2025年11月26日から11月29日まで幕張メッセ(千葉県)で開催された、第9回・鉄道技術展2025に出展し、鉄道エネルギーマネジメントソリューション(EMS:Energy Management Solution)を構成する製品の1つとしてMHPBを展示しました。
MHPB
次世代蓄電モジュールMHPBは、高出力・中容量・長寿命・高信頼性を両立し、社会インフラと産業分野におけるエネルギー利用の高度化を支えます。
MHPBとは
MHPB(Mitsubishi High Power Battery)は、高出力・中容量・長寿命・高信頼性を同時に実現できる、次世代の蓄電モジュールです。
特長1 高出力特性
MHPBは一般的なLIB(リチウムイオンバッテリー)の2.5倍~6倍の高い電力密度を備えており、大電力が要求される用途において安定した電力を供給します。本特性により、電力変動の大きいシステムや瞬低対策が求められる設備に対して、バッテリーサイズ/重量を最小化することが可能です。
特長2 長寿命特性
DOD60%時に1,500,000サイクルが可能であり、電力変動を繰り返すような用途に適しています。また、交換頻度の低減により、ライフサイクルコストの抑制に貢献します。
特長3 優れた耐環境性
低温環境~高温環境まで幅広い温度条件下での使用が可能です。また、冷却のための水冷システムが不要であり、本特性からもライフサイクルコストの抑制に貢献します。
バッテリー&エネルギーソリューション
バッテリーを中心としたコアテクノロジーとライフサイクル全体を支援する統合エンジニアリングを、当社独自のデジタル基盤(Serendie)を通じて融合することにより、お客様のエネルギー課題や潜在ニーズ・シーズを解決するバッテリー&エネルギーソリューションを提供いたします。
コアテクノロジー
鉄道事業で培った高効率パワーエレクトロニクスシステムにより、消費電力を削減し、走行可能距離の最大化を実現いたします。また、エネルギーマネジメントソリューション(EMS)、サイバーセキュリティ技術、SoC/SoH推定技術などを社内外から結集することで、ソリューションの価値を高めるコア技術群を有します。
デジタル基盤
当社独自のデジタル基盤「Serendie」にて、導入時における使用条件に応じた充放電パターンや電池搭載量を最適提案いたします。また、運用中および更新時には、実走行データを活用することで更なる省エネを図り、高精度のSOH(State of Health)推定を行うことで、適切な更新時期を提案いたします。
統合エンジニアリング
当社の各分野での技術を基に、製品・システムの導入、運用・保守・アフターサービス、システム更新をトータルでサポートし、各ライフサイクルフェーズのデータを活用することで、お客様の持続的価値向上に貢献する統合エンジニアリングを実現いたします。
適用事例
トラムの架線レス化
鉄道車両にバッテリーを設置し、力行時にはバッテリーから電力を供給、ブレーキ時には回生電力をバッテリーに充電することで、架線レス走行を実現できます。
ソリューションを以下に示します。架線レストラムだけではなく、水素燃料電池等とMHPBモジュールを組み合わせるようなハイブリッドシステムにも適用可能です。
※VVVF:Variable Voltage Variable Frequency(可変電圧可変周波数)インバータ
電力システムにおけるピークカット
従来の電力システムにバッテリーを適用し、「高負荷時にはバッテリーから放電して、従来の電源とバッテリーから負荷に電力を供給することで、電源の負荷のピークを小さくする」というピークカットの制御を実現できます。本制御は、工場の電源容量低減など、様々な用途がありますが、以下では鉄道向け制御を示します。
ソリューションを以下に示します。
スタッカークレーンでの回生電力吸収
スタッカークレーンは、物流倉庫などで荷物の出し入れを行うために、上下および左右に移動しながら動作します。現在、多くのシステムではトロリー線を用いているが、新たにバッテリーを導入することで、トロリー線の撤去が可能となります。また、下降時の運動エネルギーをバッテリーに回収することで、エネルギー効率の向上が期待できます。
ソリューションを以下に示します。
データセンター向けUPSのバッテリー最小化
UPSは、停電発生時にバッテリーから電力を供給し、システムの継続運転を支援します。MHPBは非常用電源としての役割に加え、通常運転時のピークカット用途にも活用可能です。その高い充放電耐久性により、バッテリー部の最小化を実現します。また、高温環境下でも継続使用できる特性を活かし、弊社試算ではUPS室の空調電力を70%削減可能です。
ソリューションを以下に示します。
展示会・イベント情報
NHK Eテレ「サイエンスZERO」にて紹介されました(初回放送日:2025/12/14)
「運行システムに変革を!”鉄道技術”最前線II」にて、新交通システムの新型車両に搭載する「ハイブリッドスーパーキャパシタ」としてご紹介いただきました。駅停車時に急速充電、また走行時には回生エネルギーを活用して充電を行い、省エネと架線レスを可能とします。
メディア掲載情報
三菱電機と武蔵エナジーソリューションズが業務提携・共同開発契約を締結
”次世代蓄電モジュール Mitsubishi High Power Battery”の 「Prismo」 搭載について
JICAと阪急電鉄の「マニラ都市旅客鉄道の省エネルギー化を推進する技術協力」に参画
パワーエレクトロニクス×次世代蓄電デバイス 鉄道向け次世代蓄電モジュールが、レールを越え新たな可能性を加速|三菱電機 Biz Timeline
関連用語集
- 高電力密度
- 長寿命蓄電デバイス
- BMS(バッテリーマネジメントシステム)
- 回生ブレーキ
- 脱炭素