現するために、「らく楽アシスト」では、「safe to use(あん心)」「easy to use(使いやすさ)」に加え、「fun to use(楽しさ)」に配慮したUDを心がけています。

できるだけ多くの人が、安全・あん心で、
使いやすく、その先に楽しさがある
それが「らく楽アシスト」の目指すUDです

Question

「らく楽アシスト」が対象としているのはどんな人たち?

ユニバーサルデザインとは、米国のロン・メイス博士が1985年に提唱した考え方をもとに、「年齢・性別・障がいなど、様々な特性を持つ人が共に暮らす社会で、より多くの人がより安心して暮らしていけるように、環境、建物、製品、施設等をデザインすること」です(一般財団法人家電製品協会HPより)。 「らく楽アシスト」では、その定義に則り、できるだけ多くの人を対象とした、使いやすく、あん心・安全なものづくりを目指していますが、なかでも特徴的なのは、70歳の身体特性変化を配慮し、設計基準を作成しデザインしている点です。なぜ70歳かというと、「60歳で定年退職をして家電製品を買い替えた後、10年経っても変わらずに使いやすい製品が身の回りにあること」を目標としたためです。

もちろん、身体特性の違いは加齢によるものだけではありません。さまざまな特性を理解するために、たとえば視覚障がい者向けの展示会などに出展してユーザーの生の声を聞くことも、「らく楽アシスト」の大切な活動となります。人は情報の80%以上を視覚から得ているとされますが、情報を受け取ることが最も困難な方にも使いやすいものであるには、どうしたらいいか。その解決方法を、「視覚障がい者のための専用品」に求めるのではなく、「晴眼者と同じ製品」をあん心して使っていただけるようにデザインしていくのが、「らく楽アシスト」の発想です。それは、「視覚障がい者の方に使いやすい製品であれば、晴眼者の方々にとっても使いやすい」と考えているからです。

「誰か」ではなく、「誰も」が
あん心して使えるデザインを心がけています

Question

「らく楽アシスト」の開発で印象に残っていることは?

視覚障がい者の方々にスマートフォンの使い方をヒアリングしたときの話です。みなさんがよく使うアプリを見せていただいたところ、音楽プレイヤーもショッピングアプリも私たちがふだん使っているものと同じであることに驚きました。もちろん、なかにはカメラがユーザーの眼となって文字や対象物を読み上げてくれるようなアプリもあり、それもうまく使いこなしていらっしゃるのですが、みなさんに共通するのは「みんなと同じものを同じように使いたい」「人の手を借りず、自分自身でやりたい」という強い想いでした。

そうした声に応えるために開発したのが、炊飯器操作のスマホアプリ「らく楽炊飯」です。というのも、当時音声ガイダンスの付いたジャー炊飯器は高級機種に限られており、お求めやすい価格の製品にも付けて欲しいというご要望が多かったためです。スマートフォンとRFタグを利用すれば、製品コストを抑えて音声ガイダンス機能をご提供することが可能になります。アプリと音声で操作をサポートすることにより、これまで「炊飯ボタンを押すだけ」だったという方々にも、炊飯器のさまざまな便利機能をお使いいただけるのではないか。そんな想いから、開発チーム全体でアプリ開発に取り組みました。

読み上げ機能と音声入力機能を組み合わせた「らく楽炊飯」アプリなら、米種や銘柄、炊き方、予約などの設定も画面を見ずに行えるため、視覚障がい者の方にも「これならいろんな機能が使える」と嬉しい評価をいただきました。と同時に、スマホに向かって話しかけるだけで、対話式に細かな炊飯設定を簡単に行えたり、レシピや仕上がり時間を手元で確認できたりといった機能は、忙しい主婦の方にも大好評。開発と設計、デザイナーが一丸となって何度も施策や評価を繰り返した結果、視覚障がい者の方にも晴眼者の方にも喜んでいただけるものづくりができたことは、大きな達成感につながりました。

「みんなと同じものを同じように使いたい」
ユーザーのその想いが開発チームの原動力に

Question

石川さんと「らく楽アシスト」の関わりについて教えてください。

2011年から「らく楽アシスト」の担当をしています。それまではずっと事務職だったので、チームの中で最もユーザーに近い感覚を持っているのではないでしょうか。当初は設計者やデザイナーが家電製品を設計する際に守るべき「UDガイドライン」の作成からスタートし、その過程で家の中に潜む危険を徹底的に調査、それらの危険に対して家電はどのような配慮をすべきなのかを検討しました。

その後は主にユーザビリティ評価に携わっています。これは、高齢者や障がいを持つ方をはじめ主婦層、男性などさまざまなユーザーに家電の試作品を使っていただき、その操作や行動を観察することで課題点と改善策を探る評価実験です。実験者と被験者だけでなく、設計者もデザイナーも全員が立ち会ってひとつのミッションに取り組むため、私たちはこれを「ユーザビリティワークショップ」と呼んでいます。

ユーザビリティワークショップは、製品開発のさまざまな段階で繰り返し行います。使いやすさは対象者や状況によっても異なるので、100%のゴールも正解もありません。だからこそ、毎回できる限りのベストを目指し、何度も発見と改善を重ねていくことが大事だと考えています。また、評価の際に私が重視しているのは、「行動をよく見る」ことです。口頭では「使いやすい」と回答する一方で、実際の操作に手間取ったり時間がかかったりする被験者も少なくないからです。ゆえに信じるべきは、言葉ではなく、行動。私はもともと人の行動を観察するのが大好きなので、この仕事は向いているのかもしれませんね。

使いやすさにゴールはないからこそ、
地道に改善を繰り返すことが大事なのです

Question

Twitterでも情報を発信しています。おすすめの活用方法は?

「らく楽アシスト」の活動をもっと多くの方々に知っていただくために、Twitterアカウント「三菱電機らく楽アシスト」(@ME_RakuRaku)を2017年2月から運営しています。ここでは各家電製品の使いやすさや利便性、楽しい使い方のポイントなどをご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。また、このアカウントでは家電のプレゼントキャンペーンなども実施しています。こうした機会を活用して、三菱家電の「らく楽アシスト」を体験していただけたら嬉しいですね。

「らく楽アシスト」は、ユーザーのみなさまのご意見に耳を傾けながら開発に取り組んでいます。そのお声が直接届くTwitterは、私たちにとっても貴重なコミュニケーション手段。これからも「らく楽アシスト」を絆に、私たち三菱電機とユーザーの方々とのつながりを大切にしていきたいと考えています。

Twitterを通じて広がる「らく楽アシスト」の輪。
みなさまのお声が次の開発につながります

三菱電機株式会社 デザイン研究所
石川 美穂

ソリューションデザイン部 デザインエンジニアリンググループ
特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構認定 人間中心設計専門家

1991年入社。2011年より「らく楽アシスト」に携わる。“最もユーザーに近い感性”と持ち前の“行動観察力”を武器に、ユーザビリティ評価で活躍。「らく楽アシスト」の活動を通じて、誰もがかんたんに、あん心して使えて、楽しさを発見できるものづくりに日々邁進中。

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