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See the moon 2007

謎6:4つの起源説

知っているようで知らない? 月をめぐる謎

月の起源には、4つの説があります。

分裂説の説明画像 自転の勢いで地球から物質が飛び出して月が生まれた、という説。 捕獲説の説明画像 宇宙を彷徨う天体が地球の引力で捕まった、という説。
双子説の説明画像 地球が誕生する時に一緒にできた、という説。   ジャイアントインパクト説の説明画像 地球に巨大な天体が衝突した際に飛び散った欠片でできた、という説。

双子説の場合、地球と組成が似るはずですが、実際には月には鉄や揮発性元素に乏しいです。 捕獲説の場合、巨大な天体を減速させるほどのブレーキをかけることは難しく、ブレーキがかかったとしても、うまいタイミングでブレーキペダルを放さないと、今度は地球に衝突してしまいます。 分裂説の場合、一部が引きちぎれるほど高速回転することは力学的に見て無理があります。 分裂説・捕獲説・双子説とも、月の誕生を矛盾なく立証することが出来ず、そこで登場したのがジャイアント・インパクト説です。 現在一番有力なのはジャイアント・インパクト説ですが、結論はまだでていません。


渡部先生の写真

現在、月の起源で最も有力なジャイアント・インパクト説では、火星サイズの天体が、成長段階の原始地球に衝突したとされています。他の説に比べると、この説が様々な点でもっとも月の謎を説明できています。ですが、まだまだ謎も残されているのです。14日に打ち上げられた日本の月探査機「かぐや」や、続々と打ち上げられる世界中の月探査機が、それらの謎解きをしてくれるはずです。期待しましょう。
監修:渡部潤一(国立天文台)

謎5:月の氷