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三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。

セミナーレポート
IoT/M2M展 セミナーレポート

2016年2月公開【全1回】

三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ マネージャ 楠和浩 ※講演者の所属は2015年10月時点のものです。

データの一次処理により年間9億円のコスト削減

e-F@ctoryを構成する要素技術には、1Gbpsの広帯域を持つネットワーク「CC-Link IE」、ネットワークの各階層をつなぐ共通プロトコル「SLMP」、デバイス設定の共通プロファイル「CSP+」、統合開発環境「iQ Works」、各種設計ツールとFA機器をつなぐ「EZSocket」などがあります。

特にCSP+は、持続的な成長を目指す工場には有効です。工場が新たな機能を備えるために新しい機器をつなげるたびに、個別のツールを導入して機器の設定を行っていたのでは、大きな負荷がかかってしまいます。CSP+は機器が自らの情報を宣言するための共通プロファイルであり、ネットワークにつながる機器の統一的な管理を可能にします。

また工場には、古い機器から新しい機器までさまざまな世代のものが入り交じっており、それぞれが使うコマンドも異なります。それらを共通化するのがSLMPであり、上位のEthernetからあらゆる機器を制御できるようにしています。

こうしたe-F@ctoryの技術を活用したソリューションは、当社だけで提供できるわけではありません。当社ではe-F@ctoryに基づくソリューションを提供するパートナーによる「e-F@ctory Alliance」を組織しており、ハード、ソフト、SIでそれぞれの強みを持つパートナーが共同で、顧客に課題解決の手段を提案しています。e-F@ctory Allianceには2015年6月末時点で291社が参画しており、今後も増える予定です。

そうしたパートナーによる事例は、グローバルで約130社、約5200件にのぼります。特に日本国内でe-F@ctoryの効果を実証済みのメーカが、海外展開に際してもe-F@ctoryを導入するケースが相次いでおります。

e-F@ctoryの典型的な事例として、米インテル社のマレーシア工場の事例をご紹介します。半導体を製造する工場で、年間約9億円のコスト削減を達成した事例です。現場の生産ラインから集めたデータを解析することで、歩留まり向上などを実現した事例ですが、もともとこの工場では現場のデータをそのまま解析システムに放り込んでいたようです。そこに加わったのがe-F@ctoryのシステムで、現場のデータとMESからの生産指示を照合する処理を付け加え、データの因果関係を明らかにしたうえで解析を行うシステムに発展させました。その結果が、年間約9億円という大きなコスト削減です。

応用例

産業全体をカバーできるソリューションへ

e-F@ctoryが支持を広げてきた理由の一つは、20年前の古い機器も最新の機器も同じシステムにつながるという点です。新旧が同居する統一的なシステムを実現できる半面、古い機器のセキュリティ耐性が低いため、外部から狙われやすいというデメリットもあります。もちろんe-F@ctoryは現在もセキュリティ面でもさまざまな工夫を施していますが、今後はさらに強化しなくてはならないと考えています。

またものづくりは、生産だけではありません。広義のものづくりは設計や調達、物流やマーケティングなども含みます。工場を基点とした考えであるe-F@ctoryは、これらまで十分カバーできているとは言えません。RRIやIVIなどの活動とも連携しながら、こうした真のものづくり全体をカバーできるソリューションに、e-F@ctoryを昇華させていく方針です。

製品・ソリューション紹介

e-F@ctory

三菱FA統合ソリューション e-F@ctory

e-F@ctoryは、「生産情報の見える化」「エネルギーの見える化」「安全の見える化」の実現による企業のTCO削減、企業価値向上を支援します。

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Allianceとは、弊社FA機器との接続親和性の良いソフトウェア・機器を提供するパートナーとそれらを活用しシステムを構築するシステムインテグ レーションパートナーとの強力な連携により、お客様に最適なソリューションを提供するためのFAパートナープログラムです。

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